あらすじ
下着メーカー「トライアングル・アニー」は、かつては栄華を誇りながら、現在は業績不振で赤字続きのがけっぷち状態にあった。そんなある日、会社の命運を一手に握る筆頭株主の山野辺静葉が、トライアングル・アニーを訪れる。彼女によれば、どうしても落としたい男がいるため、勝負下着を見繕ってほしいのだという。その話を受けて社長の虎井杏は渾身のコーディネートを披露するが、そこに男目線での意見も聞いてみるべきではないかと、園部真梨が三角圭を連れて現れる。驚く静葉に対して圭は、指一本触れないことを約束しながら、杏のコーディネートした下着でデートに行った際のシミュレーションを開始。そして、男性といい雰囲気になり服を脱がしていく途中、男性の手と目線がパンティーに向いた際に発生する問題点を指摘する。それは、すでに静葉のパンティーの中がびしょびしょに濡れているにもかかわらず、外からはその様子が見えないため、男性へのアピールが物足りなくなってしまうというものだった。そして圭は、濡れていく様子が逐一わかるよう、ごくふつうのグレーのコットンのパンティーをチョイスする。(第1話「パンティーは語る」)
パンティーをはいた際、恥丘と左右の骨盤のあいだにできる隙間。圭はここを「骨盤ポケット」と名づけ、この部分にフィーチャーした下着を新たに開発しようと会議で提案。みごとに社長の杏の許可を取り付け、サポート役に任命された真梨と共に、圭は製作部の下着パタンナーである姉屋香奈絵のもとを訪れる。下着のイメージを相談後、製作部をあとにしようとした圭は、一人になったところを香奈絵に呼び止められ、プライベートの相談を持ち掛けられる。それは、香奈絵がここ1年間、旦那に相手にされずセックスレスであるというものだった。さっそく香奈絵のはいていたパンティーを借りて「一献」した圭は、セックスをするために香奈絵が過剰に旦那にせまっていることを知る。圭は、旦那を誘うのに効果的な下着を見繕ってほしいという香奈絵に対し、下着だけではこの問題は解決しないと告げ、適当に派手な赤いパンティーを選ぶと、旦那の嫉妬心をあおる作戦をレクチャーし始める。(第10話「セックスレス」)
登場人物・キャラクター
三角 圭 (みすみ けい) 主人公
下着メーカー「トライアングル・アニー」唯一の男性社員で、インティメイト・アドバイザー(下着全般のアドバイザー)を務めている。黒髪のショートヘアで、長い前髪を左右に跳ねさせている。ふだんはぼーっとしてい... 関連ページ：三角 圭
園部 真梨 (そのべ まり)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の企画部に所属する若い女性。淡い色のミディアムショートヘアで、毛先を外向きにカールさせ、眼鏡を掛けている。ある日、空き巣に入られて自宅にあったすべての下着を盗まれるが、犯人はあっという間に逮捕された。その後、押収された下着を返却してもらうために日文警察を訪れたところで、三角圭と出会った。この時、幻覚とカンちがいした圭に襲われるものの、盗難品である膨大な量の下着の分類が完璧になされていたことから下着に対する圭の知識と情熱を認め、彼を訴えなかっただけでなく、警察を解雇された圭をトライアングル・アニーにスカウトした。圭のことを、トライアングル・アニーの救世主になる存在と、高く評価している。また高校生の時以来、性交渉を持っていないために欲求不満気味で、警察署で襲われた際も発覚が早かったことから最終的な行為に及ぶには至らなかったため、圭に対しては恋心と性欲がない混ぜになった複雑な感情を抱いている。のちに、警察の寮を退去させられてからネットカフェ暮らしをしていた圭を誘い、ルームシェアを開始。圭と親しくなっていくにつれて、「そべまりさん」と呼ばれるようになる。実は小学生の頃に、スカートめくりの常習犯で「スカートめくりのさんちゃん」と呼ばれていた圭と出会っているが、その「さんちゃん」が圭であることには気づいていない。
