年上の男性に心惹かれた女子高生の恋模様を描いた、正統派ラブストーリー。主人公の橘あきらは、17歳の女子高生。あまり感情を表に出さないクールな彼女が恋い焦がれる相手は、バイト先のファミレスの店長・近藤正己、45歳だ。28歳も年齢が離れている近藤に、あきらの秘めた想いは募る一方。ある日、バイト中に起こった出来事をきっかけに、あきらは隠し続けてきた恋心を解き放つことになる。2018年1月にテレビアニメ化。2018年5月には実写映画化された。
あきらが想いを寄せる近藤は、お世辞にもかっこいいおじさまとは言えない。万年店長でバツイチ。頭にはストレスからできた10円ハゲがあるし、時々ズボンのチャックが開いていたりする冴えないおじさんだ。そんな近藤にあきらが想いを寄せるきっかけとなったのは、雨宿りで立ち寄ったファミレスでの彼との会話だった。陸上部のエースだったが、怪我で走れなくなってしまったあきら。絶望した彼女の心を救ったのが、近藤との何気ない会話だったのだ。近藤に恋をしたあきらは、想いを秘めながら近藤が勤めるファミレスで働き始め、ついに気持ちを打ち明けてしまう。雨の日に始まったあきらの恋は、どのような結末を迎えるのか。あきらの一途な片想いが胸に迫る。
雨の日に出会った1人の女性と1匹の自称・犬の日々を描く、多分仲良しなコンビの日常漫画。雨が降りしきる中、主人公の女性はダンボールに入った動物を見つけた。その動物は犬っぽい何かで、人間の言葉を理解し、ずぶ濡れになった主人公に折りたたみ傘を差し出すなど、かなり芸達者。主人公はその犬らしき何かを拾い、家で飼うことにした。この日から、クールな女性主人公と、芸達者で自己主張が激しい自称・犬の、ちょっと変わった共同生活が始まる。
主人公の女性が雨の日に出会ったのは、1匹の犬。たとえ見た目が明らかにたぬきでも、女性が犬だと思っていてその動物自身が犬だと主張していれば犬だ。その動物は文字を書くことができ、フリップを使うことで人間と意思の疎通ができる。自称・犬はフリップを使って主人公の女性はもちろん、彼女を取り巻く人間たちとも積極的にコミュニケーションを取っていく。本作の魅力は、主人公と自称・犬の距離感だ。主人公はクールで、ペットにデレデレするタイプではなく、自称・犬もべったりと懐きにいくタイプではない。しかし「雨が好き」「暗いところが平気」などの共通点があり、同じ好きを共有する者同士の独特の安心感がある。1人と1匹の穏やかな生活は、読者の心を癒やしてくれるだろう。
雨男と天才男子高生気象予報士が織りなす、お天気キャスター漫画。男子高校生の晴太郎は、名前からは想像できないほどよく雨に降られる。そのため小学生時代、周囲から雨男だとイジメられており、晴太郎自身も自分のことを雨男だと思っていた。そんな周囲と本人の思い込みを正そうと考え、小学生のときに気象予報士の資格まで取ってしまったのが、晴太郎の幼なじみである烏丸青(からすまあお)だ。ある日、青に地元ローカルテレビ局から、お天気キャスターをしてほしいという依頼が舞い込んでくる。
晴太郎は、雨が降ると傘を持たない人たちに傘を渡して回る。突然の雨が降る度に、自分のせいだと罪悪感を抱くからだ。晴太郎がそう考えるようになったのは、大事な場面でことごとく雨に降られていたことで、周囲から「雨男だ」とイジメられるようになったから。青は周囲が言う「雨男」を論理的に否定し、雨が降る度に幼なじみが罪悪感に苛まれずに済むように、10歳5ヶ月で超難関と言われる気象予報士の資格を取得した。そんな青が、ローカルテレビ局のお天気キャスターとしてスカウトされ、晴太郎はそのアシスタントをすることになった。理屈っぽくぶっきらぼうな青と、それをフォローする晴太郎。幼なじみコンビを通して、天気に関する様々な知識や言い伝えを知ることができる作品だ。
「アメフラシ」の少女と、太陽王と呼ばれる少年が心を通わせるディステニーロマンス。主人公は、貧しい鎖国国家「雨の公国」の第四公女ニケ・ルメルシエ。彼女の歌声には、雨を呼ぶ力があった。そんなニケは、雨の公国の自治を認めてもらうかわりに、「晴れの大国」の王であるリヴィウス1世に嫁ぐことになった。故郷から離れた地で彼女を待っていた王は、11歳の子供。ニケとリヴィウスは最初こそ反発し合うが、徐々にその距離を縮めていく。2014年4月にテレビアニメ化。
即位から僅か3年で世界征服を果たした太陽王、リビことリヴィウス。彼は晴れ続ける自国の天候に飽き、雨が見たいという理由だけで雨の公国に姫を差し出すよう要求した。そうして迎え入れられたのが、歌うことで雨を降らせることができるニケだった。ニケは明るく活発で、真っ直ぐな性質の持ち主。彼女は、自分のために雨を降らせるよう命じるリビに腹を立てる。しかし共に過ごすうちにリビが抱えている闇を知って放っておけなくなり、少しずつ彼の良いところを知って惹かれていくことになる。リビも、自分にはないものを持ったニケに心を寄せるようになった。本作の見所は、じれったい2人の恋模様と、ニケが呼ぶ雨の美しい描写だ。雨が彩る幼き王とお転婆姫の物語を堪能しよう。
砂漠に埋もれる町に住む少年と雨神の少女を中心に物語が展開する、ファンタジック・アクション・コメディ漫画。舞台となるのは、砂漠に埋もれた田舎町。この町には、供物と引き換えに雨を降らせてくれる不思議な神様「アメフラシ様」が存在している。ある日、主人公の少年・ギミィは、村の長老から供物の人形を作る役目を仰せつかったのだが、期日の朝までに作り上げることができなかった。代わりにギミィの弟妹である双子が人形に成りすまし、供物台へと向かってしまう。
砂ばかりの地にいつしか生えた、雲の葉を持つ神木。そこに住まう雨神「アメフラシ様」は、リクエストした供物と引き換えに雨を恵んでくれる。アメフラシ様と雨雲の樹なくして、この村はない。今回、アメフラシ様が供物にリクエストしたのは人形だった。手先が器用なギミィは町の長老から供物の人形作りを頼まれるが、こだわり過ぎた結果期限に間に合わず、見かねた双子の兄妹・ミルとメルが人形になりすまし、供物台に供えられてしまう。慌てて供物台に向かったギミィを待ち受けていたのは、ムチを持った不思議な少女だった。この少女こそ、町に雨を恵んでくれるアメフラシ様・ソラ。ギミィは供物として回収されてしまった弟妹たちを取り戻すため、否応なくソラと関わっていくことになる。