アカギ ~闇に降り立った天才~

アカギ ~闇に降り立った天才~

漫画『天 天和通りの快男児』のスピンオフ作品。才気、直感、運気、精神力、ギャンブルに必要な素養を全て持っている若者が、裏社会のギャンブラー達と麻雀で対局し、伝説を築き上げていく姿を描いた麻雀漫画。

正式名称
アカギ ~闇に降り立った天才~
ふりがな
あかぎ ~やみにおりたったてんさい~
作者
ジャンル
麻雀
関連商品
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あらすじ

中学生編(第1話~第27話)

深夜の雀荘で、南郷が借金返済を賭けて竜崎と麻雀を打っていた。そこに突如、白髪の中学生アカギが姿を現す。南郷は素性の知れないアカギに勝負師としての才能を感じ取り、麻雀のルールも知らないアカギに簡単な説明をしただけで、代打ちとして卓に座らせる。そんな中、雀荘に刑事の安岡が現れ、アカギが先程別の場所で行われていたチキンランの生き残りであると告げ、事情聴取のために署へ連行しようとする。しかしアカギは、竜崎に勝利することを条件に南郷に話を合わせてもらい、自身のアリバイを主張する。安岡が監視をする中、アカギは平然と対局を続け、竜崎を追い詰めていく。敗色濃厚となった竜崎は、急遽プロの代打ちである矢木圭次を呼び出してアカギと対決させるが、勝負師としての天才的な才能を発揮し始めたアカギは矢木をも撃破する。こうして南郷は莫大な借金から逃れることに成功するが、アカギは竜崎に対し、さらに賭け金を上げての勝負を要求する。その場は安岡が取り仕切り、日を改めて別の相手と再戦することとなる。後日、アカギの対戦相手として現れたのは、盲目ながら凄腕として裏社会にその名を轟かせる雀士・市川であった。

浦部編(第28話~第51話)

市川との対戦により一躍裏社会にその名を上げたアカギだったが、突然姿を消してしまう。それから6年後、安岡は親交のあるヤクザの組長・川田に、アカギを紹介すると言い出す。だがそこに現れたのは風貌こそアカギに似ているが、ギャンブラーとしての凄みがまったくないニセアカギ=平山幸雄だった。しかし、平山は雀士としての素質はあり、川田はそのまま平山を代打ちとして雇い入れることにする。そんな中、川田の部下である石川は、本物のアカギが玩具工場で働いていることを知り、石川はアカギを呼び出し平山と対峙させるが、アカギは平山を自分の相手にはならない凡夫だと酷評する。それに怒った平山は麻雀牌を使った簡単な賭けをアカギに提案するが、アカギはいとも簡単に勝ってしまう。一方、アカギが働く工場の寮ではアカギの同僚・野崎治が、先輩の川島たちの主催するイカサマの賭け麻雀によって給料を巻き上げられていた。それを見たアカギは、逆に川島に賭けを持ち掛けてあっさり勝利し、巻き上げられた治の給料を取り返すと共にさらに川島らの財産も奪取する。その翌日、川田の申し出によりアカギと平山が正式に麻雀勝負に臨むこととなり、そこに治も同行する。対局が行われる川田組では、アカギとの対局前に平山が藤沢組の代打ち・浦部と対局を行っていたが、自分を過信していた平山は敗北してしまう。見かねた川田は平山の代わりにアカギを呼ぶが、アカギはまず初めに治に打たせるよう進言。言われた通り対局に臨んだ治は最初こそ順調に勝利を重ねるが、この勝負で取引される金額を知って途端に怖気づいてしまう。それを見たアカギは、ついに自ら浦部との対局に臨む。

仲井編(第51話~第56話)

