アニメだからこそできる表現手法の一つ、歌やBGM、効果音などの「音」は、アニメを構成する要素として欠かせないものである。今回は、映像のみならず耳でもその作品を感じることのできる、作品の内容とリンクしているアニメソングを7曲紹介する。
アニメ作品の魅力の一つでもある楽曲、中でも歌詞が作品について歌っているアニメソングを、厳選して紹介する。
出典:Amazon.co.jp
アニメだからこそできる表現手法の一つ、歌やBGM、効果音などの「音」は、アニメを構成する要素として欠かせないものである。今回は、映像のみならず耳でもその作品を感じることのできる、作品の内容とリンクしているアニメソングを7曲紹介する。
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「目の前の哀しみに立ち向かう為の 呪文がほしい」
本作は、「見滝原」という都市を舞台として、人類の敵である「魔女」と戦う使命を課せられた、魔法少女たちの運命を描いた作品。特別なことが起こるわけでもない、何気ない平穏な日常を謳歌する、「見滝原中学校」に通う中学二年生の主人公「鹿目まどか」。親友たちと、笑い、泣き、大好きな家族と大切な時間を過ごす――。そんな彼女の日常は、ある日、謎の四足歩行生物「キュゥべえ」と出会うことにより一転するのだった。かわいいビジュアルのキャラクターからは想像も及ばないほどに、本作が取り扱うテーマは重く、難解である。度々挿入歌としても使われ、エンディングテーマ曲としては本編第3話から使用された「Magia」は、そんな『魔法少女まどか☆マギカ』の世界観を象徴する楽曲となっている。「Kalafina」の表現力豊かな歌声により、いっそう本編の陰鬱なイメージを強調しており、さらに暗闇の中を魔法少女たちが駆けていく映像は、本編第3話の展開も相まって、見ているものに衝撃を与えることだろう。
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「Mob? Mob? What do you want? 」
主人公である「影山茂夫」こと通称「モブ」は、勉強もスポーツも人付き合いも苦手で空気が読めない、冴えない中学二年生だ。そんな彼にも、一つだけ、ひととは違う取り柄があった。それは「超能力者」であるということ。しかし当人はその力を快くは思っておらず、生きていく上で不要な力だと考えていた。さらに、彼の超能力は爆弾付きで、心の状態が限界の「100%」に達すると、無意識化で人を傷つける暴走状態となってしまうというものだった。本作は、「霊とか相談所」という、名前からして胡散臭い場所で除霊のアルバイトをしつつ、モテたいという想いから入部した「肉体改造部」で汗を流し、「超能力」に関わる様々な問題に巻き込まれる「モブ」の青春の日々を描いた作品である。個性的かつ魅力的なキャラクターが多く、ストーリーのテンポも良い本作。未熟な思春期の少年の心の成長を描くといった意味でも、難しいテーマがコミカルに描かれているため、見ていて不思議な感覚になる作品である。オープニングテーマ「99」は本作のために書き下ろされた楽曲であり、「モブ」の心が安穏な状態である0%から、爆発する100%までを一つの楽曲としている。「MOB CHOIR」の歌声とオープニングの映像表現により、『モブサイコ100』の独特な世界観を具現化した斬新なものとなっている。
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「最低何か一つ手に入る物があったら それだけで何もいらない」
2022年、仮想空間(ゲームの世界)へ直接入り込めるかのような接続を可能とした最新ゲーム機器「ナーヴギア」が、大手の電子機器メーカーによって開発された。本作は、その「ナーヴギア」を使用してプレイできるゲーム、MMORPG「ソードアート・オンライン」内での出来事を、主人公「キリト」を中心に描いた作品である。ゲーマーたちを熱狂させ、注目の的となった「ソードアート・オンライン」だが、実は、ゲームをクリアするまでゲーム世界から脱出することが不可能とされ、さらにはゲーム内で死んでしまった場合は現実世界の命も絶たれてしまうという、デスゲームだった。絶望の中でゲームクリアを目指す「キリト」や、外伝では主人公も務める「アスナ」の活躍からは、終始目が離せない。また、ゲーム内での出来事のみならず、未来の現実世界でのVR技術の事情も描かれる『ソードアート・オンライン』は、未来の可能性をも示してくれている作品となっている。そんな『ソードアート・オンライン』の第二期オープニングテーマ「courage」は、「アスナ」の声優「戸松遥」が歌う楽曲であり、主要人物の一人であるVR技術の申し子「ユウキ」の為の曲といっても過言ではない。本編が進むにつれ、知ることとなる真実。それを知ったとき、涙無しにはオープニングを見ることはできないだろう。
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「朱(アカ)の髪をなびかせて生きる事を決めたなら 割れた爪も 傷跡も 明日への糧にして」
