ミスミソウ

ミスミソウ

過疎化が進んだ日本の田舎が舞台。中学校でエスカレートしたいじめの果てに家族を焼き殺された少女が、復讐に駆り立てられつつも、心が破壊されてゆくサイコホラー漫画。寂しい土地で屈折した感情を抱えていた人々が、転校生である主人公への執着をきっかけに狂い始め、釘、包丁、ボウガン、ナイフ、鋏などを用いた血なまぐさい殺傷事件を起こす。タイトルのミスミソウとは、雪の下から咲く小さな花を登場人物に喩えたもの。ギャグの要素は一切排除されており、作者の従来作品とは異なるテイストに仕上がっている。

正式名称
ミスミソウ
作者
ジャンル
ホラー
レーベル
アクション・コミックス(双葉社)
巻数
全2巻完結
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概要・あらすじ

大津馬村という、少子化と過疎化の進んだ村が舞台。冬の季節、廃校を目前とした大津馬中学校では、わずか10数人の3年生が2ヶ月後の卒業を待っていた。半年前に転校してきた野咲春花は、よそ者として3年1組のクラスでいじめの標的にされていたが、それは野咲家への放火に至るまでエスカレートする。家族でただ一人無事だった春花はさらにクラスで孤立していく中、放火した者たちに復讐していくことになる。

復讐を恐れた加害者たちも春花への反撃を考えるようになり、血なまぐさい殺し合いが雪の積もる村の中で行われていく。そして春花の転校以前から、大津馬中学校の人々が歪んだ狂気を抱えていたさまも描かれ、誰しもが憎悪と恐怖の連鎖に巻き込まれてゆく。

登場人物・キャラクター

野咲 春花 (のざき はるか)

両親と妹のいる四人家族の長女で、中学3年生。物語開始時の半年前、父親の転勤で東京から大津馬村へ引っ越してきた。ストレートの黒髪で華奢な体つき。口数は乏しく、物静かな美少女。クラスメイトの池川努は彼女のことを「この環境には毒だ」と思うほど美しい存在だと評している。学校では感情を押し殺しているが、家族想いな優しい性格で、特に妹を大事にしている。 相場晄からは、厳しい冬を耐え抜いて咲くミスミソウ(三角草)のようだと言われ、その花言葉である「はにかみや」にかけて「はにかむとかわいい」と告げられていた。キャロル・キングの音楽CDを持っている。

相場 晄 (あいば みつる)

旧姓は村瀬(むらせ)。大津馬中学校3年の男子生徒で、春花より先に転校してきている。両親の離婚によって仙台から大津馬村に移り住み、母方の祖母と同居している。母親の名は紀子(のりこ)。特定の友達を持たないがクラスでの発言力があり、いじめで孤立していた春花を唯一支えていた生徒。 両親を失った後も春花を守ろうとする。カメラが趣味で、写真の現像も自分で行える技術がある。小黒妙子からは「変態」と呼ばれ、歪んだ性癖と衝動を隠し持っている。

小黒 妙子 (おぐろ たえこ)

大津馬中学校3年の女子生徒。3年女子のボス的存在で、野咲春花に対するいじめの首謀者。ただし、よそ者を排斥したい他の生徒とは動機が異なり、特別な想いを春花に抱いている。また、春花の転校以前は佐山流美をいじめの標的にしていた。将来の夢は美容師で、東京の専門学校への進学を希望していたが、支配的な父親に許してもらえず、学校で投げやりな態度を取る原因になっている。 髪は明るく染めており、髪型はストレート。

佐山 流美 (さやま るみ)

大津馬中学校3年の女子生徒。野咲春花をいじめる女子グループの一人だが、春花が標的とされていた以前のいじめ被害者。標的に戻されたくない一心から、春花を激しく憎み、野咲家への放火を首謀する。黒髪の長髪だが、後に小黒妙子に髪を短く散髪される。ふだんは「小黒さん」と話しかける小黒妙子を「タエちゃん」と呼ぶことがあり、彼女には恐れと共に憧れの感情も抱いている。

野咲 祥子 (のざき しょうこ)

春花によく懐いている妹で、小学生。春花から「しょーちゃん」と呼ばれ可愛がられている。人見知りな性格であり、東京にいた頃は学校でいじめを受けていた。野咲家の火事現場から救出されるが、全身火傷を負って大津馬市民病院に入院。生死の境を彷徨う。火事の数日前、図工の時間に作った三つ葉入りの首飾りを春花に贈っている。 髪型は黒髪のショートカット。

久賀 秀利 (くが ひでとし)

