どろろ

どろろ

48の魔神に体の48カ所を奪われた少年、百鬼丸と、親を無くしたどろろが、妖怪たちと戦いながら乱世を生き抜いていく物語。

正式名称
どろろ
ふりがな
どろろ
作者
ジャンル
怪談・伝奇
レーベル
手塚治虫文庫全集(講談社コミッククリエイト)
巻数
既刊2巻
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

戦乱が続く、中世日本。天下取りをもくろむ醍醐景光は、願いを叶える代わりとして生まれてくる我が子の体、48カ所を48の魔神たちに与える。不自由な体で産み落とされた子どもは川へ捨てられるが、医者寿海にひろわれ、義肢義眼などを与えられて百鬼丸と名付けられる。自らの体を奪った魔神を一人倒すごとに、失った体を取り戻していく百鬼丸

彼は天涯孤独の浮浪児どろろとともに、乱世を旅していく。

登場人物・キャラクター

百鬼丸 (ひゃっきまる)

『どろろ』の主人公の一人。百鬼丸の父である醍醐景光が、天下を取るために、地獄堂の48人の魔神と取引した結果、目、鼻、耳、手、足など、体の48カ所が欠落した赤ん坊として生まれる。川に流され、捨てられた赤ん坊は医者である寿海に拾われ、義肢義眼などを与えられ、人として生きられるようになる。 百鬼丸という名前も、寿海から与えられた。常人以上の直感、人の心に語りかける力を持つが、それが化け物たちを引き寄せることになる。長じて、魔神を倒すことで、奪われた体を1つずつ取り戻せることを知った百鬼丸は、自分の体を取り戻すため、魔神を倒すための旅に出る。

どろろ

『どろろ』の主人公の一人。元農民の盗賊、火袋とお自夜の子ども。天涯孤独となって、「人間の皮をかぶったドブネズミ」といわれながらも、たくましく生きているチビッコどろぼう。百鬼丸の腕に仕込まれた刀に惚れ込み、スキがあれば盗むと宣言し百鬼丸と同行するようになる。ひどい目に遭わされても、負けずに大笑いをしてみせるしたたかな浮浪児。 父である盗賊、火袋が隠した宝の地図を母、お自夜によって背中に書き込まれ、興奮すると背中に地図が浮かび上がる。「どろろ」という名は、作者手塚治虫の幼い子どもが「どろぼう」のことを「どろろう」と言っていたことによる。

寿海 (じゅかい)

立派な学問と腕を持った医者。捨てられた百鬼丸を拾って義眼義肢を与え、息子として育てる。百鬼丸が生まれながらに持つ常人以上の直感、人の心に語りかける力、そういった超能力がばけものたちを引き寄せることに気づき、彼に百鬼丸という名前と名刀を与え、自分を受け入れてくれる世界を探せと、旅に送り出した。

醍醐 景光 (だいご かげみつ)

百鬼丸の父。天下を取るために、48の魔神に生まれてくる我が子の体の48カ所を与える。

火袋 (ひぶくろ)

野盗の頭。さむらいから村を守るために戦った農民であったが、後に野盗となった。さむらいたちに虐げられたものが力を合わせてさむらいたちに立ち向かえるようにと、奪った金を密かに隠した。どろろの父。手下であるイタチに裏切られ、足を不具にされ、以後どろろお自夜ともども放浪を強いられ、最期は通りがかりのさむらい一行との諍いで命を落とす。

お自夜 (おじや)

どろろの母。農民たちがさむらいたちに力を合わせて戦う資金にするために夫である盗賊火袋が密かに隠した宝の地図を、どろろの背中に書き込む。雪の山中にどろろともども迷い込み最期を迎える。

イタチ

野盗火袋の手下。さむらいと手を組んで出世したがっていたが、さむらいぎらいの火袋には受け入れられず、ついに仲間と謀って火袋を家族もろとも野盗団から追い払う。火袋が隠した宝を見つけようと、どろろをさらうが、どろろに命を救われ、最期は宝を横取りしようとするさむらいたちと戦って壮絶な最期を遂げる。

みお

戦乱で、家を焼かれ親を失い、手や足を無くした子どもたちの親代わりとして世話をする少女。絶望していた百鬼丸に生まれて初めて人間の心のあたたかさを感じさせる。

琵琶法師

目は見えないが、自己流の剣の達人。琵琶に剣が仕込まれている。戦いに疲れた百鬼丸が、自らを失いそうになると現れて助言をする。

多宝丸 (たほうまる)

醍醐景光の息子、百鬼丸の弟。残忍で傲慢な性格。

死霊 (しりょう)

『どろろ』に登場する化け物。形がないために、動物や物にのりうつって人を襲う。あるときは、川に浮かぶボロクズのかたまり、あるときはうごめく草となりどろろを遅い、また、あるときは古草履にのりうつり百鬼丸の後を追う。

金小僧 (かねこぞう)

『どろろ』に登場する化け物。小さな鐘を鳴らしながら「やろうかあ、やろうかあ」と人によびかける小判の顔をした金の精。百鬼丸に隠された小判のありかを教える。

万代 (ばんだい)

『どろろ』に登場する化け物。外見はうつくしい女で、いつも床に臥せっている。困っている村人に金を与え、村人から神様のように扱われている。だが、村人が立ち直り、働き出すたびに化け物となって襲って金品を奪っていく。うばった金は密かに竹やぶに隠してあるが、溜め込んだ金の精である金小僧が、だれかに隠し場所を教えるのではないかと恐れており、金小僧と出会った百鬼丸とどろろを捕まえて閉じ込める。

野ギツネ

『どろろ』に登場する化け物。戦で死んだ兵隊たちの肉を食べて数を増やした。狐火を発し、人を襲う。その首領は九尾となった大ギツネ。百鬼丸が多宝丸と斬り合う際、それが実の弟であることを百鬼丸に告げて残忍な笑いをもらす。

白面不動 (はくめんふどう)

『どろろ』に登場する化け物。人を殺してその顔を奪う。どんな顔にも変わることができるしもべを使って、人をおびき寄せる。しもべは、相手が思い描く人の顔になることができるのでどろろの前に、母であるお自夜の顔で現れて手なずける。

マイマイオンバ

『どろろ』に登場する化け物。人間をえさに種族を増やそうとする。脱皮して成長するが、その秘密を尼寺の慈照尼に知られ、寺に火を放ち、慈照尼が世話をしていた50人の子どもらともども焼き殺す。慈照尼は、幽霊となり、子どもらは巨大な赤ん坊の形の1体の妖怪の姿となり、どろろと百鬼丸の前に現れる。

四化入道 (しけにゅうどう)

『どろろ』に登場する化け物。醍醐景光に生き埋めにされた寺の住職と、モグラなどの生き物の精気がまざりあって生まれた。

その他キーワード

似蛭 (にひる)

『どろろ』に登場する刀。持ったものを殺人に駆り立てる妖刀。この刀をうばったどろろは、刀に操られるまま人を襲ってしまう。

アニメ

どろろ

時は戦国時代、武将醍醐景光は天下取りの野望の引き換えに、生まれてくる我が子の体を四十八体の魔物に生贄として差し出した。父に捨てられ、医者の寿光に拾われた子供は、百鬼丸と名付けられ、義手や義足で体を補わ... 関連ページ:どろろ

書誌情報

どろろ 2巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉

第1巻

(2009-11-11発行、 978-4063737172)

第2巻

(2009-11-11発行、 978-4063737189)

SHARE
EC
Amazon
logo