アカギ浦部の対戦を間近で見てアカギの凄さを知った野崎治は、自分もアカギのようになりたいと雀荘でがむしゃらに対局を重ねていた。しかし思うように勝てずにいたところ、突然、仲井純平から声を掛けられる。仲井はアカギと治が知り合いであるという情報をつかんでおり、自分をアカギと対局させてほしいと申し出る。治はアカギの居所も知らないと断るが、ちょうどその場に浦部と戦った際の治の取り分を渡すため、アカギが姿を現す。金を渡したアカギはすぐさま帰ろうとするが、仲井は彼に有り金すべてを賭けた対局を申し込み、アカギはしぶしぶその勝負を受ける。仲井は公平を期すために、無作為に選んだ雀荘に入り、あとから来た他人を交えて対局することを提案。アカギはその話を受けるもののそれはすべて仕組まれたもので、雀荘も対局者も実際は仲井の手の者だった。こうして、仲井は仲間内で手持ちの牌を教え合うイカサマで対局に臨むが、アカギにはまったく通用せず、対局はアカギの圧勝で終了する。アカギは今回の勝負における取り分を治に渡すと、そのまま再び姿を消すのだった。

鷲巣編(第57話~第300話)

世間では、体から血液を抜かれた状態の若者の死体が多数発見されるという事件が続いていた。その事件を調査していた安岡は、仰木からこの事件は裏社会を牛耳る鷲巣巌によるものだと聞かされる。それを知った安岡はアカギを起用して鷲巣とのギャンブルを仕掛け、鷲巣の財産すべてを奪って失脚させようと計画する。しかし肝心のアカギは姿を消していたため、安岡と仰木は各地の賭場を巡ることにする。一方その頃、アカギは暴力団・倉田組の賭場で勝ち続け、ついに反感を買った組員から日本刀で切りつけられてしまう。そんな中、偶然近くにいた安岡と仰木は状況を察して賭場に乱入し、その場を収めてアカギを病院へ搬送する。そして入院中、アカギは安岡たちに鷲巣の存在を聞かされ、鷲巣と命懸けのギャンブルを行うことを承諾。後日、アカギは鷲巣邸に赴き、彼が提案する命を賭けた「鷲巣麻雀」に挑む。さらに鷲巣を確実に破滅させるため、アカギが自分自身に不利になるルールを追加で提示したうえでレートをさらに高め、ついに対局が開始される。

当初はアカギを甘く見ていた鷲巣であったが、局が進むに連れてアカギの技量を認め、徐々に本気で立ち向かうようになる。鷲巣の強運と技量を目の当たりにしたアカギもまた、今までの相手とは格が違うことを実感し、ルールによって血を抜かれ瀕死の状態になりながらも、その状況を楽しんでいた。アカギと鷲巣は共に意識を朦朧とさせ生死をさまよいながら対局を続けるが、そんな中、鷲巣は勝利を目前に卒倒してしまう。耐えかねた鷲巣の部下・白服たちは鷲巣の命を第一と考え、敗北を宣言して鷲巣に輸血を行う。こうしてルール上の勝利者となったアカギは鷲巣の莫大な財産を得るが、アカギは自身の勝利を認めず、金を手にすることなく屋敷をあとにする。

手本引き編(第301話~第306話)

鷲巣巌と対決した3年後、アカギは偶然再会した野崎治と共に、各地の賭場で胴元が枯れるまで稼ぐと、その地をあとにするという賭場荒らしを繰り返していた。そんな中、暴力団・八代組の賭場で有り金すべてを奪ったアカギたちは、ヤクザたちの襲撃を受けてしまう。アカギは奇策を用いてヤクザたちを退け、治とその窮地を脱する。その翌日、八代組に鷲巣が姿を現す。鷲巣は志半ばで終わってしまったアカギとの対決を再開させるため、彼のあとを追っていたのである。鷲巣は、アカギに復讐しようと準備していた八代組のヤクザたちに、アカギを殺すのは自分だと宣言する。

