綿密な設定と世界観が魅了する「士郎正宗」代表作5選!!359 Pt.

出典：Amazon.co.jp

西暦2029年、核大戦、非核大戦後の荒廃した世界が物語の舞台となる。科学技術が高度に発達しており、電脳化技術や、サイボーグ技術などが普及している近未来。多くの者がパソコンなどの端末を用いずに「電脳」を介し、インターネットにアクセスすることが可能となっている。そんな時代で、多様化する犯罪に対抗するために創設された内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」の活躍を描く。
熱心なファンにしてみれば異論はあるかもしれないが、本作が「士郎正宗」の代表作と言って過言はないだろう。作り込まれた緻密な設定とサイバーパンクな世界観で全世界に「士郎正宗」の名を名実ともに知らしめた。

出典：Amazon.co.jp

金星人が作製した超巨人級コンピューター「ネメシス」のシステムに統制された世界。
執政バイオロイドの「ゼウス」「ヘルメス」らの政治陰謀による事件と、対抗する女性バイオロイド「テュフォン」の戦いが描かれる。
発表されたのが1985年。今回紹介する作品の中では最も古い作品。
「士郎正宗」のデビュー作でもあるのだが、この時点で氏の持ち味である複雑さや難解さは存分に発揮されている。
OVA化もされており、「士郎正宗」自身が監督、絵コンテ、脚本を担当している。

出典：Amazon.co.jp

同時期に地球各地にて戦火が交えられ、大規模な軍の移動と共に大戦が行われた世界。
全ては混沌の中にあり、ありとあらゆる情報が消失している中、「デュナン・ナッツ」と、全身をサイボーグ化した「デュナン」の恋人である「ブリアレオス」の活躍を描いた作品。
この作品は何度か映像化されているのに加え、ゲーム化もしているので比較的知名度は高いかもしれない。
かなりハードなSFなのだが時折描写される「デュナン」と「ブリアレオス」のいちゃつきっぷりと、骨太なアクションシーンの融合には唸らされるだろう。

出典：Amazon.co.jp

やたらと有機的な外観をした世界で、メカ好きの女の子が奮闘するポリスアクション。
犯罪組織の「武悪（ぶあく）一味」と警察の戦車隊とのやり取りは実に軽妙で、作中に登場するメカニック類にも作者のセンスが光る。
「武悪」の資金源や宇宙逃走に関して不審な点があるのも、国家や組織が一枚岩でないことをオブラートに包んでマイルドに表現してくれている。
とにかく描き込まれたアクションシーンが圧巻なので頭を空っぽにして読めるし、深読みしようとすればいくらでも深読みできる作品なのだ。

出典：Amazon.co.jp

惑星「瑠璃家水天」にあるヤマタ人民帝国から「蛇目博士」の手によって、国家機密「九頭炉」の式が盗み出された。このシステムを発動してしまうと大惨事が予想されるため、「フゼン」神「スサノオ」はこれを阻止するために活躍する。
作者のセンスが大爆発した傑作。専門用語が膨大で呆っとしていると一瞬で置いていかれる。
様々な神話や、時には量子力学をも取り入れた世界観は今にも崩壊しそうなのだが、圧倒的なバランス感覚で違和感なくまとめられている。