あらすじ
第1巻
兵藤和也との対戦型ギャンブル「ワン・ポーカー」に勝利した伊藤開司は、共に戦ったチャンやマリオと共に、「24億円の脱出」を図る。大金をトラックに積んで発車させた開司達だったが、その行く手には和也の部下である帝愛グループの社員達が待ち受けていた。かろうじて帝愛グループの包囲網を突破した開司は、次にチャンとマリオのパスポートを回収するために、彼らが暮らしていたアパートへとトラックを走らせる。チャンとマリオの二人は、そこで雇い主の光山と再会するが、パスポートを無事に回収し、開司と合流するのだった。
第2巻
チャンやマリオと合流した伊藤開司は、近くのコンビニにトラックを止めて祝杯をあげる。しかし、すぐに帝愛グループの追っ手が来ると考えた開司は、24億円を隠すための場所を探し始める。その末に開司は、住宅街の角地にある空き家を発見し、現金を運び込む事に成功する。次に開司は脱出に使用したトラックを廃棄する事を考え、チャンに遠隔地にトラックを廃棄させるように指示を出す。開司達と離れたチャンはトラックを移動させ、そのあいだに開司とマリオは現金を持って逃げるための準備を進める。
登場人物・キャラクター
伊藤 開司 (いとう かいじ)
定職に就かず、ギャンブラーとして生きる男性。周囲からは「カイジ」と呼ばれている。帝愛グループのかかわるさまざまなギャンブルに挑み、勝利を収めて来た名うてのギャンブラーとして知られている。兵藤和也との「ワン・ポーカー」の対戦で勝利し、その果てに得た24億円もの大金を持ってチャンやマリオと共に脱出を図る。 困難に直面しても、数々の危機を切り抜けられる機転と強運の持ち主でもある。
チャン
伊藤開司と共に「24億円の脱出」を図る中国人の男性。マリオと共に外国人就労者として光山のもとで働いていた。開司とは兵藤和也の仕掛けたギャンブル「救出ゲーム」でマリオと共に知り合い、その後の「ワン・ポーカー」の勝負でも開司に協力した。脱出時には、主に現金を運搬するためのトラックの運転を担当する。
マリオ
伊藤開司と共に「24億円の脱出」を図るフィリピン人の男性。チャンと共に外国人就労者として光山のもとで働いていた。開司とは兵藤和也の仕掛けたギャンブル「救出ゲーム」でチャンと共に知り合い、その後の「ワン・ポーカー」の勝負でも開司に協力した。24億円脱出では、脱出のための作戦を練る開司のサポートを担当する。
兵藤 和也 (ひょうどう かずや)
兵藤和尊の息子。幼い頃から望むものはすべて与えられて来たが、自身が本当に望んでいた「信頼」は手に入れる事ができず、それらを否定するギャンブル「救出ゲーム」を伊藤開司に仕掛けた。次いで「ワン・ポーカー」で開司に直接対決を挑み、終始優位に追い詰めていくが、自身の命をも顧みない覚悟を持つ開司の前に敗北。その結果、24億円もの大金を失う。
光山 (みつやま)
チャンやマリオの雇い主の男性。兵藤和也に1000万円もの借金を作り、その返済のためにチャンやマリオと共に「救出ゲーム」に臨んだ。当初はチャンやマリオと共にゲームをクリアする事を目指していたが、最終的にはチャンやマリオを裏切って、資金をすべて独占して立ち去った。その後、パスポートを取りに来たチャンやマリオと再会する。
坂崎 孝太郎 (さかざき こうたろう)
かつて伊藤開司と共に帝愛グループのギャンブルに挑んだ男性。現在はそのギャンブルで得た資金で豪邸暮らしをしているが、その生活に寄生していた開司に嫌気がさし、手切れ金として300万円を渡していた。「ワン・ポーカー」に勝利して24億円もの大金を得た開司と再会し、「恩返し」として1億800万円を渡される。
兵藤 和尊 (ひょうどう かずたか)
帝愛グループの総帥を務める男性。兵藤和也の父親。かつて伊藤開司とも直接対決し、勝利した因縁を持っている。金に対しては人間離れした妄執があり、損失を与えた者はたとえ身内であっても決して容赦はしない。和也と開司とのギャンブルには関与していないが、24億円もの損失があった事が兵藤和尊に知られれば、自身の命にかかわると、開司に恐れられている。
集団・組織
帝愛グループ (ていあいぐるーぷ)
兵藤和尊が総帥を務める大手金融組織。政財界にも強い影響力を持ち、全国に100を超える支社と傘下の消費者金融業者がある。その実態は違法な金利で貸付を行う悪徳金融業者であり、返済ができなくなった者を集めて命がけのギャンブルに挑ませ、それを見せものにする事でさらなる富と権力を得ている。
その他キーワード
救出ゲーム (きゅうしゅつげーむ)
兵藤和也が仕掛けた三人で行うギャンブル。三人がベルトで固定された状態でスタートし、その後ルーレットで救出者一人と人質二人を決める。救出者になった者は、制限時間内に人質解放ボタンを押す事でクリアというルール。ただし、救出者か人質かは自分ではわからず、救出者ではない者が人質解放ボタンを押した場合や、制限時間をオーバーした場合にはゲームオーバーとなる。 1回クリアするごとに賭け金が倍になっていくルールであり、光山は借金返済のために16回連続でクリアする事が条件となっていた。