登場人物・キャラクター

アカギ

白髪の男性。本名は「赤木しげる」だが、その名で呼ばれることはほとんどない。初登場時は13歳の少年で、物語の進行に伴って青年となり、よくくわえタバコをしている。冷静沈着な性格で、大金や命が賭かったギャンブルにも動じることなく挑み、ピンチが訪れても勝機を見つけて勝利する才覚の持ち主。なお、リスクの高いギャンブルを好むが、金そのものへの執着は薄く、これといった物欲もない。麻雀をしていることが多いが、それ以外のギャンブルに対しても類を見ない技量と強運を持ち合わせている。また、完璧なイカサマもすることができるが、イカサマをしなくても圧倒的な強さを誇り、周囲からも一線を画した存在とみなされている。知力や腕力にも優れ、口論やケンカなどの争いごとにも長けている。ウソや偽りを嫌い、暴力や権力によって自分の意志を曲げることをしない意固地な一面もある。他人との馴れ合いを嫌い、基本的には一人で行動することが多いが、利害が一致すれば協力してギャンブルに挑むこともある。初めて麻雀を覚えたのは13歳の時で、偶然に南郷のいる雀荘に入ったことをきっかけに、簡単なルールを教わった。その際に手だれの竜崎や矢木圭次と対局して圧倒し、雀士としての才能を開花させる。その後、安岡や石川の手配で市川と対局し、勝利したことで裏社会にその名を知られることとなる。以後行方をくらましていたが、6年後に町中でケンカしているところを石川に発見され、玩具工場に住み込みで働いていることが判明する。石川からギャンブラーとしての才能を活かすことを勧められ、浦部との対局で勝利する。その後再度消息を絶ったが、安岡と仰木武司に発見され、鷲巣巌との対決を持ち掛けられる。鷲巣が狂気的な殺人行為を行っていると知りながら、どこか自分に似ていると感じたアカギは対決を承諾。鷲巣邸にて大金と自らの血液を賭けた特別ルールの「鷲巣麻雀」に挑んだ。基本的に自分と同じ思考の人間はいないと諦観にも似た考えを持っていたが、鷲巣との対局で彼が自分と同じ本質を持っていると確信し、唯一のライバルとして認めた。鷲巣が対局中に昏倒した際にも意識を覚醒させて勝負を続行しようとするなど、これまで戦って来た相手とは異なり、見下すことなく真剣勝負に臨んでいる。

南郷 (なんごう)

アカギに麻雀を教えた中年の男性。短い黒髪を立て、目の下にクマがある。暴力団・川田組の竜崎に300万円の借金をしており、返済のため賭け麻雀に臨むこととなった。その際にアカギと知り合い、彼に代打ちをさせて借金の全額返済に成功する。さらにアカギと市川の対決では賭けの元金を出し、こちらもアカギが勝利したことで、配当金の400万円を手に入れる。その際にギャンブルからは足を洗い、普通の会社員として働き始める。

安岡 (やすおか)

中年の男性刑事で、死傷者を出したチキンラン事件の関係者と目されるアカギを追っていた。寸胴体型で無精ひげを生やしている。刑事ながら不真面目な性格で、ヤクザや非合法グループとのかかわりもある。当初はアカギを逮捕しようとしていたが、アカギのギャンブラーとしての素質を見抜き、自らが仲介人となりアカギにギャンブル話を斡旋している。市川との対戦後にアカギが失踪してしまったため、平山幸雄をアカギと偽って裏社会で暗躍する。しかし平山が浦部との対局で敗れたため、そのまま平山との関係は自然消滅することとなった。のちに、鷲巣巌の情報を知り、アカギに鷲巣との対戦を持ち掛ける。その際にはアカギとペアを組んで下家に座り、アカギのサポートを行った。アカギの高度な思考を読み取れずに失敗することもあったが、アカギと鷲巣のハイレベルな対決に感化されて、知らず知らずのうちに強運を手にしている。鷲巣戦で勝利したあとは、配当金として1億円を手に入れる。

竜崎 (りゅうざき)

