作品の概要
基本情報
『極黒のブリュンヒルデ』『君は淫らな僕の女王』などで知られる、岡本倫の代表作の一つ。
要旨と舞台設定
3000年もの間、男性が存在しない異世界が舞台。ある日、謎の人物に校舎から突き落とされた高校生の太多陽太(ヨータ)は異世界に転移する。そこは男性に触れられただけで発情する女性だけの世界だった。彼女らが、20歳までに交尾をしないと死亡するという呪いにかけられていると知ったヨータは、呪いを解くため「嫉妬深い神」との戦いに身を投じることとなる。
ストーリー展開
ヨータは死亡すると現実世界に戻り、体の一部を失いながらも、再び異世界へと転移を繰り返すことになる。仲間となる女騎士ルーミとの出会いや「黒き夜明け」の魔女たちとの対立などを経て、ヨータは「嫉妬深い神」の正体に迫っていく。
ジャンル的特徴と位置づけ
美少女が多数登場する異世界ファンタジーで、成年向け要素を組み込んだ点が大きな特徴となっている。また、文明崩壊後の世界観や、遺伝子レベルで男性に免疫がない女性という設定など、SF的要素を取り入れている点も特徴。
作品固有の表現技法と特徴
作中で「欲情の泉」と呼ばれている、女性の分泌液が吹き出す様子を、現実離れした独自の擬音で表現する。また、現実世界と異世界を行き来するループ構造を持ち、謎解きの要素が強い。
連載状況
講談社「週刊ヤングマガジン」2017年16号より連載。
あらすじ
登場人物・キャラクター
太多 陽太 (ただ ようた)
男子高校生。父親から強制的に柔道と剣道を習わされている。本人は嫌々やっているが、剣道は県大会で準優勝するほどの腕前。ややキザで口が悪いところもあるが、幼馴染のクラスメートに密かに想いを寄せているような、いたってふつうの少年。ある日、学校で謎の人物に襲われ、3階の教室から校庭に転落した後、なぜかシーザー王国に召喚されてしまう。 あまりにもゲーム的なファンタジー世界のシーザー王国に、違和感を抱きつづけ、ジーニアスから女性たちと交尾するように言われても、その状況を受け入れることができずにいる。しかし、発情した女性の前では冷静さを失ってしまうことも多い。ルーミに要求され、町中にいるときは女装している。
ルーミ
シーザー王国を守る聖騎士(パラディン)の少女。巨乳の持ち主。街を守護する5人組「クインテット」のひとり。一撃でリザードを撃退するほどの剣技を持ち、王国の住民からは頼られている。しかし、落ちているリザードの糞を踏んでしまうなど、ポンコツな一面もある。森の中を偵察中に太多陽太と出会い、即座に発情してしまう。 我を失って、陽太に交尾を迫るが、途中で二人とも失神してしまう。起きて冷静さを取り戻した後、陽太を連れて町へ戻り、とりあえず匿おうとする。陽太に対しては複雑な感情を抱いている。
リリア
シーザー王国最強とうたわれる弓使い(アーチャー)の少女。貧乳で幼い外見。一人称は「ボク」。町を守護する5人組「クインテット」のひとり。ルーミとは友人関係。女装していた太多陽太に町の案内をしている際、偶然陽太の手に触れ、欲情してしまう。その夜、陽太の寝室を訪れるが、すんでのところでルーミと鉢合わせになる。
サユリ
町の外にある雑貨屋を経営しているはぐれエルフ。ルーミたちからは「エルフ」と呼ばれているが、外見はネコのような耳を持つ少女。ルーミたちとは人種が異なるらしく、自分から進んで人間に干渉するようなことはない。太多陽太に、女装するための装備と、舐めると1日だけ声が女性のようになるアメを売ってくれる。
ジーニアス
「神」を自称しているが、外見は3本の足を持つ白い小鳥。森を偵察中のルーミに同行していた。シーザー王国には、30世紀もの間、女性しかいないことや、太多陽太が召喚されてきたのは、シーザー王国の女性と交尾をするためだと陽太に語る。
場所
シーザー王国 (しーざーおうこく)
太多陽太が何者かによって召喚された世界。地球とは別の惑星にあるらしく、2つの月がある。町は城壁に囲まれており、人々はリザードなどの魔物から身を守って暮らしている。30世紀もの間、男性がいなく、住民は女性のみ。そのため、住民の女性たちは遺伝子レベルで男性に対する免疫がなく、男性に手を触れるだけでも発情してしまう。子どもは町にある城のなかから現れるという。 また、ジーニアスによると、成人までに交尾を行えなかった女性は死んでしまうらしい。日本語とほぼ同じ「シーザー語」と呼ばれる言語が使われている。
その他キーワード
欲情の泉 (よくじょうのいずみ)
シーザー王国の女性が発情した際に、性器から大量に分泌する体液のこと。太多陽太によると「タンパク質系のフルーティーな香り」で、その香りには、嗅いだ男性の冷静さを失わせる、麻薬のような作用があるらしい。
書誌情報
パラレルパラダイス 28巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2017-08-04発行、 978-4065100950)
第2巻
(2017-11-17発行、 978-4065103517)
第3巻
(2018-03-19発行、 978-4065110393)
第4巻
(2018-07-06発行、 978-4065120255)
第5巻
(2018-10-05発行、 978-4065131466)
第6巻
(2019-02-06発行、 978-4065145685)
第7巻
(2019-06-06発行、 978-4065161340)
第8巻
(2019-10-04発行、 978-4065172339)
第9巻
(2020-02-06発行、 978-4065182185)
第10巻
(2020-05-07発行、 978-4065195512)
第11巻
(2020-08-05発行、 978-4065204603)
第12巻
(2020-11-06発行、 978-4065213735)
第13巻
(2021-03-05発行、 978-4065225783)
第14巻
(2021-06-04発行、 978-4065236659)
第15巻
(2021-09-06発行、 978-4065247648)
第16巻
(2021-12-06発行、 978-4065261736)
第17巻
(2022-03-04発行、 978-4065270646)
第18巻
(2022-07-06発行、 978-4065284124)
第19巻
(2022-11-04発行、 978-4065298053)
第20巻
(2023-03-06発行、 978-4065310663)
第21巻
(2023-06-06発行、 978-4065319789)
第22巻
(2023-09-06発行、 978-4065330081)
第23巻
(2023-12-06発行、 978-4065336267)
第24巻
(2024-04-05発行、 978-4065349113)
第25巻
(2024-07-05発行、 978-4065362693)
第26巻
(2024-10-04発行、 978-4065372555)
第27巻
(2025-01-06発行、 978-4065381717)
第28巻
(2025-05-07発行、 978-4065396216)