借金の返済のために遊郭に売られ、禿として働いていた鈴子は縁あって藤島津軽によって身請けされる。津軽は鈴子に「君は頭がいいから」と言い、自身が行っている「さがしもの屋」の助手にする。自分を身請けし、仕事の助手にした津軽の真意や行動の意味を探ろうとするがままならない鈴子。津軽に子供扱いされ憎まれ口を叩きながらも鈴子は恩がある津軽と共に届いた依頼を解決していく__。
舞台は明治。鈴子は親の借金の肩代わりに遊郭に姉と共に売られた没落華族の少女。とある事件をきっかけに青年津軽に身請けされ、津軽の元に身を寄せることになる。歳の差のある二人の関係を描く『明治緋色奇譚』をご紹介する。
出典:Amazon.co.jp
借金の返済のために遊郭に売られ、禿として働いていた鈴子は縁あって藤島津軽によって身請けされる。津軽は鈴子に「君は頭がいいから」と言い、自身が行っている「さがしもの屋」の助手にする。自分を身請けし、仕事の助手にした津軽の真意や行動の意味を探ろうとするがままならない鈴子。津軽に子供扱いされ憎まれ口を叩きながらも鈴子は恩がある津軽と共に届いた依頼を解決していく__。
この作品は少女鈴子と青年津軽という歳の差がある二人の恋物語である。大きな年齢差から読み手にはどんな風に二人の恋模様が展開されていくかがまず気になる所だ。二人は共に過ごす中で鈴子は津軽への恋心を自覚し、強く想うようになる。一方、津軽は年齢差のある鈴子に対して恋愛感情はない様子だが、物語が展開していく中で鈴子の存在が大きくなっていく。周囲から見れば津軽にとって鈴子は特別な存在なのは明らかなのだが年齢差は二人の関係には大きなブレーキなのだろう。津軽は無自覚だが鈴子を特別に思っている描写が作中には多くある。しかし、無自覚な点が美味しい。子供でありながら大人びた鈴子と大人であるが恋に鈍感な少年のような津軽の関係。そこもどかしく、読者の心を動かすこの作品の大きな魅力である。読者には鈴子の可愛らしく健気な姿と鈴子によって突き動かされる津軽の姿を楽しんでもらいたい。
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