概要・あらすじ
勇敢な犬の軍隊・猛犬連隊に入隊した二等兵・のらくろは、そそっかしくミスも多かったが、持ち前の勇気と知恵で軍功を重ねていき、やがては大尉にまで出世する。その後、のらくろは猛犬連隊現役を引退し、大陸へと行くという夢を追いかけていく。
登場人物・キャラクター
のらくろ
手足や、顔の半分以外が真っ黒な毛で覆われ、人語を話す雑種犬。忠犬ハチ公や、西郷隆盛のペットだった犬の血を引いていると推測されているが、物心つく前に孤児となっていたために家族については全く覚えていない。たまに自分が一人であることを悲しむことがある。小さな頃に棲み家を探して放浪していたところ、黒い野良犬であることから、のら犬黒吉、略してのらくろと命名された。 その後、自立を目指して猛犬連隊へと所属を希望。最初の階級は二等兵だったが、軍功を重ねて大尉まで出世、中隊長を任せられることとなる。頭が良くて機転が利き、また勇敢であるため仲間からは強く頼られている。その反面そそっかしくて負けず嫌いな所もあり、ブル連隊長やモール中隊長から大目玉をくらうこともしばしば。 大尉になり、山猿連帯との戦いを終えた後は大陸に行くという夢を叶えるため、現役を引退し予備役入りする。モデルはアメリカのアニメ・フィリックス・ザ・キャットとも言われている。
ブル
猛犬連隊の連隊長を務めるブルドッグ。階級は大佐。軍律には厳しいが、冗談が好きな性格でもある。問題を頻発させるのらくろに手を焼いているが、同時に絶大の信頼を寄せてもおり、父親代わりのような立ち位置。
ハンブル
ブルドックの血が流れる雑種犬。初登場時の階級は上等兵。ゴリラとの戦争では斥候隊のリーダーを任されていた。その後のらくろと時を同じくして猛犬士官学校に入学、彼と親睦を深める。将官入りした後与えられた宿舎はのらくろと隣同士であり、よく行動を共にするように。 比較的真面目な性格であり勇猛、知恵も持ち合わせている。最初は階級が上だったのらくろに敬語で話していたものの、同階級となってからはタメ口で会話する。
モール
猛犬連隊の第5中隊隊長を務めるテリア。階級は少佐。ブル連隊長の良き相談相手であり、真面目な性格。のらくろのことを頼りにはしているが、甘やかすことはせずに時には厳しい言葉で叱責することもある。
デカ
全身が白く、眼の周りが黒い犬。初登場時の階級は二等兵。軍曹となったのらくろの部下となる。体が大きく、怪力ではあるが、少し抜けている所があり失敗が多い。しかし、経験を積んで着々と成長していき、やがてはのらくろの右腕となり活躍していく。
破片 (はへん)
のらくろの大尉時代に猛犬連隊へと入隊したチン。体重が入隊基準以下という小柄な体格だったが、機転を利かせて無事突破する。彼の破片という名前も、破片のように体が小さいことに由来する。やる気に満ち溢れており器用だが、そそっかしい所がありのらくろとの共通点も多い。
集団・組織
猛犬連隊 (もうけんれんたい)
『のらくろ』に登場する組織。ブルが連隊長を務める部隊。正義を掲げており、むやみな戦は行わない主義。のらくろを始め勇猛な兵士が揃っており、仇敵・山猿連隊との戦争では毎回勝利している。軍旗はのらくろが出したアイデアを作者・田河水泡がデザインした設定になっている。
山猿連隊 (やまざるれんたい)
『のらくろ』に登場する集団。猛犬連隊と火花を散らす、山猿の軍隊。幾度となく猛犬連隊に戦争をしかけるも、毎回のように敗れている。
場所
猛犬士官学校 (もうけんしかんがっこう)
『のらくろ』に登場する施設。猛犬の士官が学ぶ学校。ブル連隊長のいとこ、テキサス大佐が生徒隊長を務める。高度な戦術を教わることもあり、また訓練も厳しい。