ワン・ポーカー (わんぽーかー)
二人で行う対戦型のギャンブルで、1枚のカードだけで勝負するポーカー。トランプのマークに限らず、引いたカードの数字の大きさで勝ち負けが決まり、Aが最強で2が最弱というルールとなっている。カードはランダムで2枚が機械から配られる仕組みであり、プレイヤーはそのうち1枚を選んで勝負する。運の要素が強いものの勝てないと判断した場合にはゲームを降りる、あるいはハッタリにより相手をゲームから降ろす事もできるため、駆け引きの要素も大きくなる。 1ゲーム最低2億円からスタートする破格のギャンブルで、最終的な賭け金は24億円にまで膨れ上がった。
24億円の脱出 (にじゅうよんおくえんのだっしゅつ)
ワン・ポーカーで兵藤和也に勝利した伊藤開司が、手にした24億円を持って臨む逃避行。和也は開司達におとなしく24億円を渡すつもりはなく、金を奪い返すために帝愛グループから追っ手を差し向けている。開司にとっては捕まれば生命の保証はなく、和也にとっても24億円もの損失は自身の生命の危機に直結するため、互いに必死の攻防が展開される。
前作
賭博黙示録カイジ (とばくもくしろくかいじ)
福本伸行の代表作で、のちにシリーズ化される「カイジ」シリーズ1作目。カイジこと伊藤開司は、友人の保証人になったことで多額の借金を抱え、返済のために様々なギャンブルに挑んで行く。講談社「ヤングマガジン」... 関連ページ:賭博黙示録カイジ
賭博破戒録カイジ (とばくはかいろくかいじ)
『カイジシリーズ』2作目。カイジこと伊藤開司は、スターサイドホテルの勝負で兵藤に敗れ、さらに借金を1,000万円に増やすことになり、再びギャンブルの世界へ身を落として行く。福本伸行の代表作。講談社「ヤ... 関連ページ:賭博破戒録カイジ
賭博堕天録カイジ (とばくだてんろくかいじ)
『カイジシリーズ』3作目。主人公カイジこと伊藤開司が、仲間がし賭博で巻き上げられた金を取り返すために再び、ギャンブルの世界へ落ちていく姿を描く。『賭博破戒録カイジ』の続編。講談社「ヤングマガジン」20... 関連ページ:賭博堕天録カイジ
賭博堕天録カイジ 和也編 (とばくだてんろくかいじ かずやへん)
漫画『賭博堕天録カイジ』の続編で『カイジシリーズ』4作目。主人公の伊藤開司が、宿敵である帝愛グループ総帥の兵藤和尊の息子、兵藤和也にゲームを提案され、互いの信念を賭けて勝負に挑む様子を描いたギャンブル... 関連ページ:賭博堕天録カイジ 和也編
賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編 (とばくだてんろくかいじ わん ぽーかーへん)
漫画『賭博堕天録カイジ 和也編』の続編で『カイジシリーズ』5作目。主人公の伊藤開司が、宿敵である帝愛グループ総帥の兵藤和尊の息子、兵藤和也に命を賭けた勝負を挑み、信念を持って戦う様子を描いたギャンブル... 関連ページ:賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編
書誌情報
賭博堕天録カイジ 24億脱出編 26巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第10巻
(2021-02-05発行、 978-4065222812)
第11巻
(2021-05-06発行、 978-4065233443)
第12巻
(2021-07-06発行、 978-4065239872)
第13巻
(2021-09-06発行、 978-4065247457)
第14巻
(2021-11-05発行、 978-4065258736)
第15巻
(2022-01-06発行、 978-4065264874)
第16巻
(2022-03-04発行、 978-4065271117)
第17巻
(2022-05-06発行、 978-4065277812)
第18巻
(2022-07-06発行、 978-4065284766)
第19巻
(2022-09-06発行、 978-4065291177)
第20巻
(2022-11-04発行、 978-4065298077)
第21巻
(2023-01-06発行、 978-4065303818)
第22巻
(2023-03-06発行、 978-4065310496)
第23巻
(2023-05-08発行、 978-4065316924)
第24巻
(2023-07-06発行、 978-4065322529)
第25巻
(2023-10-05発行、 978-4065333693)
第26巻
(2023-12-06発行、 978-4065339282)