シュマリ

シュマリ

駆け落ちした妻を追って北海道へ渡った男、通称シュマリ。アイヌを敬愛し北の大地になじんだ彼は、北海道にエゾ共和国を打ち立てようと野望を抱く太財一族と敵対するようになる。彼らとの確執の中、幾多の危難を底知れぬバイタリティで踏み越えていくシュマリ。歴史の流れに飲み込まれそうになりながらも懸命に生きる人々の姿が描かれる。

概要

を奪って北海道へ逃げた大月祥馬を追って北海道の大地を放浪するシュマリ大月祥馬を見つけるも、大月祥馬は洪水で命を落とし、一人で生きる決心をしたを残してシュマリは去る。目的を失ったシュマリは、北海道にエゾ共和国を打ち立てようと野望を抱く太財一族から土地を買い、牧場を作る。

やがて、太財一族の娘、太財峯とともに暮らすようになるが、シュマリの心がまだにある事に嫉妬した峯は、指名手配中であったシュマリのことを密告。彼は札幌集治監へ投獄される。そこで知り合った人斬り十兵衛(実は土方歳三)とともに太財一族が興した太財炭坑へ送られる。

地震で炭坑が壊滅し、シュマリと和解した太財弥七は、彼と人斬り十兵衛を、ともに死んだものとして放免する。峯たちが待つ自分の牧場へ帰るシュマリだが、そこへ盗賊団に追われたアイヌの部族がやってくる。盗賊団との死闘の後、太財弥七に家族を託して山にこもるシュマリ

世捨て人となった彼は、やがて、への思いをよみがえらせ、山を降りて再び牧場を開くが、明治維新から日清戦争へと向かう北海道では、なだれを打って渡ってきた和人たちが、アイヌを追いやり、野生の地を開拓の波で塗り替えようとしていた。

登場人物・キャラクター

主人公

アイヌ語で「キツネ」の意。「右腕は殺しのための手」と、普段はひもで縛って使わないようにしている。妻妙を奪って北海道へ逃げた大月祥馬を追って北海道の大地を放浪する。妙と大月祥馬を見つけるも、大月祥馬は洪... 関連ページ:シュマリ

シュマリの元妻。旗本でありながら、官軍に味方したシュマリを捨て、大月祥馬とともに北海道へ逃げる。シュマリに見つかるが、大月祥馬は、その夜、襲ってきた洪水から畑を守ろうとして死に、妙は一人、切り開いた土地にとどまる決意をする。

大月 祥馬

シュマリの妻妙と北海道へ逃げた。シュマリに見つかるが、果たし合いを目前に、襲ってきた洪水から自分の畑を守ろうとして死ぬ。

太財一族の次男。頭が切れ、父の死後、実質的に一族の事業を仕切る。一族は炭坑事業で「エゾ共和国」を作ろうという野望を持っていたが、地震により炭坑は壊滅する。妹の太財峯を、元妻の代用品にしたのかとシュマリ... 関連ページ:太財 弥七

太財一族の末娘。自分に色目を使ったというだけで情け容赦なく人を殺す残忍さをもつ女だったが、一族の危機を救うため、自らをシュマリに身売りし、一冬をともに過ごすうちシュマリを夫として、また、シュマリの拾い... 関連ページ:太財 峯

太財 弥十

太財一族の長男。残忍で直情的な殺人者。たびたびシュマリを殺そうとする。炭坑でシュマリを襲うが、地震で坑内に閉じ込められ、シュマリに助けられる。しかし、その直後、自分が殺した女の情夫である炭坑の頭領に刺されて死ぬ。

酒造りのアイヌ人女性の子ども。太財弥七の父に母を殺され、シュマリに拾われ、酒を母の乳の代わりに育つ。ポン・ションはアイヌ語で「ちいさなウンコ」の意。叔父である太財弥七が後見人になり、農学校に入学。その... 関連ページ:ポン・ション

華本 要

男爵。公卿、華本実篤の次男。アメリカで学び、帰国後、北海道で郡書記官となる。シュマリの元妻妙を妻にする。渡米時のコンプレックスに心を蝕まれ、政争に疲れ、妙が太財弥七に支援を求めて、その代償に自らを捧げたことを許せず、妙を射殺してしまう。

みだれ髪

『シュマリ』に登場する馬。白毛の南部馬で見た目は素晴らしく美しいが、疫病神と恐れられ近づくものがない。シュマリは、危険を承知で自分の馬にする。実は、眠り病にかかっており、乗った人間も、そばにいる馬も眠りこけて死んでしまう馬であった。

関口 金吾

開拓督務補佐役島義勇の部下。佐賀藩一のピストルの使い手。手塚治虫のレギュラーキャラクター、ランプと同じビジュアル。用済みの人間は情け容赦なく始末する。シュマリとともに五稜郭の軍用金を探索に赴き、軍用金を発見するもシュマリに斬られ死ぬ。

吉兵衛

本郷団子坂の大工を名乗ってシュマリに近づくが、実は、五稜郭の軍用金の場所を記した入れ墨の男を捜している、元目明かしの刑事。シュマリを目的の男と決めつけ、捕らえて札幌へ向かう途中、イナゴの大群に教われ命を落とす。

太財一族

もと会津藩士の一族。北海道で産する良質の石炭で事業を興し、エゾ共和国を建設するという野望を抱く。だが、その性質は残忍、野蛮であり、詐欺、人殺しも意に介さない。炭坑を開くも、資金繰りに難航し、地震に教われ、後には政争に巻き込まれて炭坑夫たちの暴動が起きる。

集団・組織

アイヌ

『シュマリ』に登場する北海道の先住民族。シュマリは常に彼らを敬愛し、本土から来る和人たちよりも彼らに親近感を抱く。自分は彼らの土地を間借りしているだけであるとして、彼らの物を奪ったり、追いやったりすることをよしとしない。また、アイヌの人々も、和人であるにもかかわらずシュマリを信頼している。

その他キーワード

五稜郭の軍用金

榎本武揚(えのもとたけあき)が、五稜郭陥落直前に隠した幕府の軍用金。ありかの地図は部下の体に入れ墨で記されている。死刑を待つシュマリに、開拓督務補佐役、島義勇は、命と引き換えにその金をみつけろと持ちか... 関連ページ:五稜郭の軍用金

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