同棲している男性カップルの日常を食生活中心に描いたグルメ漫画。料理好きで几帳面な性格の弁護士・筧史朗と、明るい性格で人当たりが良い美容師・矢吹賢二はゲイカップル。史朗の料理シーンや2人の食事風景と共に、日々の出来事やゲイカップルならではの悩みなどが綴られている。作中に登場するメニューの材料や料理手順が丁寧に描かれているのも見どころの一つだ。2019年4月にテレビドラマ化。レシピ本も出版された。
美味しそうな食卓シーンが印象的な本作には、個性的なTシャツを着ているキャラクターが登場する。ジルベールこと井上航は、史朗のお買い物仲間・富永佳代子の夫を通じて知り合った、小日向大策の恋人である。服装に頓着しない彼が選ぶTシャツは、日本画風の蛙や鯉が描かれていたり、南国風の謎の植物が大胆にプリントされたものから動物のイラストものなど、実に多彩。弁護士の史朗はYシャツ姿が多く、美容師の賢二はスタンダードなカジュアルスタイル中心、体格がよくスポーティな装いも多い大策たちと比べると、自由人な航の性格がより一層際立つ。Tシャツのチョイスが無精髭ともあいまって、彼のキャラクターを見事に表現していると言えるだろう。
世紀末を乗り越えたイエスとブッダが、東京でバカンスを満喫する日常を描いたコメディ作品。2人は、世界の終焉が訪れるといわれた20世紀末を無事に乗り越えたが、何だかんだと働きすぎたため疲れ気味だった。そこで、ご褒美として有給を取得。下界に降りて東京の立川に安アパートを借り、人間に交じって生活し始める。2013年に劇場アニメが公開され、2018年に動画配信サイトで実写ドラマ化された。
イエスとブッダは、下界ではごくごくラフな服装をしている。大体はTシャツにジーパン姿だ。中でも、真っ白なTシャツに書かれた手書き風の文字に目が奪われてしまう読者も多いはず。ブッダの本名「シッダールタ」と書かれていたり、祈りを捧げる際に用いられるヘブライ語「アーメン」と書かれているのは序の口だ。「ほけきょう」や「バラモン」「ぼんてん」から、「13」「父と私と精霊」まで、キリスト教や仏教に関連するあらゆる単語がデザインされたTシャツが登場する。そんなオリジナルデザインTシャツの何割かは、シルクスクリーンを趣味としているブッダのお手製だ。Tシャツを作成するエピソードを読むと、彼の強いこだわりの元に作られていることがよく分かる。
かつて魔界の実力者だった主人公が、魔界復興を目指して人間界で奮闘する姿を描いているコメディ漫画。魔王の側近ナンバー2のジャヒーは、強い魔力と美貌と権力を持ち、誰からも敬われる存在だった。しかし、魔法少女の出現により魔王が死亡して魔界が崩壊する。ジャヒーは、気が付くと、人間界で少女の姿になっていた。魔界復興を目指して魔石を集め始めるが、生きていくため、家事やアルバイトに追われる毎日となっていく。
ジャヒーは、強い魔力とナイスバディを誇る魔界の実力者だったが、魔界が崩壊するや状況が激変。少女の姿となって人間界へ飛ばされ、築40年のボロアパートの四畳半一間で、三食もままならないという極貧生活を送る羽目になる。しかし、ジャヒーは、不屈の精神を持ち主なのでとにかくめげない。その証拠に、彼女が日常的に着用しているブカブカすぎてワンピースみたいになっているTシャツには、「魔界復興」の四文字が燦然と輝いている。とはいえ、日々を生き抜いていくためには、魔界復興をうっかり二の次にしてしまうことも。「魔界復興」Tシャツは、彼女の悲願を表すと同時に、自身への戒めの意味も持っているのかもしれな
「個性」という超常能力者がいる世界が舞台の青春アクション。主人公の「デク」こと緑谷出久(みどりやいずく)は「個性」を持ち合わせていなかったが、幼い頃から「個性」を持ったヒーローに憧れを抱いていた。そのため、ヒーロー多く輩出している国立雄英高校への進学を目指す中、憧れのヒーロー・オールマイトと出会い夢への道が開かれる。2016年にテレビアニメ化、2018年に劇場版公開、2019年には舞台化も。
主人公・出久(デク)は、「ヒーロー」を目指し夢への道を歩んでいる。だがデクは、強そうな体格をしているわけではなく、むしろ小柄で細身。私服や制服姿の彼は、どう見てもごく普通の少年だ。しかし、私服のTシャツをよくよく見てみると、意外にも個性的だ。胸元には、「ドレスシャツ」や「カットソー」「シーツ」といった布に関する言葉が書かれている。それ以外の柄や装飾はないシンプルなデザインだが、シリアスな場面でもついTシャツを目で追ってしまうほどの存在感だ。作品人気の高さから、実際に商品化されてもいるが、その印象はかなりシュール。着てみたくはなるが、雰囲気ブレイカー感は否めない。
表参道のシェアハウスを舞台に、長野から上京してきた男子学生とオシャレ同居人との日常を描いたコメディ作品。速水翼は高校進学を機に上京してきたばかりの15歳。シェアハウスに到着した時には、あまりにもダサすぎる服装で現れ、同居人たちを驚かせた。「立派なシティボーイになる」と決意を固めて上京してきた翼だったが、同居人たちのおしゃれオーラにアレルギー反応を示し、決意は早くも崩壊する。
現代ではインターネットなどを通じてあらゆる情報を入手できるため、地域によって情報量にさほど大きな差はないだろう。しかし、それは積極的に情報を収集していればの話。翼は、実は大変な美少年だが、驚くほどセンスがない。おにぎりのような形のリュックにやたらビチビチなズボン、シャツはインなどダサさ満載だ。特筆すべきは、ホラー映画のキャラクターをデザインしたような猟奇的なピエロが全面に描かれたTシャツ。「地元商店街の服屋で買った」というが、奇妙な柄のTシャツが販売されているのは「地元の洋品店あるある」かもしれない。翼が立派なオシャレ男子になることを祈りつつも、変な柄の新作Tシャツの登場にもつい期待してしまう。