北海道を舞台に、農家とは一切関わりの無かった主人公が農業高校に入学し、悪戦苦闘しながらも周囲の友人たちと共に成長していく農業系青春学園ドラマ漫画。一般家庭の次男として育った八軒勇吾(はちけんゆうご)は大蝦夷(おおえぞ)農業高校に入学する。同じクラスの仲間たちは皆それぞれ農業に携わる家庭に育ち、将来に対する自分のビジョンを明確に持っていた。一方、進学校での受験戦争から逃れたいがために寮の在るこの高校に入学した勇吾は、自分の将来について何も喋れず疎外感を抱くが、クラスメイトとの交流や様々な行事を通して、徐々に心境が変化していく。2013年、2014年テレビアニメ化。2014年実写映画化。
勇吾が入学した酪農科学科は、大蝦夷農業高校の中でも特に実習の多い学科だった。牛舎での見学会の際に、勇吾はこっこ(北海道弁。「牛の仔」を意味する)を追いかけているうちに携帯の電波の届かない所まで来てしまい、こっこと共に迷子になってしまう。そこで「クマ出没注意!」の看板を目にして「いざとなったらお前をクマの生け贄にして逃げてやる!」と、ビビりまくる。そこに颯爽と同じクラスの馬術部部員である御影(みかげ)アキが馬に跨って現れ、勇吾とこっこは難を逃れる。アキに助けられた勇吾は馬術部に入部し、大自然と触れ合う中で受験戦争に疲れた心が安らいでいくのを感じるのだった。作者自身も北海道の酪農家の生まれで農業高校の出身であるため、実際に見聞したことが作中に多々生かされ、非常にリアリティのある作品となっている。
空手の天才である主人公が世界中の格闘家と戦いながら、仲間と共に学園に巣食う悪に立ち向かっていく空手系バトル少年漫画。腰まである長い髪の毛がトレードマークの新堂功太郎は、東京ドームの数十倍の広さを誇り、生徒数2万人というマンモス校の私立鶴ヶ峰学園に通う高校2年生。硬派な性格ではなく、のぞきや女の子の下着収集をしたりと女性好きな一面が目立つ。両親はL.A.で新堂流空手道場を営み、日本の道場は一人息子である功太郎が預かっている。1984年実写映画化。
功太郎が通う巨大学園の鶴ヶ峰学園は「来る者拒まず」の方針で、無試験で入学できる。東京ドームの数十倍もの敷地面積には移動用のモノレールも走っており、学園と言うより都市そのもの。慣れないと迷子になってしまう。中でも学園内での生徒会の力は相当なもので、各委員会ごとに一棟の建物が割り当てられている。功太郎の幼馴染で風紀委員会の第七班班長の渡瀬麻由美は、頭髪違反者を取り締まるためにいつも太ももに鋏を忍ばせ「功太郎の髪の毛は私が切る」と心に決めている。功太郎は麻由美にぞっこんだが、麻由美はその気持ちを知りながらも素直になれずにいる。この作品は後に『新・コータローまかりとおる!』『コータローまかりとおる!L』と続き、徐々に功太郎を取り巻く人間関係や家庭の秘密が明らかになっていく。
巨大学園都市の優秀なる初等部の学生会役員3人が探偵団を結成し、都市内で起きる様々なトラブルを解決していくミステリー系コメディ少女漫画。日本一の大財閥である妹之山(いものやま)家が未来を担う若者たちの学び舎として私財をなげうって完成させたマンモス校「CLAMP学園」。学園内には寄宿舎、研究所、さらには銀行や病院、映画館も在り、生徒たちに加えて職員や学園関係者などあわせて1万人以上が生活している。1997年テレビアニメ化。
妹之山財閥の末息子である妹之山残(のこる)は初等部6年生。4年生の頃から学生会の会長を務めている。運動神経はそれほどでもないが、頭脳に関してはNASAから勧誘を受けるほど超優秀であり、徹底的なフェミニストとしても知られている。5年生で書記の鷹村蘇芳(たかむらすおう)は代々続く忍者の末裔で文武両道の真面目な性格。4年生で会計の伊集院玲(いじゅういんあきら)は争いごとを好まない優しい性格だが、料理人としての腕前はプロ級。そんな残、蘇芳、玲の3人が迷える女性のために卓越した頭脳と運動能力を駆使して難題へと挑む。ストーリー展開も秀逸だが、各話のタイトルが「地上より永遠に」「マイ・フェア・レディ」「暗くなるまで待って」など映画のタイトルに由来しているところも注目したい。
東京都内で学生の超能力開発を行っている架空の学園都市を舞台に、ハイスペックな超能力を持つ少女が学園都市内で起こる難事件を解決していくミステリー系SF超能力バトル漫画。180万人を超える学生たちで賑わう巨大学園都市では、学生たちが日々超能力開発実験を受けていた。学生たちはレベル0(無能力者)~5(超能力者)に分けられ、常盤台中学校2年の御坂美琴(みさかみこと)はレベル5の電撃を操る能力から「超電磁砲(レールガン)」と呼ばれていた。2009年、2013年、2020年テレビアニメ化。
学園都市内の平和は学生たちによる治安維持組織である「風紀委員(ジャッジメント)」によって保たれているが、路地裏では相も変わらず不良学生たちによる喫煙や暴力事件などが頻繁に起こっていた。美琴は身体から電気を放出することによって相手を攻撃出来る、学園都市内にも7人しかいないレベル5のハイスペック超能力者だが、昔は低能力者(レベル1)であり、努力で今の力を身に付けていた。レベル4の空間移動(テレポート)能力者の白井黒子(しらいくろこ)は風紀委員として活躍する傍ら、そんな美琴を姉のように慕っている。そんなある日、学園内で謎の爆発事件が起き、犯人を捕まえた美琴は、その事件の裏に学生の能力を上げる謎の道具「幻想御手(レベルアッパー)」が関わっていることを知り、黒子と共に事件解明に挑む。
定食屋の後継ぎ息子が父親のすすめで料理の超エリート校に入学し、ライバルたちと切磋琢磨しながら料理人としての腕を磨いていく熱血食感系料理バトル漫画。下町の大衆食堂「ゆきひら」の息子である中学生の幸平創真(ゆきひらそうま)は中学卒業後に食堂を継ぐつもりで、いつか父を超える料理人になるべく幼い頃から腕を磨いていた。ところが、父の城一郎(じょういちろう)が突然「この店2~3年閉めるわ」と宣言。創真は海外に旅立った父から料理の超エリート校「遠月茶寮(とおつきさりょう)料理學園」に入学するよう言い渡される。2015年テレビアニメ化。
作中で日本が誇る名門料理学校である「遠月茶寮料理學園」は、中等部と高等部の各3年制で、広大な敷地内では「遠月リゾート」と呼ばれる高級ホテルや旅館も経営している。生徒の大多数が有名料理店や老舗割烹の後継ぎだが、特筆すべきはその余りにも厳しいシステムによる高すぎるドロップアウト率で、高等部に在籍する生徒数は千人と多数ながら、2年に進級で出来る生徒は全体の1割にも満たない。さらに卒業生に至ってはわずか数人と、正に料理界の「狭き門」なのである。ちなみに「食戟」とは、料理勝負で諸々の問題に白黒つけること。大衆食堂に対する周囲の偏見から、最初こそ敵対視された創真だったが、食堂「ゆきひら」で培われた、あらゆる状況に対応できる能力と負けん気の強さで学園の厳しい課題と食戟に次々と打ち勝ち、めきめきと頭角を現していく。