アフメット王国物語

アフメット王国物語

4つすべてを集めると大いなる再生の力が使えるという、水晶柱が存在する世界を舞台にしたファンタジー。そのうちの1つがあるアフメット王国の王女、チュリアピンが、4つの水晶柱を集めるための冒険の旅が描かれる。

正式名称
アフメット王国物語
ふりがな
あふめっとおうこくものがたり
作者
ジャンル
魔法使い・魔法少女
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概要・あらすじ

アフメット王国の姫であるチュリアピンは、父王のユーフス・マガダプタから、魔術師との結婚を言い渡される。アフメット王国には、10年に一度目を覚まして火山を噴火させる魔火竜が住んでおり、その目覚めの時が近づいていた。魔火竜を再び眠らせるには、王族に属する最高位の魔術師が必要で、そのために優れた魔術師をチュリアピンと結婚させて王族に迎える必要があった。

だが、結婚相手の魔術師に幻滅したチュリアピンは城を抜け出し、タルファヤガルダイアが演奏する魔術楽団のコンサートへと出かける。コンサートの後に楽屋に忍び込んだチュリアピンは、そこで魔火竜の水晶柱を奪うというタルファヤたちの計画を盗み聞きする。しかし、その直後に見つかって囚われ、タルファヤ、ガルダイアと共に魔火竜が住む火山へ行くことになってしまうのだった。

登場人物・キャラクター

チュリアピン

アフメット王国の第一王女。活発で好奇心旺盛な15歳。狐の特徴である大きな耳と尻尾を持つ。父王のユーフス・マガダプタが決めた結婚相手と会う日に城を抜け出し、魔術楽団のコンサートに出かけた。これをきっかけに、タルファヤとガルダイアの水晶柱探しの旅に同行する。魔法は半人前、戦いも苦手だが、仲間のピンチには危険を顧みず行動する勇気ある女性。 旅のなかでガルダイアの優しさに心惹かれ、恋心を抱く。

ガルダイア

タルファヤの弟。兄と共に魔術楽団で演奏しながら各地を旅している。興行でアフメット王国を訪れるが、その本当の目的は、魔火竜が守る水晶柱を手に入れることであった。優しく正直な性格で、計画を盗み聞きしたチュリアピンが倉庫に閉じ込められるのを見かねて、一緒に連れて行こうとタルファヤに提案する。戦いに慣れており、剣術は一撃で竜の首を切り落とすほどの腕前。 旅のなかでチュリアピンの明るさに心惹かれていく。

タルファヤ

ガルダイアの兄。弟と共に魔術楽団で演奏しながら各地を旅している。興行でアフメット王国を訪れるが、その本当の目的は、魔火竜が守る水晶柱を手に入れることであった。端正な顔立ちの美青年で、魔術楽団では多くの女性ファンを魅了している。目的第一の合理主義者で、その性格から冷たく厳しい言動が多いが、心根は優しい。剣技と魔法の両方に優れ、ズネゴヴァ皇国の王女であるゴーシャの挑戦もあっさり退ける。

ゴーシャ

ズネゴヴァ皇国の第七王女。国王の命を受け、黒の竜騎兵を率いて各地の水晶柱を奪っている。魔火竜の山でチュリアピンたちと遭遇し、戦いを仕掛けてくるが、ガルダイアやおむこ様の反撃に遭い敗走。その失敗がもとで国を追われてしまい、復讐のためにチュリアピン一行をつけ狙う。

おむこ様 (おむこさま)

「正一位(しょういちい)」の称号を持つ高位の魔術師。アフメット国王のユーフス・マガダプタが、チュリアピンと結婚させるために選んだ。城を飛び出したチュリアピンを追って火魔竜の山に向かい、合流後は水晶柱を探す旅に同行する。黒の竜騎兵の襲撃に対しては、山を巨人に変えて退けるほどの力を見せる。チュリアピンを心配してお供をしているが、結婚相手としては好みではないらしく、「結婚するならもっとやさしいおしとやかな人がいい」と、チュリアピン本人の前で言い放っている。

