テセウスの船

28年前に起きた無差別大量殺人事件。その容疑者の息子が、事件前にタイプスリップし、これから起こる事件を巡り、未来や運命を変えていこうとするクライムサスペンス。「週刊モーニング」2017年30号から連載中の作品。

正式名称
テセウスの船
作者
ジャンル
サスペンス
レーベル
モーニング KC(講談社)
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概要・あらすじ

1989年、北海道音臼村で、児童職員あわせて21名も死亡した音臼小無差別大量殺人事件田村心の父親、佐野文吾が容疑者として逮捕され、最高裁では死刑判決が出ていた。殺人犯の加害者家族として、日陰の身となり、世間にバレないよう生きてきた心。そんな彼の長年の苦労を理解していた妻の田村由紀は、出産後、命を落としてしまう。心との結婚に反対していた義父に、生まれた赤ちゃんを引き取られそうになる。しかし、自分の吹くハーモニカの音で笑う赤ちゃんを見て、心は父親として、由紀の分まで子供を守る決心をする。由紀は音臼小無差別大量殺人事件について調べており、彼女の残したノートには、「佐野文吾には冤罪の可能性がある」と記されていた。冤罪が証明できれば、自分の子供を守ることができると考えた心は、ずっと無実を訴えている父親の佐野文吾に会って話を聞くことにする。北海道に着いた心は、事件のあった音臼小に向かう。音臼小慰霊碑の前で霧に包まれて意識を失った心は、1989年1月7日にタイムスリップしていた。

雪の中、帰る方向もわからず、民家を尋ねるが応答がない。表札を見ると「佐野」と書いてあり、そこは心が生まれる前の佐野家だった。心はそこで庭の雪に埋まった少女を発見し、助け出す。その少女は11歳の佐野鈴で、自分の姉であることがわかる。鈴が搬送された病院で、心は事件前の自分の父親、佐野文吾に対面し、礼を言われて戸惑う。すぐにその場を立ち去ろうとした心は、病院の外で幼女と出会う。彼女は三島医院の次女、三島千夏だった。由紀の残したノートによると、その子は1989年1月7日の夜、自宅倉庫の除草剤パラコートを誤飲して死んでしまう5歳の女の子。心は倉庫に除草剤パラコートがなければ、この子は死なずに済むと思い、倉庫からパラコートを持ち出す。このまま、過去を変えていけば、音臼小無差別大量殺人事件を止められるのではと考える心。しかし、佐野文吾と千夏が一緒に歩いている姿を見つけ、その後、千夏は意識不明で発見され、死亡してしまう。

登場人物・キャラクター

田村 心 (タムラ シン)

音臼小無差別大量殺人事件の加害者家族として、長年苦しめられてきた青年。教員資格を持っている。先生になるのが夢だったが、殺人犯の息子では無理だと諦めている。ハーモニカが得意で、妊娠中の妻、田村由紀にもよく聞かせていた。顔は母親似。1989(平成1)年7月10日生まれ。目黒区在住。事件の真相を探るため、訪れた北海道音臼村で、生まれた年にタイムスリップしてしまう。

佐野 文吾 (サノ ブンゴ)

田村心の父親。音臼村の元警察官。21人も死亡した音臼小無差別大量殺人事件の容疑者。最高裁で死刑判決が確定した死刑囚だが、本人は容疑を否認している。眉が太く、髪には天然パーマがかかっている。心が生まれる前に逮捕されたので、心とは会ったことがなく、自分がつけた「正義」という名前で、弁護士を通して心にプレゼントを贈ったことがある。 心がタイムスリップした1989年では、音臼村の駐在所勤務の警察官で、気さくで明るい楽天家だった。元からの悪人はおらず、悪人でも救いたいと思っていた。

田村 由紀 (タムラ ユキ)

田村心の妻。心の父親の事件では、心に責任はないと言う、聡明で優しい女性。前髪を斜めに分けたショートボブで、眉毛やまつ毛がはっきりしている。心の父親が犯人とされる音臼小無差別大量殺人事件について調べており、記事を時系列にまとめ、スクラップしていた。事件の少し前から音臼村で不可解な事故が相次いでおり、心の父親は冤罪なのではと考えていた。 出産の時、子供は生まれたものの、自分は命を落としてしまう。

田村 和子 (タムラ カズコ)

田村心の母親。加害者の家族として、被害者に申し訳ない、泣いても笑ってもいけないと子供たちを教育し、女手ひとつで3人の子を育てた。加害者家族であることがバレると、追われるように住む場所を転々とし、いつも肩身の狭い思いをしていた。鬱になって精神を病んだこともある。心がタイムスリップした1989年では、警官の夫に意見する、強い妻、母として、明るくハツラツとしていた。 当時の髪型は、毛先にパーマをかけたロングヘアを後ろで縛り、おでこを全開にしていた。

佐野 鈴

田村心の12歳上の姉。心がタイムスリップした1989年の時は11歳。あごまでの長さの黒髪ストレート。前髪が長いので後ろに縛ったり、カシューシャをしておでこを出している。眉毛は父親似だが、目は母親似。1989年1月7日、雪かきをしていて屋根から転落。タイムスリップしてきた心に助けられ、本来、凍傷で残るはずのあざが残らなかった。 10歳の時、鼻の下にあった大きなホクロをとっている。

佐野 慎吾 (シンゴ)

田村心の6歳上の兄。眉毛が太く天然パーマで父親似。犯罪者、佐野文吾の息子だとわかると会社を辞めさせられ、職を転々としている。心とも10年ほど会っておらず、音信不通。心がタイムスリップした1989年の時は5歳。短髪でおでこを出したスポーツ刈り。佐野家のムードメーカーで、男はロマンと言って、ツチノコを探すお調子者。

三島 千夏 (ミシマ チナツ)

音臼村の三島医院の次女。黒髪でツインテールの5歳の女の子。1989年1月7日の夜、自宅倉庫の除草剤パラコートを誤飲して死亡してしまう幼女。1989年1月7日にタイムスリップした田村心が、自宅倉庫にいた千夏と出会い、死亡の原因となる除草剤パラコートを倉庫から持ち出す。しかしその後、千夏はパラコート中毒で死亡してしまう。

長谷川 翼 (ハセガワ ツバサ)

音臼村の新聞配達員。短髪を逆立たせた青年。1989年1月7日にタイムスリップした田村心が、三島千夏と一緒にいて、三島医院の自宅倉庫から何かを盗んだところを目撃した人物。田村由紀が残した記事のスクラップによると、雪に埋もれた心の姉、佐野鈴を助けるのは、本来なら新聞配達員の彼の役目だった。

場所

音臼村

北海道の、冬は雪深い場所にある村。児童職員あわせて21名も死亡した音臼小無差別大量殺人事件が起きた。現在は廃墟となって誰も住んでおらず、数か月後にはダム建設により水底に沈む予定。音臼小学校は事件後に取り壊され、慰霊碑が立っている。事件前は1200人ほどの人口がおり、田村心が生まれる前の佐野一家が住んでいた。

その他キーワード

音臼小無差別大量殺人事件

1989年、北海道音臼小学校で起こった大量殺人事件。音臼小学校のお泊り会で39人が腹痛、嘔吐を訴えて病院に搬送される。児童15名、職員6名の計21名が死亡した。原因は、夕食時に出されたオレンジジュースの中に青酸カリが混入していたこと。その後の捜査で佐野文吾の自宅から青酸カリが発見され、それが逮捕の決め手となった。 最高裁で死刑判決が確定している今でも、佐野文吾は一貫して容疑を否認している。

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