三門市という街にある日、異世界への門「ゲート」が開き近界民「ネイバー」と呼ばれる侵略者が現れ、ゲート付近の地域を蹂躙し街は恐怖に包まれた。別世界の技術を持つネイバーには地球上の兵器は効果が薄く、都市の壊滅も時間の問題と思われていた。
その時、突如現れた謎の一団がネイバーを撃退して、こう言った「こいつらのことは任せてほしい」「我々は、この日のためにずっと備えてきた」そう言った彼らは、自分達を界境防衛機関「ボーダー」と名乗り、巨大な基地を作り上げ、ネイバーに対する防衛体制を、わずかな期間で整えた。
こうして人々は日常生活をとりもどしていった。
この作品は、ボーダー隊員である主人公・三雲修とその仲間たちの成長と闘いの記録でもある。
2015年にアニメ化もされた人気作品。
週刊少年ジャンプにて連載中、コミックは最新第15巻まで発売中。
ボーダーに所属する三雲修は転校生の空閑遊真がネイバーであることを知る。
さらにネイバーに狙われる少女、雨鳥千佳と空閑遊真が出会い、2人は様々な思いからボーダーに入隊する事を決意する。
ボーダーはネイバーの技術を独自で研究し、いくつかの対抗する手段を持っている。その中にトリガーという武器がある。このトリガーは誰もが扱えるものから、限られた者しか扱えないブラックトリガーという強力なものまで様々である。さらに、このトリガーはトリオンと言われている生体エネルギーを動力源としている。
トリオンというものは、トリオン器官と呼ばれる見えない内臓で生み出され、人間ならば誰しも心臓の横に、そのトリオン器官を持っている。筋力や運動神経に個人差があるように、トリオン器管にも人によって優劣がある。すなわち、同じトリガーを使用しても威力に差が出るという事になる。ボーダーはこのトリガーを使用する事にルールを作り、訓練生から精鋭隊員までの段階を作っている。しかしブラックトリガー所有者は、ブラックトリガーがあまりにも強力な故に、そのどれにも属さない。このブラックトリガーは強力である故に、ボーダー内でも所有する数は限られている。そして空閑はそのブラックトリガーの持ち主であったのだ。
ボーダー内ではいくつかの派閥があり、ブラックトリガーを所有する空閑がボーダーに所属する事を面白く思っていない者がいる。それはネイバーが侵攻をしてきた際に数多くの犠牲者がいたのも事実であり、それを恨む者もボーダーにいるからだ。ネイバーにも様々な考えを持った世界や国があるのだが、ネイバー侵攻による犠牲があった関係者は、ネイバーは全て同じだと思っている者も少なくない。その為、ネイバーである空閑を敵視する者も存在するのだ。空閑は独自の考えがあり、他のネイバーとは違う理由で三雲がいる世界に来たのだが、その理由が困難である事を知り、自国に戻る事も考える。しかし三雲やボーダーとの出会いをきっかけに新たな理由を探す事になるのである。その理由を探す手段としてボーダー入隊を決意した。
ネイバーには他の世界に侵攻する目的がある。その一つがトリオンである。トリオン能力の高い者は生け捕りにし、トリオン能力の低い者はトリオン器官だけを取り除く。そうやって集めたトリオンと兵隊を別の世界の侵攻に使うわけである。
雨鳥は尋常ではないトリオン器官の持ち主であった。その雨鳥が助けを求めていた友人がネイバー侵攻の際に行方不明になっていたのである。その友人を探す手段を得る為に雨鳥もボーダーに入隊する事を決意する。そして三雲はそんな犠牲者や行方不明者がいる中で、何もできない自分でも何かできないかという正義感のもと、ボーダーに入隊していたのである。そうして空閑、雨鳥、三雲の3人がボーダーに入隊しチームを組む事になり、そんな彼らボーダーに、ネイバーの侵攻も激化していくのである。
異世界から来た近界民「ネイバー」であり、ブラックトリガーの持ち主である。雨鳥と一緒にボーダーに入隊して三雲と三人でチームを組み、新たな生きる目的を探す。
正義感が強い中学3年生で、困っている人を放っておけない。ボーダーに所属していて、周りには自分がボーダーである事を隠している
尋常ではないトリオン器官の持ち主。その為、近界民に狙われる事が多い。
ネイバー侵攻の際に起きた事件で友人が行方不明に。自分のせいだと思い、探す為にボーダー入隊を決意。
三門市に開いたゲートによってやってきた異世界の侵略者。三雲のいる世界でネイバーと呼ばれる大部分は戦争用に作られた兵器、トリオン兵を指す。実際に門「ゲート」の向こう側に住む近界民は空閑のような人間もいる。
タイトルの「遅効性SF」とは公式サイトで使われているキャッチコピーである。
この意味は、コミック4巻から物語が大きく進むからだ。そのため、1~4巻までを一気読みすることを推奨されている。
『ワールドトリガー』にはまるかどうかの分岐点として、まずは4巻までを読んでみてほしい。