少女マンガで見かける「王道パターン」こと「あるある」。現実では絶対に起こらないあり得ないと分かっていても、読み進めてしまうことはないだろうか。「あるある」を組み込んでいても、マンガ家の力量で魅力的な作品が生まれ続けている。本記事では、そんな「あるある」設定を紹介する。
「遅刻しそうになって、食パンを齧りながら家を出ると曲がり角で男の子にぶつかる」「眼鏡をとると美人」など、少女マンガで見かける「あるある」を紹介する。
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少女マンガで見かける「王道パターン」こと「あるある」。現実では絶対に起こらないあり得ないと分かっていても、読み進めてしまうことはないだろうか。「あるある」を組み込んでいても、マンガ家の力量で魅力的な作品が生まれ続けている。本記事では、そんな「あるある」設定を紹介する。
「地味でドブスと周囲に言われ続けてきた主人公が、眼鏡を外すと実は美少女」は、よくある少女マンガの設定として挙げられるだろう。大まかなあらすじは、地味だった主人公が可愛くなり、周りを見返し、イケメンと出会ってハッピーエンドを迎えるというものだ。例えば、『マイルノビッチ』の主人公「木下まいる」は、「毒キノコ」と呼ばれ周囲に嫌悪されていた。しかし、とある出来事がきっかけとなり、誰もが認めるほどの美少女へと変身したのだ。このような設定は、女の子が大好きな永久不滅のシンデレラストーリーと似ているのではないだろうか。
「お互いの第一印象は最悪」。これも、少女マンガではよくあるものではないだろうか。『神様はじめました』の主人公「桃園奈々生」は、新しい土地神として「ミカゲ社」にやって来るが、そこで出会った「巴衛」とは何かと衝突し、喧嘩ばかりしていた。だが、様々な事件や困難を乗り越えていく度に距離は縮まり、「神様と神使」の関係以上の気持ちを抱くようになる。マイナスからの出会いだったが、共に過ごすうちに相手が気になっていくというのは、やはり『神様はじめました』以外の作品にも見られる。最初は気に食わない相手だったが、実はたくさんいいところがあった、というギャップや、本音をぶつけ合った同士の絆が芽生えるというものが、読者にはたまらないのかもしれない。
「転校してきたイケメンに惚れる主人公」。こちらも少女マンガではよく見られる設定ではないだろうか。『胸が鳴るのは君のせい』の主人公「篠原つかさ」は、中2の時に転校してきた「有馬隼人」に想いを寄せていた。当時隣の席になった「有馬」に、コンプレックスだった名前について優しい言葉をかけられ、以来親しくなるにつれて片思いを募らせていく。また、『orange』の主人公「高宮菜穂」は、東京から転校してきた「成瀬翔」が隣の席になり、球技大会がきっかけで彼を好きになる。学校を舞台にした物語では、「転校生」の存在が平穏な学校生活を送る主人公への、ある種の変化を担っているのかもしれない。もしも隣の席になったことで接点が出来るなら、転校生へ期待するのも悪くないかもしれない。
『オオカミ少女と黒王子』の主人公「篠原エリカ」は、学校で王子と騒がれる「佐田恭也」に彼氏のフリをしてもらっている女子高生。表向きは人当たりのいい「恭也」だが、本性はドSで腹黒い。作中、エリカは他のクラスの女子グループに呼び出され、「恭也」はアイドルのような存在なので、手は出さずに鑑賞だけで満足しようという暗黙のルールがあると説教された。このように、「学校の人気者が彼氏になると女子の集団から呼び出しがかかる」ことは、少女マンガでよく見られるものではないだろうか。また、作品によっては学校の人気者と仲良く話をしていても、女子の先輩から呼び出され「近付くな」と釘を刺されることもあるようだ。
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「ごく普通の主人公が、同時期にイケメンたちから迫られる」というのは、三角関係を描く少女マンガでよく見るシチュエーションではないだろうか。例えば、『ラブ×ラブゲーム』の平凡な主人公「心春」には、イケメンの幼馴染み「奏」がおり、家も隣同士だが、いつの間にか全く話さないほどに疎遠になっていた。ある日、クラスの人気者「陽向」と話すようになり気になり始めるが、「奏」も「心春」のことが気になる様子で、三角関係に突入する――。本作以外にも、平凡だったり地味な女の子がイケメンたちに告白され、モテモテにあるマンガは多い。時には、三角関係以上の複雑な人間関係に発展したりと、「イケメンたちが主人公を取り合う」という光景は、読者の憧れと願望を反映した結果なのかもしれない。
『好きっていいなよ。』を例に挙げてみよう。小学生の時に友達に裏切られて以来、人を信じることが出来ない主人公「橘めい」。ある日、とある男子生徒のイタズラに怒り、誤って無実の「黒沢大和」へ回し蹴りが命中。彼に怪我を負わせてしまう。だが、「学校一のモテ男」である「大和」は怒るどころか「友達になろう」と「めい」を気に入る。また、大人気作『花より男子』では主人公の「牧野つくし」が、学園で好き勝手に振る舞う「F4」のリーダー「道明寺司」に蹴りを入れ宣戦布告。自分の思い通りにならない存在に出会った「道明寺」は「つくし」に惹かれていくのである。女子に好かれるのが当たり前、自分の思い通りになるのは当たり前だと思っていたキャラクターが、主人公の女子が自分に興味を持たない、または予想外の行動をしたことで「お前面白いな」と言わんばかりにアプローチをしてくるのは、少女マンガでよくあるシチュエーションではないだろうか。
例えば、親同士の再婚で気になっていた相手と家族になり一緒に住むことになったり、行くあてもなく可哀想なので拾ってあげたり、火事でやむを得ず同居など、様々な事情で男女が同じ屋根の下に暮らすことも、少女マンガでは「あるある」ではないだろうか。例えば『L❤DK』では、主人公の「西森葵」はアパートで一人暮らしをしていたが、彼女の親友を冷たく振った学校の「王子」こと「久我山柊聖」が隣の部屋に越してくる。そして、とあるハプニングが起きた結果、「柊聖」の部屋の修理が終わるまで「葵」の部屋で同居することになるのだった。「結婚どころか、付き合ってもいないのにイケメンと同居」という夢のようなシチュエーションに憧れる読者は多く、また、大抵は同居してしまったら絶対にその相手に惹かれる、というのも「あるある」なのであろう。
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