企業の利益を、各社が雇った闘技者同士の格闘試合の勝敗によって決める世界を舞台に、陰謀渦巻く裏社会と闘技者たちの戦いを描くバトル漫画。山下一夫は乃木出版に勤める、うだつの上がらないサラリーマン。ある日突然グループ会社の会長から呼び出される。そこで、江戸時代より商人たちの間で行われてきた伝統ある勝負法、拳願仕合(けんがんじあい)について知らされたのだった。近日ある権利をかけて拳願仕合に参加する予定の乃木グループでは、十鬼蛇王馬(ときたおうま)を雇う。それは前日の夜、山下が街中で見かけた、圧倒的な実力を持つ男だった。2019年7月にwebアニメが配信された。
様々な権利をかけて行われる拳願仕合。企業の命運をかけると言っても過言ではない戦いであるから、参加企業は選りすぐりの猛者を試合に投入してくる。義伊國屋(ぎのくにや)書店の闘技者・金田末吉(かねだすえきち)は、猛者という言葉からは程遠い容貌の男だ。虚弱体質なのでかなり細身。糸目は困ったような表情にも見え、およそ格闘技をしているようには見えないだろう。義伊國屋書店会長との出会いも将棋センターでだというから、どう見てもインドア派である。将棋はめっぽう強い金田だが、昔から身体が弱いため、強者に並々ならぬ憧れを抱いていた。自身が闘技者になったのも、弱者が強者に勝つため、というシンプルな理由である。戦い方は将棋が得意な金田らしく、「先読み」という攻撃予測術。頭脳と観察眼により、相手の動きを予測し、動く前に回避するという超人的なものだ。体格はもちろんのこと糸目からも弱々しく感じる。しかし、強くなりたいという精神は誰よりも強く固い。
高校生の姉と中学生の弟、両親という4人家族と周囲の人々の日常をコミカルに描いた、ショートホームコメディ。立花家は4人家族。マイペースで無口な父、強気で明るく働き者のよく歌う母。母譲りのおおざっぱな性格で少々不器用なところのある高校2年生の姉みかんと、シャイでナイーブな中学2年生の弟ユズヒコが、とあるマンションの一室で暮らしている。明るい性格の母は、今日も家の外であった出来事を、家族に語るのだった。2002年から2009年、2015年から2016年にかけてテレビアニメが放送。続編が連載されている。
立花家の長男のユズヒコは、茄子のヘタをかぶせたような特徴的な髪型と糸目がトレードマークである。家族は大なり小なり我が道を行くタイプのせいか、しっかり者のユズヒコは振り回されることが多い。家庭内では常識人かつ苦労人であるが、学校ではクールな男子で通っており、実は結構モテるのだが、本人に自覚はない。母やみかんが賑やかな性格のせいか、ユズヒコはとても落ち着いて見えるが、年齢相応な姿を見せることも多い。異性のアイドルに興奮し、一人任された留守番では羽目を外しすぎてしまう。家族を一歩離れて冷静に観察しようという距離の取り方が、思春期の男子らしくて微笑ましい。視力は悪いらしいが、ユズヒコが糸目で描かれる理由としては説明されていない。テンションが上がった時には開眼する。父は丸眼鏡で、どんな目なのか不明なのだが、遺伝という可能性を捨てきれなかったりする。立花家の謎の一つだ。
悪霊退治に来た死神の戦いに巻き込まれた霊感の強い主人公が、自身も死神として戦っていく中で、死神の世界の陰謀に巻き込まれていく現代和風バトルアクション。黒崎一護(くろさきいちご)は普通の人を見るのと同じように幽霊を見ることができる、強力な霊感の持ち主。幽霊にまつわる問題を解決することも多かったが、ある日、親が町医者をしている自宅にサムライのような姿をした謎の人物が入っていくのを見る。サムライは自身を「死神」だと言い、その家を彷徨っていた魂をあるべき場所に送るのだった。テレビアニメや実写映画などメディアミックス多数。
