『刀剣乱舞-花丸-』刀剣男士便覧「薬研藤四郎」62 Pt.

刀剣育成シミュレーション『刀剣乱舞-ONLINE-』を原作としたアニメ『刀剣乱舞-花丸-』に登場する「刀剣男士」たち。刀を男性として擬人化することで女性から多くの支持を得て、そこから実際の刀に対し興味をもつ“刀剣女子”が生まれるきっかけにもなった。そんな人気アニメでもある『刀剣乱舞-花丸-』のキャラクターを、実際の刀の情報と合わせて紹介する。

戦装束は「粟田口派」揃いの紺色の軍服に、黒のハイソックス。内番服は黒いシャツにサスペンダー、ショートパンツ、ハイソックス、ネクタイの上から白衣を着て、メガネもかけている。色白であどけない顔つきから、一見すると儚げな美少年風だが、実際は声も口調も性格も大変男らしい「刀剣男士」。作中では図鑑のページをなんの躊躇いもなく破く場面もあり、そのギャップが堪らない。また医学の心得もあるようで、簡単な手当てや薬の調合などもできる。ただし手先が器用というわけではないらしく、りんごの皮むきをさせると、ほとんど身が残らない。「粟田口」である「藤四郎」兄弟の「短刀」たちにとっては兄貴分のため、長兄の「一期一振」が来るまでは自分がしっかりしなければと、常に気を張っていた。そのため「一期」が本丸に来た時には、柄にもなく目尻に涙を浮かべて喜んだ。打った刀工が短刀作りの名手だったため、兄弟がとても多い。

号：「薬研藤四郎（やげんとうしろう）」（「薬研通吉光（やげんどおしよしみつ）」とも呼ばれる）
刀長：八寸三分（約25.2センチ）
刀工：「粟田口吉光」
制作時期：鎌倉時代中期
主な元所有者：「畠山政長」、「足利義満」、「織田信長」
保存場所：焼失したとされるのが一般的な説であり、所在は解らない。

「畠山政長」が自刃の際、中々腹に刺さらないことを怒って短刀を放り投げたところ、近くにあった薬研に突き刺さったという逸話が名前の由来。それ以降、「吉光」の刀は「切れ味は抜群だが主の腹は切らない」と評判になり、諸大名に重宝された。「本能寺の変」で焼失してしまったという説が有力であるが、その後「豊臣秀吉」や「徳川家」に献上されたなど、説は様々。どちらにせよ、現在でも「薬研藤四郎」の所在はようとして知れない。