理想の教師大集合！ 「先生」漫画特集54 Pt.

破天荒だったり、超合理的だったり、金欠だったり…各作品に登場する個性的な先生たち。だけどみんな、生徒のことを第一に考え、寄り添ってくれている！　素敵な「先生」が登場する漫画5作品を紹介。

特別補習と称し、まるで喧嘩のような荒っぽいスポーツ勝負を仕掛け、圧倒的に勝つことで、手のつけられない不良を更生させていく仮面ティーチャー。彼の真の目的は物語最終盤で明らかになるのだが、そのとき、それまでの伏線が一気に回収される様は見ものだ。長年“不良”を描き続けていた作者・藤沢とおるの高い画力も相まって、仮面ティーチャーの活躍から得られる爽快感はかなりのもの。生徒のために、そして学校のために戦う仮面ティーチャーの活躍を、ぜひ見届けてほしい。

高校生時代「鬼爆コンビ」の1人として、不良たちの伝説となった鬼塚英吉。人間離れした怪力と身体の頑丈さ、そして思い切りの良さでピンチを乗り越えていく。だが、彼も1人の新米教師で、それなりに悩んだり苦悩したりもする。本作は鬼塚とぶつかりあった生徒たちの成長物語であると同時に、鬼塚自身が「不良」から一丁前の「大人」になっていく姿を描く、教師・鬼塚の成長物語でもある。“最強の男”が“最高の教師”になっていく姿を見守っていこう。

顔立ちは整っているが無表情、淡々としたと口調で話す高柳。熱意が欠けていると思われることもあるが、その実、「悩んでいる生徒」に対して真摯に向き合っている教師だ。しかし高柳は、「悩みを持つ生徒」にしか興味が持てないことに苦悩していた。「自分はひどい人間だ」と自嘲するが、だからこそ、進路や家庭の問題、性についてなど、多感な時期の悩みに、誰よりも真剣に向き合う教師たりえている。倫理的観点から「正しい道」を共に模索してくれる高柳は、こんな先生に悩みを相談したいと思わせてくれる教師だ。

童守小学校5年3組の担任を務め、妖怪や霊障をはじめとする、超常的な事件から生徒を守る霊能教師“ぬ～べ～”。ただ生徒を救うだけでなく、生徒に過失があればその過ちに気づかせるため、あえて危険になるまでは助けないという厳しさも持つ。そんな彼だが、趣味はパチンコ、食事はいつもカップラーメン、色恋沙汰には鈍感と、ズボラで3枚目な部分も多々ある。しかし、生徒のピンチに駆けつけ、決めるときにはビシッと決める、そのギャップが魅力的なのだ。

「東大合格請負漫画」と自負し、その通り数々の受験テクニックと、受験への心構えを紹介している作品。個性的な講師陣が、一般的な勉強法とは異なる考え方で、「受験」のための思考法や解の導き方を指導する。例えば、主人公の弁護士・桜木は、元・暴走族で、その経験から徹底的なリアリスト。そんな彼が担当する社会科の授業は、人生を勝ち抜いていくための心構えを教えるものとなっている。現役受験生はもちろん、受験を経験した大人たちにとっても、新たな気づきのあるエンターテイメントとして成立している作品。