死者の魂は尸魂界(ソウル・ソサエティ)に送られる。尸魂界の護衛及び現世における魂魄の保護、回収を任されているのが護廷十三隊だ。現世における警察に近い役割を持っており、一番隊から十三番隊までが存在している。その三番隊隊長を務めているのが市丸ギンだ。糸目だが、柔和というよりも軽薄といってよい笑顔である。瞳の色は淡い水色。京都弁を話しており、どこからどう見ても胡散臭い人物である。飄々としているが、キツネや蛇にたとえられることもある通り、狡猾な性格といえる。放浪癖があり、行き先を告げずに姿を消すことが多い。私生活も過去も謎の多い人物である。そんなギンと昔からの仲であるのが、十番隊の松本乱菊(らんぎく)。幼馴染で、ギンが幼少期の乱菊を助けた縁が続いているらしい。乱菊との絆を辿っていくと、つかみどころのないギンの意外な一面が見えるだろう。普段は見せることがないからこそ、その友情がより深いものだと感じることができる。
テニスの名門中学校に入学したアメリカ帰りの主人公が、テニス部の仲間とともに全国大会優勝を目指して戦っていく姿を描くスポーツ漫画。越前リョーマはアメリカのJr.大会で4連覇したほどの実力の持ち主。帰国後、都内にあるテニスの名門校・青春学園中等部に入学する。テニス部に入部したリョーマだったが、部内は完全実力主義。定期的に開催される「校内ランキング戦」に勝たなければレギュラーにはなれない。リョーマは先輩部員たちと激しい戦いを繰り広げていく。アニメ化などメディアミックス多数。続編が2009年より連載開始。
青春学園中等部のテニス部は、全国屈指の強豪である。部員数は多いが、実際に試合に出場できるのはほんの一握り。試合に出場する選手は部内で行われる試合で決定され、ジャージはレギュラーになった者のみが着用することができる。不二周助(ふじしゅうすけ)は3年生。部内No.2ともいわれる実力者である。中性的で温和、家族思いの優しい性格をしており、特に同じくテニスをしている弟を溺愛している。穏やかな笑みを欠かさない人物で、糸目から受ける印象は穏やかの一言に尽きるだろう。その一方で、実は弱点を知られることを極端に嫌う。他者に弱みを見せないところからも、どこか底が知れない。シングルスのプレイヤーだが、ダブルスもできるという、部内では貴重な存在で、それが可能なのは人に合わせられる性格と実力ゆえだろう。そんな周助が、大激怒するという展開がある。普段が温厚なだけにそら恐ろしいくらいなのだが、眼光の鋭さが印象的だ。穏やかな人ほど怒らせるべからず、というのをこの上なく体現している。
小さくてかわいいものを好む高校生男子を主人公に、アルバイト先のファミリーレストランの日常を描くドタバタ4コマ&ショートコメディ。小鳥遊宗太(たかなしそうた)は小さいものを病的なまでに好む高校生。ある日ファミリーレストラン「ワグナリア」のアルバイト勧誘をしていた、小学生のような容姿をした上級生・種島(たねしま)ぽぷらに遭遇し、アルバイトすることを決意する。フロアスタッフとして働き始めた宗太は、宗太のことを「かたなし君」と呼ぶぽぷらや他の店員たちとともに、賑やかな日々を過ごすことになる。2010年にテレビアニメ化。
糸目キャラは男性が多い印象だが、もちろん女性のキャラクターにもいる。轟八千代(とどろきやちよ)はワグナリアのフロアチーフをしている20歳。笑顔を欠かさない人格者なのだが、元々目が細く、ウインクもできないらしい。実家が刃物店のため、常に帯刀しているという風変わりな一面もあるが、仕事は人一倍こなす働き者だ。生来の性格もあるのだろうが、八千代がワグナリアで一生懸命働くのにはある理由がある。それは、雇われ店長である白藤杏子(しらふじきょうこ)の存在だ。昔、いじめられていた時に杏子に助けられたことがあり、それ以来杏子に依存している。その姿が犬のようだということであだ名が付けられているが、本人は気にしていないようだ。そんなおかしな一面も持っているが、比較的店内では常識人に見えるのは、やはり笑顔を絶やさないからなのだろう。実は八千代の笑顔にときめき、片思いを拗らせている人物もいる。八千代にそんな意識はないが、なかなかに罪作りな笑顔だ。