ポンコツJK迷探偵の活動にスポットを当てた、コメディ・ミステリ漫画。喫茶店の店長代理として働いている高校生の米井(よねい)コウタ。彼の前に、自称名探偵の美少女・癲狂院(てんきょういん)クララが現れた。実はクララは、適当な推理を展開する超ポンコツな迷探偵。平和な日常に何とか事件を呼び込もうとする大変なトラブルメーカーだった。今日も、迷惑を通り越して公務執行妨害で逮捕されかねないレベルの迷探偵・クララが大暴走し、周囲の人間たちを振り回す。
事件あるところ探偵ありとは言うが、事件を求めすぎて何でもない日常を強引に事件にしてしまう探偵はそういないだろう。本作のヒロインであるクララは、そんな珍しいタイプの探偵だ。彼女は名探偵を自称しているが、事件を解決した実績はない。探偵というより、名探偵に憧れるコスプレ少女、というほうがしっくりくるだろう。彼女はとにかく名探偵として事件を解決したいがために、起こってもいない事件の捜査を開始し、周囲を困惑させ振り回す。とても迷惑なのに周囲の人間がクララを憎めないのは、何でもない日常に刺激を見出す彼女の姿が子どものようで、その純粋さに羨望めいた気持ちを抱くからだ。程よくウザいクララと、彼女を取り巻く人々のドタバタな日常を楽しもう。
事件の詳細を迷宮入りにする探偵・池々郷(いけいけごう)を通してミステリー作品をおちょくる、パロディギャグ漫画。主人公の池々郷は、数々の事件を解決してきた探偵だ。だが、本格推理漫画に登場するような、卓越した推理力を誇る名探偵ではない。彼は運だけで事件を解決してきた探偵。適当に犯人を当てるだけで、肝心のトリックや犯人の動機などは一切見破れない。今日も池々は論理も何もない力技で、強引に事件を解決に導き、現場に混乱を残して去っていく。
池々はこれまで、当てずっぽうで数々の事件を解決してきた。彼は非常に運が良いため、これが不思議と上手くいく。池々が使うのは、インチキ占い師のようなやり口だ。誰にでも当てはまるようなこと、捉え方によって意味が変わってくる言い回しを多用して自分の意見を滔々と語る。それに対する周囲の反応を見て、自分が見当外れなことを言っている雰囲気であったら誤魔化し、核心を突いているようならそのまま話を進めればいい。それを繰り返していれば、最終的には真犯人に辿り着く。しかし、あくまで犯人が誰かわかるだけ。動機やトリック、アリバイ工作など、殺人事件で最も気になる謎については明らかにならない。謎の解明ではなく、池々の誤魔化し具合を楽しむ作品だ。
かつて名探偵として活躍したおじさんと押しかけ助手の女子高生の日常を描いた、人が死なない探偵ギャグコメディ漫画。主人公の名雲桂一郎は、探偵事務所を営む35歳の男性。10年以上前、彼は数々の難事件を解決に導いた天才高校生探偵として周囲に持て囃されていた。しかしその栄光も過去のこと。現在は、家賃もろくに払えないほど落ちぶれている。そんな彼の前に、探偵に憧れる女子高生・中西真白(ましろ)が現れたことから、物語は動き出す。
警察も手こずる難事件をいくつもスピード解決し、多くの人から称賛されていた名探偵・名雲桂一郎はもう存在しない。今いるのは、うだつの上がらない「元」名探偵のおじさんだ。高校時代に冴え渡った慧眼はすっかり鳴りを潜め、若い頃に無理をしたせいで体はボロボロ。何より問題なのは、体の衰えよりもセンスの衰えだ。名雲は古いやり方しか知らず、そのやり方で一度登り詰めてしまったため尚更そのやり方から離れられない、時代遅れな探偵だった。そんな彼に弟子入りしたいと現れたのが、今どきJKの真白。名雲は真白とコンビを組んで、様々な事件に挑むことになる。時代に取り残された迷探偵と、彼を翻弄する元気いっぱいな女子高生がどのような活躍を見せるのかに注目だ。
美国探偵事務所の面々が全力で仕事をして遊んで暴走する様を描いた、超ハイテンションギャグ漫画。治安が悪いことで有名な3番街にやってきた(タクミ)18歳の少年・恒(コウ)。彼の目的は、6年前に家出をし、以来ずっと行方不明となっている兄・巧美を見つけ出して連れ戻すことだ。恒は巧美を見つけることに成功するのだが、兄は美国探偵事務所の雇われ所長になっており、家に帰る気はさらさらない様子。恒は兄を連れ戻すその日まで、美国探偵事務所で働くことになる。
裕福な家に生まれた恒と巧美。しかし両親との関係は冷え切っており、家を継ぎたくない巧美は、6年前に姿を消した。兄がいなければ、自分が面倒な家を継ぐ羽目になる。恒は兄を親に引き渡して自分が家を出ようと考え巧美の行方を探し、美国探偵事務所でついに再会。兄が家に帰ることを了承してくれなかったため、自身も美国探偵事務所で見習いとして働くことを決意する。本作の魅力は、奇妙(ストレンジ)なキャラクターたちが織りなす賑やかなやり取り。息もつかせぬギャグの畳み掛けに、読者は圧倒されるだろう。兄弟を筆頭とした個性豊かな探偵事務所のメンバーたちが、様々な事件に巻き込まれたり、はたまた事件を巻き起こしたりする様子を存分に楽しもう。
私立探偵の活躍にスポットを当てた、ヒューマンラブコメ探偵漫画。主人公の妻木(つまき)は「ああ探偵事務所」の代表を務めている私立探偵。彼は世界的名探偵シャーロック・ホームズに憧れており、私立探偵という自身の職業に誇りを持っている。そんな彼が、ワトソン役である井上涼子を始めとしたキャラクターたちと関わりながら、持ち込まれる依頼の数々を、独特の発想や方法を駆使して解決らしき方向へ導いていく。2004年7月に実写ドラマ化された。
ホームズに憧れて探偵業界に入った妻木。しかし実際、推理を必要とする仕事はほんの一握りだ。探偵業は基本的に地道な調査と裏付けの毎日。そもそも、探偵に依頼を持ち込む人間はそう多くないため、推理どころか仕事がなくアルバイトをすることもある。では、依頼さえあれば妻木が華麗に推理を披露してくれるのかというと、そうではない。彼は何かと推理をしようとするのだが、それらは基本的に当たらないのだ。物語の多くは、ちょっぴり頼りない探偵・妻木のもとに依頼が持ち込まれることで動き出す。依頼の内容は浮気調査や落書きの犯人探し、失踪人の捜索など、日常の延長線にあるものが主。様々なタイプの依頼を、妻木は周囲の人間の力を借りながら、依頼人のためにこなしていく。