ドバック

タルファヤやガルダイアの従者。戦いから食料調達まで、幅広くチュリアピンたちの旅をサポートする。おむこ様と気が合うようで、一緒に行動することが多い。

カヤパ

世界で一番の魔術師。土竜魔が住む洞窟で、何万年ものあいだ水晶柱を見守っている。世界一という慢心が災いして大神アスラの呪いを受け、死ぬことも許されず洞窟に閉じ込められている。長い年月のなかでその姿は醜く変わり果ててしまった。水晶柱に呪いをかけ、呪いを解いて欲しければ女性を1人残していけ、とチュリアピンたちに要求する。

ダナエ

影の国の魔術師。美しい女性をさらっては魂を抜き、人形に変えて屋敷にコレクションしている。甘い眠りの呪いで一行を足止めし、チュリアピンを屋敷にさらっていく。光が弱点で、昼間は思うように力を発揮できない。

デューシャ

ズネゴヴァ皇国の第九皇子。幼い少年で、チュリアピンの耳とシッポに興味を持って話しかけてくる。ズネゴヴァの城に忍び込んだチュリアピンの仲間たちが戻らないと聞き、拷問される前に助け出そうと、救出の手引きをする。

エリーシャ

ズネゴヴァ皇国の第六皇女。ゴーシャの双子の姉。視力を失っており、城内の塔に幽閉されている。タルファヤたちを助けるために塔から潜入したダナエによって、外の世界に連れ出される。

ヴァーシャ

ズネゴヴァ皇国の王子。拷問が趣味で、弟のデューシャからも恐れられている。城内に潜入したタルファヤとガルダイアを捕らえ、水晶柱の在り処をしゃべらせるため苛烈な拷問を行う。

兵兵 (へーへー)

ズネゴヴァ城の近くにある沼に住む精霊。黒くヌメヌメした身体に目と口だけが付いた姿で、間延びした口調で話す。ズネゴヴァ城から戻らない仲間を救出したいというチュリアピンの話を聞き、城まで運んでくれる。

魔火竜 (さらまんどうーら)

アフメット王国の火山に住む巨大な竜。上半身は美しい女性で、下半身は竜という姿。10年に一度目を覚まして、火山を噴火させる。魔火竜を再び眠らせることができるのは、王族に属する最高位の魔術師のみなので、魔火竜を眠らせて噴火を防ぐことは王族の務めになっている。また、魔火竜は右足に水晶柱をつかんでおり、目覚めて伸びをした時だけ水晶柱を手放す習性がある。

水魔竜 (うんでぃねごら)

世界の東にある島国・クストー王国の近海に住む竜。10年に一度目覚めて、海を荒れさせる。10年前までは、大魔術師であるクストー国王の力で眠りについていた。だが、ズネゴヴァ皇国の手によって国王が殺され、水晶柱が奪われた後は、目覚めたままで暴れまわっている。その力によって、クストー王国は海に沈んでしまった。

土竜魔 (こほるついの)

南の大国・ゴヤ王国にある土竜魔の洞窟に住む竜。幼い竜の姿で水晶柱に閉じこもり、眠りについている。大神アスラの呪いによって永遠を生きる魔術師・カヤパによって守られている。

風魔竜 (しるふえーじえ)

北の大国・ズネゴヴァの最北端にある銀鈴山に住む竜。魔法の眠りに落ちた者だけが夢の中でたどり着ける、という風の宮殿の中で水晶柱を守っている。

大神アスラ (たいしんあすら)

太古の闇の中に宇宙を創造し、世界を作ったとされる神。地上に人間、狐、竜、鳥の4種族を住まわせ、その子孫たちの繁栄を見守っていた。しばらくして、空の裂け目から異世界が侵入しようとした時、4匹の優れた竜に力を与えて東西南北の空を繕い、見張りをさせる。だが、自身は中央の空にできた裂け目に飲み込まれ、姿を消してしまった。

その他キーワード

水晶柱 (すいしょうちゅう)

大神アスラが空の裂け目に飲み込まれた時、4匹の竜が空の裂け目を塞ぐために使った水晶。現在は魔火竜、水魔竜、土竜魔、風魔竜がそれぞれひとつずつ守っている。4つすべて集めると、一度だけ大いなる再生の力を使えると言われている。

(きつね)

大神アスラが、人間のパートナーとして世界に住まわせたといわれる種族。基本的には人間と同じだが、大きな耳と尻尾があるのが特徴。チュリアピンも狐の種族であり、そのフサフサの耳と尻尾がデューシャと話すきっかけになった。

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