虎井 杏 (とらい あん)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の社長を務める女性で、年齢は35歳。金髪のロングヘアを大きな一本の縦ロールにした、ゴージャスで勝ち気な美人。実はレズで、トライアングル・アニーのことを、自分がデザインした下着を身につけたかわいい女性と、エッチで楽しい時間を過ごすための自らの花園としてとらえている。そのため、園部真梨が連れてきた三角圭のことも、男性であることから当初は社員としてその存在を認めていなかった。だが、圭が自らの妨害を乗り越えてトライアングル・アニーのために尽力する姿を見て、次第に彼の才覚、中でも特に性的な能力を認め、惹かれていくようになる。その後は、何かと圭に体の関係をせまるが、そのたびにギリギリのところで邪魔が入ってうまくいかない。また、自分の家庭的な姿を圭に見せてギャップで萌えさせようとしたりと、非常に遠回しな方法で真梨と圭の仲を裂こうと画策するものの、根が善人なせいか極端な手段に出ることができず、自分の気持ちも圭には伝えられずにいる。実は服飾科を出ていることもあり、自らミシンをあやつって衣装を作ることができる。
山野辺 静葉 (やまのべ しずは)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の筆頭株主の女性で、年齢は35歳。黒髪ロングヘアの清楚な雰囲気の美人だが、特有の威圧感も兼ね備える。山野辺静葉の投資がなければトライアングル・アニーはとうに潰れていたといわれるほどで、トライアングル・アニーへの影響力は非常に強い。とある男性を落とそうと、トライアングル・アニーの社長である虎井杏に下着のコーディネートを頼んだ際、三角圭の男心のツボをついた下着のチョイスと、イメージトレーニングにおけるムードづくりに完全に堕ちてしまう。以後は彼のことをヒモのようにして、社内でセックスしまくるほどにかわいがるようになる。のちに圭のアイデアにより、トライアングル・アニーの経営が軌道に乗り出してからは、杏が圭を気に入るようになったこともあって彼を貸してもらえなくなり、トライアングル・アニーと袂を分かつ。
小笠原 茜 (おがさわら あかね)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の専属モデルを務める女性で、年齢は29歳。淡い色のロングヘアで、前髪を左右に跳ねさせている。決してスタイルは悪くないが、すらりとした海外モデルに比べると劣り、モデルとしてコンプレックスを抱いている。だが一方で三角圭には、小笠原茜くらいの方が女性としての柔らかさや温もりを感じられると、そのスタイルを絶賛されている。かつて一度だけ差出人が「△K」と書かれたファンレターをもらったことがあり、それを心の支えにしてモデルとして努力を重ねてきたという経緯がある。ちなみにこの差出人は圭であり、「△」が「三角」、「K」が「圭」を意味している。
大宮 菫 (おおみや すみれ)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の社長付秘書を務める若い女性。黒髪をワンレンショートにしたクールな美女。社長の虎井杏のお気に入りで、就業中であっても、何かにつけて杏に性的にかわいがられている。大宮菫自身も杏のことを非常に慕っており、杏にぶしつけな態度を取る相手には暴力的になる。のちに杏が圭に惹かれていくにつれて自分がないがしろにされたと感じ、圭に憎しみを募らせて、トライアングル・アニー自体をも窮地に陥らせる暴挙に出る。
綾城 彩 (あやしろ あや)