南郷に金を貸していた暴力団・川田組に所属する中年の男性。唇が厚く、黒髪を逆立てている。麻雀が得意で、素人相手なら圧倒的に打ち負かすことができるほどの腕前。南郷に借金返済と称して対局を持ち掛け、さらに重い借金を背負わそうと目論んでいたが、彼の代打ちであるアカギに完敗する。

矢木 圭次 (やぎ けいじ)

プロの代打ちを務める中年の男性。竜崎と南郷の対局において、アカギが南郷の代打ちとして入ったあと、竜崎の代打ちとして呼ばれた。切れ長の目で髪をオールバックにし、威圧的な態度を取る。アカギの技量を瞬時に見抜いたうえで、指一本を賭けた勝負に物おじせず臨む。勝負ではイカサマを使ってアカギに対抗するが、逆にイカサマで返され最後は敗北する。

黒崎 (くろさき)

暴力団・川田組の若頭を務める中年の男性。口ひげを生やし、サングラスをかけている。アカギの対局相手として、市川を連れて来た。アカギと初めて顔を合わせた際、彼のことを仲間に取り込もうとしたが失敗する。

市川 (いちかわ)

アカギと対局するために呼ばれた盲目の老人。長い白髪でサングラスをかけ、黒い服を身につけている。ギャンブル全般に長けており、裏社会では名の通った実力者。過去に行った拳銃のロシアンルーレットにより盲目になったと自称しているが、詳細は不明。麻雀を打つ時は手持ちの牌を指先で確認し、他家の牌は捨てる時にどの牌か発声させることで認識している。盲目ゆえに磨かれた指先の感覚により、洗牌から自分のツモ山を並べる際に牌の端を素早く盲牌し、すべて記憶したうえですり替えるイカサマを行っている。しかし、アカギにはその戦法を読み切られ、彼が仕掛けた策にはまって敗北する。

平山 幸雄 (ひらやま ゆきお)

安岡がアカギの偽物として仕立てた青年。アカギと同じく白髪を逆立てており、風貌はアカギによく似ている。記憶力と計算力に優れ、無作為に並べたすべての牌を瞬時に覚えてその向聴(シャンテン。あと何手で上がることができるか)数を言い当てるという技能を持つ。麻雀の能力も高く、一般人レベルであれば簡単に打ち負かすことができるが、アカギからはただ点数計算ができるだけの凡夫と酷評された。暴力団・川田組の代打ちとして浦部と行った対局では、浦部の能力を甘く見てなめてかかり惨敗。その後、鷲巣巌との「鷲巣麻雀」に挑み、敗北し死亡する。

石川

暴力団・川田組の若頭を務める中年の男性。前髪を垂らした髪型にサングラスをかけ、口ひげを生やしている。アカギが市川と対決する際に同席しており、アカギの能力を目の当たりにして圧倒された。平山幸雄がニセアカギとして暗躍していた時には、川田の依頼を受けてアカギ本人かどうかを確認しに出向いたが、アカギと平山の雰囲気の違いにより、即座に偽物と判断した。

川田 (かわだ)

暴力団・川田組の組長を務める老人で、着物を身につけている。組の代打ちとして平山幸雄を雇っており、その計算高さや麻雀の技量を買っていた。だが、浦部との対局において平山の勝負弱さを悟り、アカギと交代させた。

浦部 (うらべ)

暴力団・藤沢組の代打ちを務める中年の男性。髪を逆立てており、特徴的な大きな出っ歯で関西弁でしゃべる。対局開始から中盤まではわざと負けるように打って相手を油断させ、逆転のためにレートを上げてほしいと頼み込み、相手が承諾したら本気を出して逆転する手法で勝ち続けていた。平山幸雄と対決した際もその手法で平山を圧倒したが、代わりに入ったアカギに逆転負けを喫する。

川島 (かわしま)