大津馬中学校3年の男子生徒。野咲家の放火で最初に火を付けた張本人。春花の教室机を傷付けるなど、積極的に嫌がらせをしていたクラスメイト。授業態度は悪く、校則で禁止されたピアスをしている。小黒妙子に片想いしており、茶髪に染めているのは彼女の影響である。春花が転校してくるまでは、クラスメイトは普通に慣れ合って過ごしていたと認識しており、春花の存在によってそのバランスが壊されたと考えている。

池川 努 (いけがわ つとむ)

大津馬中学校3年の男子生徒で、野咲家放火の当事者の一人。比較的大柄で、眼鏡をかけている。春花の転校初日から彼女の容姿に見とれるが、自分などは相手にされないと察してからは好意の反動で憎んでいる。何もない田舎の町に退屈し、欲求不満を持て余した結果、モデルガンを改造したりサバイバルナイフを所有したりなどの趣味を持つ。 ただし、練習していないので射撃技術はない。ボウガンを所持する真宮裕明とは悪友の間柄。真宮を「真宮くん」と呼ぶなど、芝居がかった口調が特徴。

真宮 裕明 (まみや ひろあき)

大津馬中学校3年の男子生徒で、野咲家放火の当事者の一人。池川努とよく行動を共にしており、ボウガンで猫や鳥を打ち殺すなどの残酷な遊びをしている。野咲家夫婦を殺害したことに罪悪感を全く覚えず、春花による復讐を警戒してからは冷静に返り討ちを用意するなど、暴力を楽しむ嗜虐的な性格をしている。 髪の色は明るい。

橘 吉絵 (たちばな よしえ)

大津馬中学校3年の女子生徒。春花に対するいじめの加害者であり、小黒妙子の手下。野咲家放火の当事者であり、自分達が放火した事実を春花に直接伝える。小黒妙子の手下の中でも特に性格が残忍。暗い目の色をした少女で、家庭では父親に怒鳴られる生活をしており、酒びたりで娘を省みない母も含めて両親を嫌っている。 黒髪で、ふたつに分けたおさげが特徴。

加藤 理佐子 (かとう りさこ)

大津馬中学校3年の女子生徒。春花に対するいじめの加害者であり、小黒妙子の手下。三島ゆりとセットで行動していることが多い。佐山流美に巻き込まれて野咲家放火の当事者となるが、警察に捕まることを恐れて後悔することになる。小黒妙子の手下の中では臆病な性格で、両親への依存心が強い。 黒髪で、髪型はヘアピンで留めたワンレングスの長髪。

三島 ゆり (みしま ゆり)

大津馬中学校3年の女子生徒。春花に対するいじめの加害者であり、小黒妙子の手下。加藤理佐子とセットで行動していることが多い。佐山流美に巻き込まれて野咲家放火の当事者となるが、警察に捕まることを恐れて後悔することになる。黒髪で、髪型はショートカット。

南 京子 (みなみ きょうこ)

大津馬中学校を卒業している若い女性で、現在は春花たちのクラス(3年1組)の担任教師。臆病かつ無責任な性格で、春花へのいじめを見て見ぬふりしている。中学時代にいじめを受けていたトラウマがあり、精神的に追い詰められることに弱い。他者から悪意を向けられるとストレスで嘔吐するほど。生徒からは年長者扱いされておらず、「キョンちゃん」は小黒妙子からの呼び名であり、京子からは「タエちゃん」と呼び返すなど、クラスのボス的存在である妙子の「友達」という建前で自分を安心させている。 髪の色は明るく、後ろでまとめている。

野咲 満雄 (のざき みちお)

眼鏡をかけた白髪の男性。野咲春花の祖父で、孫想いの温厚な性格。元々は東京に住んでいたが、野咲家の火事で息子夫婦を失ってからは春花と祥子の保護者となり、大津馬村の共同住宅で春花と暮らすようになる。なお春花の父親の名前は和生(かずお)、母親の名前は不明。

場所

大津馬村 (おおつまむら)

主人公の通う、大津馬中学校がある村。過疎化と少子化が進み、カラオケやゲームセンターなどの遊戯施設も皆無な村だが、自然は多く景色はよい。地名は「村」であるものの、住民は「この町」と呼んでいることが多い。春花と満雄の住宅からバスで向かった先に大津馬市民病院があり、この村名とは別に大津馬市の地名が存在している。 なお、大津馬中学校の制服は男子が学ラン、女子が紺色のセーラー服である。

書誌情報

ミスミソウ 全2巻 双葉社〈アクション・コミックス〉 完結

第1巻

(2013年3月発行、 978-4575842074)

第2巻

(2013年3月発行、 978-4575842081)

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