2年ぶりの新曲発表を間近に控えた女性アイドルで、金髪のロングヘアをツインテールにしている。かつてアイドルグループ「NTB56(ニチブンゴラク)」のメンバーだったが、現在は作詞家との不倫スキャンダルで落ち目になっている。そんな中、新曲発表ライブの際に身につける下着を作ってほしいと、単身下着メーカー「トライアングル・アニー」を訪れた。自主規制が厳しくなっていく今、あえて大胆にパンチラすることで攻めていきたいという野望を持ち、その内容から三角圭がこの案件を担当することとなった。なお、作詞家との関係は不倫とされているが、実際は体の関係はなくキスを3回しただけというものだった。今回発表の新曲は、その作詞家が別れた翌日に送ってよこしたもので、「3度目のキスはおあずけ。」というタイトルとなっている。
姉屋 香奈絵 (あねや かなえ)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の製作部で、下着パタンナーとして働く女性。年齢は34歳。黒髪ロングヘアを首の後ろで一つにまとめた、清楚な雰囲気の美人。既婚者で結婚して5年になるが、ここ1年ほどはセックスレスであることに悩んでいる。三角圭に相談を持ち掛け、彼に教わった方法で夫の嫉妬心をあおって誘うことに成功。以来、セックスレスを解消し、のちに圭と共同開発した新作下着がブームになる頃、産休を取ることになる。
園部 唯 (そのべ ゆい)
園部真梨の妹で、年齢は18歳。黒髪を二本のおさげにして、眼鏡を掛けている。静岡の実家で暮らしているが、可愛塾の東京本校で行われる夏期集中講習に参加するため、上京してきた。その際、事前連絡もなくいきなり真梨の家に押し掛け、姉と三角圭が同居している事実を知ることとなった。真梨が働く下着メーカー「トライアングル・アニー」に見学に訪れた際、社長である虎井杏の勧めでティーン向けのモデル体験をすることになるが、その際に受験生にしてはお尻や肘に黒ずみがないこと、撮影慣れしていること、腕や顔はもちろんV・I・Oラインに至るまでムダ毛処理が完璧なことが発覚し、圭やスタイリストの上桂物集女に、AV女優でもやっているのではないかと不信感を抱かれることとなった。警察仕込みの圭の捜査の結果、夏期講習代の15万円をコスプレ衣装に費やしてしまい、現在はコスプレDVDを売ってそのお金を補填しようとしていることが判明する。この行動は褒められたものではなかったものの筋は通す性質で、お金を貸そうという圭の提案を断り、なんとしてでも自分の手でこの不始末を解決する方法を探る。この一件で圭に好感を抱き、姉の真梨と圭との交際を応援するようになる。ちなみに、コスプレを楽しんではいるものの、直接男性の目にさらされることには苦手意識を抱いている。
上桂 物集女 (かみかつら もずめ)
下着メーカー「トライアングル・アニー」の専属スタイリストを務める女性で、年齢は26歳。淡い色のショートボブヘアで、左右の前髪を髪留めで留めている。外見的には少々幼い印象があるが、園部唯がAV女優をやっているのではないかと疑われた際も、まずは裏を取るように圭を諭すなど冷静な性格をしている。また、乗っていたバスがハイジャックされた際には、犯人の目を盗んで園部真梨と協力し、追ってくる三角圭のために道しるべを残そうと画策したりと、肝が据わったところもある。
場所
トライアングル・アニー
三角圭が勤務する下着メーカーで、虎井杏が社長を務めている。欧文表記は「TRIANGLE ANNIE」。社員は女性のみというのが売りで、唯一の例外として園部真梨がスカウトした圭が在籍するが、杏は彼のことをペットとして扱っているため、男性として数には入っていない。かつては、「その下着をつけると男たちはみんな、仔犬のようにしっぽを振る」と評されて栄華を誇ったが、現在は不景気のあおりを受け、業績不振で赤字続きの状態となっている。だが、下着に対する知識と情熱を真梨に見込まれた圭が入社して以来、彼の発案による、服を着て肌を見せないながら、脱いでいる途中の下着の様子を見せるという扇情的なディスプレイや、オール日本人、しかも現役女子社員をモデルに起用した下着カタログなど、斬新な手法で話題を集め、下着業界に旋風を巻き起こしていく。
- SHARE
-
-
- EC
-
