音楽に懸ける情熱! 心を揺さぶるJAZZ漫画オススメ5選0 Pt.

1900年代初頭にニューオリンズで誕生したと言われている、新しいジャンルの音楽「JAZZ(ジャズ)」。音が出ない漫画という媒体でどのように音楽を表現するのか?今回は「ジャズ」を題材に描いた音楽漫画を紹介しよう。

作成日時:2023-05-11 19:00 執筆者:マンガペディア公式

音楽に懸ける情熱! 心を揺さぶるJAZZ漫画オススメ5選

出典:小学館


『BLUE GIANT』

『BLUE GIANT』

出典:小学館

「世界一のジャズプレーヤーになる」という目標を持った少年の成長を描く青春物語。男子高校生の宮本大(みやもとだい)は中学時代に生のジャズに触れ感銘を受け、テナーサックスの練習を続けてきた。プロミュージシャンの元で修行を積んだ大は、高校卒業後ジャズプレーヤーになるため上京。ジャズバンド「JASS」を結成し、貧乏生活を続けながら日本一のジャズクラブ「So Blue TOKYO」の出演を目指す。続編に『BLUE GIANT SUPREME』がある。

本作は、開始直後から大がジャズプレーヤーとして大成することが明示されている。本編はそんな大がジャズに魅せられ、「世界一のジャズプレーヤー」になるべく成長するさまを克明に描いていく。高校生の頃の大はアルバイト代のほぼ全てを音楽に注ぎ込み、雨の日も風の日もテナーサックスの練習を休まなかった。故郷の仙台でも上京した東京でも、川べりで常に練習を続けるその姿は本作を象徴するシーンだ。その努力の末に得られた技術と肺活量、そして大が発するジャズへの熱量は、次第に周囲の者たちを魅了していく。お金がなくても苦境に立たされても、「屁でもねえっちゃ」とジャズを信じて突き進む大の姿に胸が熱くなる作品だ。


『BLUE GIANT SUPREME』

『BLUE GIANT SUPREME』

出典:小学館

前作『BLUE GIANT』の直後から始まる続編。ある事情によりバンド「JASS」を解散した宮本大は、単身ヨーロッパへと渡る。「世界一のジャズプレーヤー」を目指して伝手もないままドイツのミュンヘンへと降り立った大。そこで巡り合った才能溢れる若きプレーヤーたちと4人編成のバンド「NUMBER FIVE」を結成し、ヨーロッパのジャズシーンに挑戦する。続編に『BLUE GIANT EXPLORER』がある。

前作に引き続き、ヨーロッパでも真正面から「ジャズ」を信じて「ジャズ」に挑む宮本大の姿を描く。東京である程度の実力はついても慢心することなく、川辺で行う練習は欠かさない。言葉や人種の壁が行く手を阻むこともあるが、決して立ち止まらず前に進み続ける大。そんな彼が吹くテナーサックスの音色は、国境を越えてもその音を耳にした者の心を掴み、ヨーロッパのジャズシーンで着実に名を挙げていく。また、大とバンド「NUMBER FIVE」を組むことになる仲間探しの旅や、大のライバル的存在となるアーネスト・ハーグリーブスとの対決にも注目だ。


『坂道のアポロン』

『坂道のアポロン』

出典:小学館

1960年代の佐世保を舞台に、高校生たちの恋と友情を描く音楽漫画。1966年初夏、横須賀から長崎の佐世保にやってきた高校生の西見薫は、転校続きで周囲と関わりを持とうとしなかった。しかし、ジャズを愛するクラスメートの川渕千太郎との出会いからジャズに魅了され、千太郎の幼馴染である迎律子には恋心を抱くようになる。そうして複雑に感情が絡み合う、薫たちの青春物語が幕を開ける。

本作の「ジャズ」は、薫と千太郎の友情をつなぐ重要なファクター。ドラム担当の千太郎にとって、ジャズは唯一の趣味であり生きがいのような存在。薫はクラシックのみだが幼少期からピアノを嗜んでおり、千太郎に引き込まれる形でジャズに触れ、のめり込んでいく。律子の両親が営む「ムカエレコード」の地下には練習用のスタジオがあり、ここが彼らにとって特別な場所となる。そして本作の舞台は1960年代であるため、当時流行していたジャズの楽曲を演奏する姿が描かれるのだ。


『スインギンドラゴンタイガーブギ』

『スインギンドラゴンタイガーブギ』

出典:講談社

戦後日本を舞台にしたジャズ漫画。主人公の於菟(おと)、通称トラは、姉が心を壊してしまった原因になったらしい男“オダジマタツジ”を探すため、路上で手がかりのウッドベースを弾いていた。そんなある日、彼女は音楽関係者だというふたりの男と出会う。そのうちのひとりこそ、トラが探していた“小田島龍治”だった。トラは彼らに歌の才能を見いだされ、バンドの歌姫に抜擢されることになる。

物語の冒頭でトラが「HOLD THAT TIGER」と歌っていたのは、1930年代に一大旋風を巻き起こしたジャズコーラスグループ「ミルス・ブラザース」の曲。当時の世相に合わせたジャズの名曲が登場するのが、本作の見どころ一つだ。トラが路上で歌っていたところ、ジャズバンドをやっている丸山と小田島と出会い、小田島のベースに合わせて即興で見事なスキャットを披露した。こうしてバンドの歌姫に抜擢されたトラは、あれよあれよという間に米軍キャンプ内のクラブで歌うことになり、戦後日本の「芸能界」に挑んでいく。


『SOUL CATCHER(S) 』

『SOUL CATCHER(S) 』

出典:集英社

一風変わったハイパービジュアル吹奏楽漫画。主人公の神峰翔太(かみねしょうた)は、「他人の心が見える」という共感覚(シナスタジア)を持っていたため、他人と距離を置いていた。しかし、同じ高校の同級生である天才サックス奏者の刻阪響(ときさかひびき)の演奏が「人の心を掴む」様を目撃する。刻阪の勧誘で吹奏楽部の指揮者になった神峰は、部員たちの抱える問題を解決しながら、自身も指揮者として成長していく。

吹奏楽をメインとする本作だが、作中でジャズも披露している。曲はビッグバンドジャズの名曲「シング・シング・シング』。映画『スウィングガールズ』でもおなじみの曲だ。演奏したのは年末に開催されたロックフェスティバル。神峰がロックフェスに参加したのは、自分がいれば指揮者は不要というコントラバスパートリーダーの弦野政彦に認めてもらうため。ロックフェスでは他にも東京スカパラダイスオーケストラの「Diamond In Your Heart」、ファンクの名曲「Some Skunk Funk」、そして吹奏楽コンクール課題曲「風紋」を披露。神峰は演奏を通じて、指揮者として弦野と激しくぶつかり合うのだった。


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