本作は、建国神話・四龍伝説の伝わる「高華王国」を舞台として、謀反により父である国王を殺され、都を追われた高華王国の王女「ヨナ」の成長譚を描く、大河ファンタジーである。外の世界をまるで知ることのないままわがまま放題に育った、珍しい髪色である赤を有する「ヨナ」は、謀反により自らの16歳の誕生日に都を追われ、命を狙われる立場となる。厳しい立場であり、保証される未来も無い――。それでも生きることを望んだ「ヨナ」は、護衛の「ハク」と共に、建国神話に伝わる龍神の血を引く「四龍の戦士」を探す旅へと出るのだが、もちろん全てにおいて一筋縄ではいかない。しかしそれでも前へと進み、強くあろうとする彼女からは、王の風格が漂う。とても熱い作品となっている『暁のヨナ』だが、中でも特におすすめしたい楽曲は、「志方あきこ」が本作のために書き下ろしたエンディングテーマ「暁」。「ヨナ」の心情を表すかのような、か細くもあり力強くもあるメロディと、仲間や「四龍」たちをなぞらえた歌詞は、本編を見終えたあとでも視聴者の心を滾らせることだろう。
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「君を砕くこの悲しみが いつか終わりますように」
高校生にして引きこもりの「ナツキ・スバル」は、ある日の深夜、コンビニで夜食を買った帰りに、異世界に召喚されてしまう。最初は異世界での生活に心躍らせていたものの、所持品はケータイ、財布、カップ麺、スナック菓子と心もとなく、特別な能力も与えられず、さらには路地裏でチンピラに絡まれ、生きていることすら危うい始末。そんな中、銀髪美少女ハーフエルフの「エミリア」が、圧倒的な力で「スバル」の窮地を救ってくれるのだった。命の恩人「エミリア」に恩返しをしたい「スバル」は、彼女の探し物を手伝うことになったのだが……? 本作は、ないない尽くしの凡人「スバル」が、「エミリア」含む大事な人たちを守るために、文字通り「死に物狂い」で異世界を生き抜く異世界ファンタジー作品。彼に唯一与えられた特別は、死んだら巻き戻るという、死の痛みを伴う「死に戻り」の能力だった。できれば使いたくないその能力を駆使し、「スバル」はどんな未来を掴むのか――。本作のエンディングテーマである「STYX HELIX」は、「MYTH & ROID」による美しくも儚い雰囲気の楽曲となっており、本編の進行と相まって、視聴者の心にもの悲しさを残す。また、歌詞の多くを英文が占めているが、本作に魅了された方は英文を和訳してみると、また新たな気付きがあるかもしれない。
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「無かった事には してはいけない そのために 時を欺く」
本作の主人公「岡部倫太郎」は、秋葉原を拠点とする発明サークル「未来ガジェット研究所」の創設者でありリーダーも務める人物だ。ドクトルペッパーが大好きで、厨二病を患う狂気のマッドサイエンティスト(自称)でもある。本作は、「未来ガジェット研究所」にて発明された「電話レンジ(仮)」というヘンテコな発明品が火種となり、平穏な日常を失った彼らを描く、タイムトラベルを題材とした作品である。ひょんなことから生まれてしまったタイムマシンにより何気なく過去改変をした結果、「未来ガジェット研究所」に惨劇を招くこととなってしまった「岡部倫太郎」は、仲間たちと笑い合う平和な世界線にたどり着くために、自ら苦難の道を歩む……。タイムトラベルを題材とした作品である『STEINS;GATE』のオープニングテーマは、「いとうかなこ」の歌う「Hacking to the Gate」。主人公である「岡部倫太郎」の視点を意識した歌詞となっているため、1話時点では知りえなかった真実によって、話が進むごとに共感できる楽曲となっている。
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「遠回りしてみたっていいから 胸張って選んだそこに 辿り着けると描いていよう」
アニメやゲームを愛し、小学四年生の頃から片道45キロメートル以上離れた秋葉原へママチャリで通うオタク「小野田坂道」は、千葉県立「北高等学校」への進学を機に、アニメ・マンガ研究部へ入りオタク友達を作ろうと意気込んでいた。しかし、アニメ・マンガ研究部は部員数減少のため活動休止となっていた。なんとか部員を集めようと奮起するも、そう簡単には部員は集まらないのだった……。本作は、運動全般はまるでダメダメだが、ロードレースに関しては天賦の才をもっていた主人公「小野田坂道」の、自転車競技部での活躍や苦難の様子を描いたスポ根アニメである。ちなみに、アニメ・マンガ研究部の復活はならなかったが、自転車競技部にて頻繁にアニメやマンガの布教活動を行っているようである。『弱虫ペダル』の楽曲は、オープニングやエンディングにおいてもどれも熱く滾らせるものだが、その中でも特におすすめしたいのが、テレビアニメでもオープニングテーマ曲を担当した「LASTGASP」が歌う、「劇場版 弱虫ペダル」の主題歌「Link」である。「小野田坂道」の心情や、キャラクターたちの境遇を描いた歌詞には、『弱虫ペダル』のストーリーを知る者はグッとくることだろう。『弱虫ペダル』は知らずとも、頑張りすぎて心が疲れてしまった人にも是非聴いてみてほしい名曲となっている。
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