女装のスーパーベビーシッターが子育てに悩む人々を救う育児コメディ漫画。おっぱいをあげても、おむつを替えてもなきやまない…ワンオペ育児に疲れきったママのもとにやってきたのは、英国淑女のような衣装に身を包んだ、ごついベビーシッターの下落合ギン。赤ちゃんから難しいお年頃の子供まで、育児のことならなんでもござれのギンは、実は男性だ。ギンならではのやり方で、子育てに悩むママの味方となって、みんなを笑顔にかえていく。2019年にテレビドラマ化。
イクメンのギンは、一見背の高い女性だ。クラシックなドレスに帽子にサングラスという「メリー・ポピンズ」を思わせる服装で、「こんにちは赤ちゃん」の歌を口ずさみながら依頼者の元に現れる。その扮装に度肝は抜かれるが、彼のベビーシッターとしての実力は一流だ。英国ナニー協会認定のプロで、オムツ替えや沐浴といった赤ちゃんのお世話は朝飯前。神経質で夜泣き続きの赤ちゃんでも笑顔に変えてしまう。乳房管理術の免許も持っているので、母乳育児に疲れたママのケアまで完璧だ。子ども達を「天使ちゃん」と呼び、天使ちゃんの笑顔と育児に悩める人々のため、今日も奔走する。時には手厳しいギンだが、その裏には優しさがある究極のイクメンといえる。
魔王の子どもを育てることになったヤンキー高校生が悪魔や不良と戦う異色のバトル漫画。高校生の男鹿辰巳(おがたつみ)は、周囲の不良から「アバレオーガ」として恐れられる凶悪さと強さの持ち主。そんな男鹿が、河原でおしゃぶりをくわえた赤ん坊を拾う。実はその赤ん坊の正体は、人類を滅ぼすために送りこまれた魔王の第三王子だった。男鹿は、魔王の子どもに気に入られてしまい、不良や悪魔とのバトルと育児を両立していく。2011年にテレビアニメ化。
男鹿は、イクメンからはほど遠いヤンキー高校生。そんな彼に育ての親として白羽の矢を立てたのが、魔王の子、カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世こと「ベル坊」だ。どういうわけか男鹿を気に入ってしまい、引き離そうとしても彼から離れなくなってしまう。ベル坊は、赤ん坊とはいえ魔王の子。癇癪をおこしてギャン泣きすれば、破壊力抜群の電撃が発生し周囲は木端微塵となる。そうなると、ベル坊に仕える侍女悪魔ヒルデガルダもお手上げだ。しかし、男鹿だけは最強の赤ん坊を泣き止ませることができる。文句を言いながらも育児をこなし、悪魔から不良まで幅広い相手との喧嘩に明け暮れるイクメンスタイルには、スカッとしつつほっこりさせられる。
男子高校生が5歳の姪っ子の親代わり成長していくホームドラマ。主人公は、高校1年生の片倉結平。ある日帰宅すると、見知らぬ少女が我が家にいた。叔母の坂下都が、娘のゆずゆを片倉家に預けたまま行方をくらましてしまったためだ。結平は姉からゆずゆの世話係を押し付けられ、幼稚園の送り迎えからお弁当作りまで親代わりとなって奮闘する。2004年にテレビアニメ化。
結平は、女の子からモテモテのイクメンならぬイケメン高校生。かわいい女の子と見れば、すぐに口説きだす軟派な性格をしている。そんなちゃらんぽらんな結平が、突如として幼稚園児の世話係を命じられたのだから大変だ。手はじめに幼稚園の送り迎えを担当するが、お弁当を持たせることが分からず、コンビニのおにぎりで済ましてしまう。しかし、健気にふるまうゆずゆの姿に心を動かされ、弁当作りにも挑戦する。ついには、ゆずゆの世話に専念するため、女の子とも距離をとるなど、そのイクメンぶりに頭が下がる。つらい境遇にあっても健気さとまっすぐさを失わないゆずゆと、いい加減に見えて根は優しい結平が絆を育む様子に胸が熱くなる物語だ。
独身サラリーマンと6歳の女の子が共同生活を通じて家族になっていく姿を描く育児×人間ドラマ。30歳の河地大吉は、祖父の葬儀で祖父の隠し子という鹿賀りんと出会う。親族がりんを敬遠する中、大吉は自分が引き取ることを決意し手探りの育児が始まる。6歳ながらしっかり者のりんと大吉は、次第に家族としての絆を育んでいく。2011年にテレビアニメ化、実写版映画も公開された。
本作のイクメンは働き盛りの三十路の独身サラリーマンで、子育てとは縁遠いプロフィールを持つ人物だ。しかし、親戚から厄介者扱いされるりんを見て、「彼女の気持ちを一番に考えてやりたい」と保護者となることを決意する。とはいえ、6歳の子どもを育てるのはそう甘くはない。大吉はりんと生活するため、保育園探しに奔走し、残業のない部署に転属するなど、生き方を少しずつ変えていく。子育てと仕事の両立の難しさは多くの親が直面する問題だが、本作では大吉が独身男性なだけ、より鮮明に浮かびあがってくる。しかし大吉は、環境の変化に戸惑いならも厭うことはせず。そんな彼の姿を見てりんは信頼を深めていく。本作で描き出されるのは、リアルにして理想的なイクメン像だ。
高校生の男女が赤ちゃんの育児に奮闘するラブコメディ。持田野子はクラス委員長を務めるしっかり者の女子高校生。ぐーたらでマイペースなクラスメイトの北島勇士は、少々苦手な相手だ。しかし、野子の隣の家に勇司が引っ越して来る。しかも、彼の家の前に赤ちゃんが置き去りされ、一緒に面倒をみることに。野子は、学校ではいい加減でも、育児は一生懸命しようとする勇士の意外な一面を知り、惹かれていく。
自分の家の前に、「しばらくの間、面倒を見てください」という置手紙と共に、覚えのない赤ちゃんが置き去りにされていたらどうする?まずは、警察に届けようと思うのが普通だろう。野子もそう考えたが、本作のイクメンである勇士は違った。やむを得ない事情があったのだろうと考え、母親が戻ってくるまで大切に預かることを決意する。とはいえ、赤ちゃんの世話などまったくしたことのない勇士は、赤ちゃんが泣いてもお手上げ状態。歳の離れた妹のいるしっかり者の野子に教えてもらいながら、新米イクメンとして真面目に取り組む。微笑ましい即席の高校生パパとそれを応援する高校生ママが、育児を通して恋心を通わせる様子にほっこりする作品だ。