アカギが一時期働いていた玩具工場の先輩の青年。パーマ頭で丸いメガネをかけている。給料日になると仲間と共謀して新人を麻雀に誘い、給料を巻き上げていた。同様の手段で野崎治を餌食にしようとした際、アカギが提案した賭けに負けて大金を失う。その後、アカギに暴力で仕返しを目論むもあえなく返り討ちに遭う。

野崎治 (のざきおさむ)

アカギが一時期働いていた玩具工場の同僚の青年。ぼさぼさ頭にそばかすがある。気弱な性格で、川島とその仲間の悪どい麻雀の餌食になっていたところをアカギに助けられる。その後、工場を辞めたアカギと共に浦部との対局に同席し、アカギの前に代打ちを行った。代打ちの際、当初はその対局の高額レートを知らなかったためのびのびと打っていたが、レートを知った途端怖気づいてしまう。浦部との対局後はアカギと行動を共にすることを望んでいたが、アカギと対局した仲井純平によりアカギの神がかり的な闘牌を聞かされ同行を断念する。アカギが鷲巣巌と対局した数年後、再びアカギと行動を共にしており世話役を買って出ている。しかしアカギからは、早く自分から離れるように諭されている。

仲井 純平 (なかい じゅんぺい)

アカギの噂を聞きつけて、対局を申し込んだ若い男性。目つきが鋭く無精髭を生やしており、九州の方言で話す。偶然知り合った野崎治を介してアカギとの対局に臨み、仲間同士でイカサマをして勝とうとした。しかし、そのイカサマにいっさい動じないアカギに完敗する。

倉石 (くらいし)

暴力団・倉田組の賭場で代貸を務める中年の男性。角刈りで厚い唇をしている。アカギが丁半博打をしていた賭場を主催しており、勝ち続けるアカギを権力と暴力で言い含めようとした。自分の意見を頑なに曲げないアカギに業を煮やしていたが、その場に現れた安岡と仰木武司によってその場を収束させられた。

仰木 武司 (おおぎ たけし)

暴力団で若頭を務める中年の男性。鷲巣巌に「鷲巣麻雀」の参加者を仲介しており、アカギを鷲巣邸に誘った人物。もともとは鷲巣側の人間だったが、鷲巣による殺人事件が発覚したため鷲巣を倒そうと画策し、その力を持つ者としてアカギに白羽の矢を立てた。もともとアカギをうまく利用しようしていたが、アカギが負けた際には自らの腕を切り落とすという条件を飲まされたことで、純粋な傍観者ではいられなくなった。鷲巣戦では直接対局に参加することはなく、卓の後ろで戦況を見守る。

鷲巣 巌 (わしず いわお)

戦後から裏社会を支配し富と名声を手に入れた大富豪の老人で、「鷲巣麻雀」の考案者。長い白髪で目玉が大きく、歩く際には杖を用いる。時代を読む力と世間を渡り歩く技量や知恵など、あらゆる物事に長けており、一線を退いた現在でも国家的重鎮として裏社会では丁重に扱われている。そのため、鷲巣麻雀で若者の命を奪い続けていることが発覚した際も、権力を濫用してその罪を揉み消していた。部下や周囲の人間にも勝手気ままに振る舞い、癇癪持ちで暴言や暴力は当たり前という傍若無人な性格をしている。しかし他人を見る眼は鋭く、末端の部下まで全員の名前を覚えているなど、トップに立つ人間としての才覚は並外れたものがある。また、ギャンブルをはじめ勝負事においてはアカギをもしのぐ強運の持ち主。一方で鷲巣巌自身が老いていく現実を直視できず、鷲巣麻雀により自分よりも格下の若者がもがき苦しむ様を見ては愉悦感に浸っていた。鷲巣麻雀におけるアカギとの勝負では、当初こそアカギをこれまでの一般的な若者と同じく見下していたが、徐々にその実力を認め、互いに命にかかわるギリギリの状態での戦いを繰り広げる。最終的には勝利を目前にしながら意識を失い、心配した白服が鷲巣の敗北を認めたために対局は終了し、ルール上はアカギの勝利となった。その後は意識も回復して歩く元気を取り戻したが、白服が勝手に自分の敗北を認めたことや、勝ったはずのアカギが金にいっさい手をつけずに姿を消したことに激昂し、再戦を求めてアカギを捜し回るようになる。アカギを一番の好敵手だと認めており、彼を捜索するために、持てる権力のすべてを注ぎ込んでいる。

