亡くした恋人を愛し続ける恋人への主人公のひたむきな恋心を描く純愛ラブストーリー。主人公の女子高校生・高橋七美(たかはしななみ)は同じクラスの人気者の矢野元晴(やのもとはる)のことが苦手だったが、彼が時折見せる優しさに惹かれるようになる。やがて付き合うこととなるが、彼の心は亡くなった恋人・山本奈々に今でもとらわれていた。矢野の心は掴みどころが無く、二人は互いを必要としながらもすれ違いを繰り返す。2006年にテレビアニメ化、2012年に実写映画化された。
主人公の七美の想い人・矢野には、昔付き合っていた年上の彼女がいた。しかし、その彼女・奈々は亡くなっており、死因は元カレとのドライブ中に起きた交通事故。矢野の心には、時が流れても未だに奈々に対する愛憎で渦巻いていた。七美と矢野はやがて付き合い始めるが、彼の心の中心にいるのは自分ではないことに七美は切なさを募らせる。二人の心は近付いては離れ、矢野の親友の竹内匡史(たけうちまさふみ)、奈々の妹の有里(ゆり)など、彼らを取り巻く周囲の人物も交えながら複雑な人間ドラマが展開されていく。高校生から大学生、そして大人へと成長していく中で、七美と矢野は最終的にどのような選択をしていくのか。二人の恋の行方をどうか最後まで見届けて欲しい。
表題作は高校生の主人公が事故死した彼氏と現在と過去が交差する電話で繋がる切ない純愛ラブストーリー。表題作の主人公・秋吉月沙(あきよしつかさ)は、1年前に恋人の水樹(みずき)をバスの事故で失った女子高生。ある日、自室で彼のことを思い出しながら寝ていると水樹が現れ、明日から7回だけ電話をすると月沙に告げた。すると、本当に翌日から亡くなったはずの水樹から着信があり、不思議な交流が始まった。表題作の他、2編収録されている恋愛漫画短編集。
表題作の主人公の月沙は気持ちを伝えるのが苦手で、デートでも彼に対して素直になれないツンデレな女の子。水樹はそんな彼女のことを「超天の邪鬼」とからかい、ツンツンした態度を取られても可愛いと思っていた。水樹の葬式から1年が経ったある日、月沙がうたた寝しているところに亡くなったはずの彼が現れる。水樹は急な別れとなったことを気に病み、密かに傍で見守っていたという。翌日から7回の電話を通じて水樹と交流するようになるが、電話の向こうとは時空がずれており、彼は自分が事故で死ぬ未来を知らない。果たして、月沙は水樹に対する気持ちの整理をつけることができるのか。
主人公の女子高校生が、交際が始まってすぐに亡くなった恋人の幽霊と付き合う内に、彼の中に別の何かが潜んでいることに気付くホラーラブストーリー。高校2年生の刈谷優里(かりやゆうり)はひょんなことから同級生の青野龍平(あおのりゅうへい)に好意を抱くようになり、勇気を出して告白する。二人は付き合い始めるが、2週間後に彼は事故死してしまう。その後、優里の前に青野は幽霊となって現れるが、予想不可能な行動を取るようになり、やがて優里や周囲の日常を脅かす存在となっていく。
幽霊として青野は優里の前に現れるが、善人だった生前とは異なり、時折悪霊じみた「黒青野」となる時がある。一度は成仏したかのように思えた青野だったが、彼は再び優里の前に現れた。そして物語は謎めいた「四ツ首様のおまじない」へと繋がり、四ツ首様の儀式を行ったことで怪異に襲われる小学生たちを助けるために、優里たちが動き出す。優里は自己肯定力が低く、無意識に自分を犠牲にしようとしてしまう傾向があった。だが、彼女を支えようとする周囲の助けもあり、少しずつ彼女は自分と向き合い、成長していく。明らかに本人とは異なる黒青野の謎、四ツ首様に纏わるミステリーなど、様々な要素を織り交ぜながら進んでいく、生者と幽霊が紡ぐ禁断のラブストーリーだ。
家では女装し訳アリな日々を送る主人公の波瀾万丈な二重生活を描いたラブコメディ漫画。サラリーマンの須田真琴(すだまこと)は、息子の崇(たかし)の前では女装しており、近所では評判の美人ママとして過ごしていた。ある日、駅で見かけて気になっていた女性・藤本菜摘(ふじもとなつみ)を女装姿で助け、彼女の前では「戸田須磨子」と名乗るようになる。男性恐怖症だった彼女は須磨子に想いを寄せるようになり、真琴は本当のことを言い出せないままに菜摘と同性カップルとして交際をスタートさせることになる。
主人公の真琴が女装を長年続けているのは、女装が好きな訳でも同性愛者な訳でもなく、亡くなった恋人・成美の忘れ形見で真琴とは血縁関係のない子供・崇の涙を止めるために始めたことだった。努力の甲斐あって、小学5年生に成長した崇は真琴のことを本当の母親だと信じている。また、真琴の新たなパートナーである女性・菜摘は須磨子と、同僚である真琴が同一人物であることに気付かず、真琴は折を見て崇と菜摘に真実を打ち明けようと思いながらも、苦悩するようになる。物語が展開するにつれて、菜摘の弟・藤本智(さとる)や、崇の実父なども交えながら、深みのある人間ドラマが展開されていく。様々な家族や愛の形が描かれ、家族の本当の絆や愛情について考えさせられる作品だ。
近未来を舞台に、嘘つきのチンピラと遠隔操作で動く高級ドール・コッペリアが、旅の途中で謎の追っ手とバトルを繰り広げるSFロードムービーアクション漫画。主人公のキトーは、ヤクザのボスが大量の悪趣味なドールに囲まれて死んでいる現場で、血塗れの高級ドールのコッペリアと出会う。ボスを殺した犯人を見たという、コッペリアを遠隔操作しているドライバーの頼みを聞くことになったキトーは、西の果てを目指してコッペリアと共に旅に出るのだった。
本作には、遠隔操作で動く愛玩人形が登場する。主人公・キトーには昔、愛した恋人のエイミがいたが、彼女は既にこの世を去っている。キトーはひょんなことから知り合ったドールのコッペリアにエイミの面影を重ね、特別な感情を抱くようになっていった。西の果てを目指し、さながら逃避行のような旅を続ける二人だったが、途中で命を狙われる。二人を追撃してきたのはヤクザの男・カドジマで、更には常軌を逸したジャンキーな女刑事・ヤブヘビも加わり、カオスな世界となっていく。キトーは最愛の女性に似たドールと出会ったことで、束の間でも夢のような時間を過ごすことができた。しかし、夢はいつか醒めるもの。やがて西の果てで衝撃の真実を知ることになる。