ヒロインのフェルディアは、孤児院で育った、とってもお金が大好きな女の子。趣味は仕事をすること! 自分を育ててくれた貧乏な孤児院の為に、働いて、働いて、働きまくって恩返しをするために、毎日頑張っている。
当然、炊事洗濯、育児、裁縫なんでもござれ。ありとあらゆる仕事をし、さまざまな事を難なくこなせるとっても生活力の高い女の子であった。
そんなフェルディアの一番好きな仕事。それがこの国、ユナイア王国のシレイネ姫の影武者をすることだった。
偶然にもフェルディアとシレイネ姫は姿形が瓜二つ。二人とも珍しい“淡い銀朱の髪”を持っているのだ。
国王も公認の影武者で、とても大変な仕事なのだが、フェルディアはこの仕事が大好きだった。その理由は割りがいい仕事だから! なのだが。
ある日影武者の仕事を依頼されたフェルディア。国王セタンタ陛下自ら頼み込んできたその依頼とは
シレイネ姫の身代わりとなり、エルラント帝国へ嫁ぐことだった!
実はユナイア王国は昨年、隣国エルラント帝国との戦いに敗れていた。和平条約を結んだあとの友好の証として、エルラント第三皇子クロヴィス=クルヴァッハ=エルラントと婚姻を結ぶことになったのだ。
要するに敗戦国に対して、人質として姫を嫁がせろと言っているのである。
で、病弱なシレイネ姫の代わりとしてフェルディアに白羽の矢が立ったわけで。
はじめは断ろうとしたフェルディアだったのだが、成功した暁には“荷馬車いっぱいの金貨”を褒美に与える! との言葉に思わず承諾してしまう。