鈴木 (すずき)

白服の男性。「鷲巣麻雀」では鷲巣と共に卓に座りサポートを行っている。鷲巣の意図を的確に判断し、その時の鷲巣に必要な牌を正確に打牌する。

岡本 (おかもと)

白服の一人である男性。白服のリーダーとしてほかのメンバーを取り仕切っている。対局には参加しないが、背後から鷲巣巌に助言することもある。ただし、鷲巣やアカギレベルの闘牌にはついていけず、鷲巣への進言が裏目に出ることが多々ある。対局以外でも鷲巣に意見することがあるが、そのたびに激怒され杖で殴られている。

集団・組織

白服 (しろふく)

鷲巣巌に侍従する男性グループ。全員がサングラスをかけて白いスーツを身につけている。顔立ちに若干の違いはあるものの、簡単に見分けることはできず、年齢も不明。癇癪持ちの鷲巣を相手にすることが多いため、不条理に暴言や暴力を振るわれるが、鷲巣への忠誠心は強く、彼を見限ることなく仕えている。

その他キーワード

鷲巣麻雀 (わしずまーじゃん)

鷲巣巌が考案した特別ルールの麻雀。対戦者は二人で対面に座り、それぞれのサポート役の人間を自分の下家に座らせる。通常は反則とされている「コンビ打ち」も容認しており、それに対する責任払いも発生しない。使用する牌は同種牌四枚のうち三枚だけがガラスでできており、他家からも見えるようになっている。そのためツモ山は作らず特殊な自動卓を使って洗牌し、盲牌防止のための皮手袋を右手につけて、卓の中央の穴から一枚ずつ取り出す。ドラ表示牌やカンドラ、裏ドラもその都度穴から取り出して卓上の表示台に置く。対局は半荘六回戦でアガリ止めありとなっている。またツモ山がないため、カンの数にかかわらず捨牌の数が70になった時点で流局となる。ダブロンや三家和など、複数人がロンした場合は頭ハネとなる。基本的に鷲巣は現金、対戦相手は血液を賭け、レートは1000点あたり血液10cc、または10万円と定められている。持ち点20万点から開始し、和了後もしくは半荘が終了した時点で血液で精算する。対戦者が持ち点を取り戻した場合は、点数分の血液を輸血によって取り戻すことができる。特別ルールとして、鷲巣と対戦者のあいだで直接点が動いた場合は、祝儀として勝ち点と同額分の現金か血液を受けることができる。このルールは、ノーテン・チョンボの罰符にも対応している。対局が終了した時点で対戦者が生存、もしくは鷲巣の賭け金をすべて取ることができれば対戦相手の勝利となり、それまでに死亡した場合は負けとなる。対戦者が死亡した場合は、それまでに得た現金はすべて没収される。対局途中でサポーター役が箱割れした場合でも鷲巣と対戦者の持ち点があれば続行となり、サポーターは箱下棒での精算となる。対アカギ戦においてはさらに特別ルールとして、レートを通常の10倍とすること、半荘二回後対局続行・中断を鷲巣が決定できることが追加された。また、五回戦からはアカギから抜いた血液はすべて破棄すること、六回戦からはサポート役のチョンボの満貫払いはそれぞれ対戦者であるアカギおよび鷲巣の血液や金で支払うこと、アカギが鷲巣の順位より下だった場合は精算を血液で行うことも追加された。そして六回戦の途中、賭け金がなくなった鷲巣も、アカギと同レートの血液で支払うことが定められた。

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