1990年代アーケードゲームにスポットを当てたラブコメディ漫画『ハイスコアガール』のスピンオフ作品。主人公は彼氏いない歴28年の女性・日高小春だ。小春は母校である南中で、国語の教師として働いている。かつてはゲームセンターによく通っていた小春。しかし現在は、問題児ばかり所属している3年生のクラス担任になるなど忙しく生活しており、ゲーセンからすっかり足が遠のいていた。そんな小春が、あることがきっかけで再びゲーマーとして立ち上がる。
かつて『ハイスコアガール』のもう1人のヒロインとして描かれていた小春。彼女が想いを寄せていた主人公・矢口春雄はヒロインの大野晶(あきら)を選び、小春は失恋した。本作は、そんな本編から11年後の世界を描いたスピンオフ作品にして、実質の続編でもある。恋に破れた小春は、以来誰とも付き合わずに生きてきて、アラサーである28歳になった。教師となった小春の毎日は、ただそつなく課題をこなし、教師としての使命を全うしていくだけの淡々としたもの。鬱屈した気持ちを抱えていた小春は、久しぶりにやってきたゲーセンで、絡まれていた生徒を助けるために再びゲーマーとしての自分を覚醒させる。前作同様ゲームの魅力を伝えながら、小春の教師としての成長にもスポットを当てた作品だ。
極道の家に生まれた女教師と不良高校の生徒たちの絆を描いた青春学園コメディ漫画。山口久美子はメガネにおさげ髪という地味な容姿の女性。職業は新米教師だ。彼女にはある秘密があった。それは、任侠集団・黒田一家の組長の孫であるということ。両親を事故で亡くし祖父の家で育てられた久美子は、組の跡取りという位置づけなのだ。そんな彼女が、悪名高き不良学校・白金学院で教鞭を執ることになる。2002年4月にテレビドラマ化、2004年1月にテレビアニメ化、2009年に実写映画化された。
私立白金学院高等学校では絶滅寸前の「つっぱり高校生」が未だにのし歩いており、かなり荒れている。久美子はこの学校で、様々な問題児たちを相手に授業を行っていくことになる。当然、最初は舐められまくっていた久美子。しかし、任侠一家で育ったため度胸があり腕っぷしも相当な彼女は、降りかかる問題を時にその度胸で、時に拳で乗り越え粉砕。それぞれ問題を抱える生徒たちに真正面から向き合い、徐々に彼らの信頼を勝ち取っていく。本作の魅力は、久美子を通して教育のあり方や家族のあり方を深く考えられる点。また、教師である久美子と生徒たちの絆、生徒同士の友情、久美子の恋愛など様々な要素がバランス良く組み込まれている点だ。大ヒットドラマの原作をじっくり堪能しよう。
現代の性教育に疑問を抱く熱血女教師による女子高生たちへの明るい性教育を描いたコメディ漫画。桜ケ丘女子高等学校に赴任してきた保健体育教師・辻尚子。彼女は自分の使命に燃えていた。初交平均年齢の低下と性交経験率の低下、学校できちんと教えられない性行為についての知識に危機感を抱いていた彼女は、自分が少しでもそんな現状を変えないといけないと思っていたのだ。辻は出会った様々なタイプの女子高生たちに対し、大胆な性教育を試みていく。
日本の教育では、性に関する知識はふんわりとしか教えられない。男女の体がどのように成熟していくのか、受精卵がどのように成長していくのかなどには触れられるが、性行為や避妊、自慰などについて具体的に取り扱われることは基本的にない。そのため、多くの子どもがきちんとした知識を得ることがないまま性に興味を持つことになり、望まない妊娠をしたり性犯罪の被害に遭ったりする可能性が上がる場合がある。本作は、そんな従来の性教育に疑問を抱いて真っ向から立ち向かう辻を通し、生徒たちが知りたいけど訊けなかった疑問の答えに迫っていくという作品だ。同性同士の恋愛やあまり触れられない女性の自慰行為など、様々な性に関する知識がコミカルに解説される。
高校で教鞭を執る女教師が高校生の幼なじみを異性として意識してしまう様子を描いた、凸凹ラブコメディ漫画。主人公は、高校で働く女教師の浦原乙女。彼女は彼氏いない歴=年齢という、恋愛経験値ゼロの女性だ。そんな彼女が勤めている高校には、家が隣同士なため幼い頃から交流があり弟のように可愛がってきた少年・ヒロが通っている。ある雨の日、ヒロが発した些細な一言をきっかけに、乙女は子ども扱いしてきた彼のことを異性として意識するようになってしまう。
乙女とヒロは「ヒロくん」「おと姉」と呼び合う幼なじみ。乙女はヒロのことを弟のように思って子ども扱いしており、そこに異性に対する感情はないはずだった。ところがある雨の日のこと。ヒロの傘に入れてもらって学校から帰ろうとした乙女は、ヒロの「そんなんだから彼氏ができない」という一言に怒り、「そこまで言うならアンタが彼氏になってくれるの?」と問うた。怒りから出た何気ない一言だったのだが、それに対するヒロの返答は「付き合うとかは卒業してからだろ」というもの。ヒロの言葉の真意がわからない乙女は、その出来事がきっかけでヒロのことを男性として意識するようになる。乙女とヒロの関係がどうなっていくのか、その行方に注目だ。
可愛いけれどズボラな女教師と野球をしない野球部員たちの日常を描いた青春学園コメディ漫画。主人公は新米女教師・山本ヒロコ。都立桃花高校に着任した彼女は、可愛らしい容姿から早速生徒たちの人気者になっている。しかし彼女の本性はとってもズボラ。とにかく面倒くさがりで、常に楽がしたいと思っている。そんなヒロコが、桃花高校の野球部顧問に就任することになった。野球部員は野球をしないデブばかり。彼らは可愛い新顧問に夢中になる。
生徒から没収した漫画を読み、生徒から没収したタバコを吸って金を浮かせ、生徒から没収したモデルガンを使って理不尽な八つ当たりをする自由な新米教師・ヒロコ。面倒くさがりな彼女は、新任の教師が提出する部活動顧問希望調査で帰宅部を希望していた。ヒロコの希望を見た教頭が彼女に命じたのは、野球部の顧問になること。野球部と言えば部活の花形だが、ヒロコにとっては面倒以外の何物でもない。それでも、気になっている同僚の熱岡が野球好きなため、話題が増えて急接近できるかもしれないという下心で野球部顧問の話を受けたヒロコ。そんな彼女を待っていたのは、野球をしない思春期真っ盛りの野球部員たちだった。ヒロコとへっぽこ野球部の、気が抜けるゆるい日常が始まる。