性格も考え方も異なる女子高生3人組が地方ネタを真面目おかしく語り合う、埼玉への愛溢れるローカルコメディ漫画。舞台は埼玉県行田市。自分に自信が持てない女子高生の白鳥小鳩(しらとりこばと)は、親友の姫宮アグリに「私ってどうして…こんなにイモいのかな?」と相談する。「イモい」の意味が分からないアグリに小鳩は、顔のつくりが地味なこと、体型への不満と悩みを打ち明ける。
「これって…私が埼玉県民だからかな?」と話す小鳩に対しアグリは、小鳩の悩みに乗っかる形で自虐をすることで励まそうとする。実は、小鳩が体型について悩んでいた背景には「埼玉貧乳問題」があった。これは全都道府県の女子のバストサイズを測定してA~E評定したもので、埼玉のみが他県をぶっちぎって平均Aカップという結果が出たのだ。アグリに「お前はほとんど…Bだ!!」と言われて喜ぶ小鳩。そこに「お待たせー」と東上(とうじょう)みなとが息を切らしてやって来た。みなとは東京から来た転校生で、埼玉在住歴一か月の新参者だった。みなとの超豊満バストと洗練されたルックスをまじまじと見た小鳩は「アグリ…やっぱり私がイモいのって…埼玉県民だからだよね…」としみじみと呟くのだった。
江戸時代後期の大坂を舞台に、大店(おおだな)の息子と丁稚、子守り娘の仲良し3人組が力を合わせて難問題に立ち向かう時代ヒューマンドラマ漫画。丁稚の太吉と子守りのおてんは、旦那様が法伝寺の和尚様に頼んで描いてもらった大事な絵にお茶をこぼして台無しにしてしまった。解雇されるかもしれないと涙ぐむおてんと太吉を見かねた店の息子・庄介は、「ちょっと…待てや 諦めるのはまだ早いで!!」と声をかける。
庄介が出した案は、和尚様にもう一度同じ絵を描いてもらおうと頼みに行くこと。だが太吉は「頼んでもきいてくれはるやろか」と心配する。庄介は自分が店を継いだ時の出世払いにしてもらうからと太吉とおてんをなだめ、三人で寺へと向かう。道中、三人は旅の途中らしき男女に出会う。これから夫婦になろうという二人だったが、二人の間には何かよそよそしさがあった。男の顔を見て何かを感じたおてんはその女性に「おねえさんはこの男の人を好きなん…?」と尋ねる。わけのわからぬことを言うなとたしなめる庄介だったが、おてんには、そう尋ねずにはいられない理由があった。表題作の他に『わらわべ往来』『わらわべ送り火』『反魂指南』『ひなの川』を収録している。
奈良に在る神社・教会・寺の息子たち三人を主人公に、彼らが立派な宮司・牧師・住職になるため互いに助け合いながら奮闘するコメディ漫画。節分祭を控えた永室神社では、その準備に追われており慌ただしくしていた。だが、宮司の息子である相澤恭太郎は、連日、庭の木に打ち付けられたワラ人形を撤去するのに追われていた。母の静子は節分祭を前にピリピリと神経をとがらせており、神社の名誉に傷を付けるワラ人形を見た静子がどんなに激怒するか、恭太郎にとって何よりも恐怖なのである。
しかし努力むなしく、結局ワラ人形は静子に見つかってしまう。怒りに凄む静子に一言も返せない恭太郎は、おとなしくワラ人形を処分しようとする。その時に人形に貼られている写真が自分ではないかと思い込んだ恭太郎は、呪いが成就する7日目の丑の刻参りを前に寺の息子でオカルト恐怖症の伊波孝仁(たかひと)、工の三人で夜中の張り込みを決行する。ちなみにタイトルにもなっている「三すくみ」とは、じゃんけんのグー・チョキ・パーのようにそれぞれが得手な相手と苦手な相手を持つという意味である。
東京の上野に住む仲良し女子小学生が、街の平和を守るために秘密の組織を結成するギャグ漫画。赤松結衣・黄瀬沙希(さっちゃん)・青山琴葉の三人は、大好きな上野の平和と秩序を守るために公園の草むらの中にアジトを作り、秘密組織「カラーズ」を結成する。三人にはそれぞれ自分の名前にちなんだメインカラーがあり、リーダーの結衣が「赤」・さっちゃんが「黄」・琴葉が「青」となっている。三人は毎日のようにアジトに集まり、色々な作戦を練っていた。2018年テレビアニメ化。
いつものようにさっちゃんと琴葉がアジトで話をしていると、結衣が息せき切って走り込んできて話し出す。結衣によると、街でパンダのような猫を見たという。最初は「もっと大きな事件は無いのかよ」と結衣の話など聞く耳を持たなかったさっちゃんと琴葉だったが、結衣の描いた猫を見て「化け物だ」と驚き、こんな猫を街に放置してはおけないと決意し、化け猫捕獲大作戦を開始する。意気揚々と交番に猫の絵を持って行った三人だったが、警官の斎藤から子どもの遊びには付き合いきれないと断られてしまう。しかし、斎藤から「こんな化け物は知らんが パンダに似た猫の情報なら……ある」、その猫は泥棒猫だから「捕まえようもんならこの街の平和は守られることになる」と聞いた三人は気持ち新たに商店街の捜索を始めるのだった。
少年院を出所し、仕事にもつけず社会的底辺に成り下がった男たちが、被害届を出せない犯罪を専門にした「タタキ(窃盗・強奪)」を行っていくサスペンス・クライム漫画。少年院で出会ったカズキ・タケオ・サイケの三人には、幼い頃から受けてきた親からの虐待や貧困で満足に教育を受けられなかった等の暗い過去があった。少年院出ゆえに就職も出来ず、明日の生活にも困った彼らは、今の境遇から這い上がるために「タタキ」を行う窃盗団を結成する。2018年実写映画化。
「バックスカーズ」と呼ばれる窃盗団を結成した三人は、手先の器用なリーダーのカズキが機械類・工具を、運転のスキルが高いタケオが車全般、そして、メンバー唯一のイケメン顔のサイケが情報収集とプランナーをそれぞれ担当している。一見、正義の味方のように思えてしまう彼らだが、決して義賊ではなく、自分たちの利益だけのために強奪を繰り返すのである。ちなみにタイトルの『ギャングース』だが、ギャングとマングースとの造語であり、敢えて毒蛇に向かっていくマングースに彼ら3人の姿をなぞらえている。濃密な取材による事実を基にした作品でありフィクションではあるが、各巻の冒頭にある「犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい」とのメッセージが何とも生々しい。