ラブZ

女子中学生・小楯薫子と、彼女への強い思いを持ったまま命を落としたクラスメイト・早見公平の、死を越えた純愛を描く。1982年から1984年まで連載。1984年にはレコード『イメージアルバム ラブZ』も発売された。

正式名称
ラブZ
ふりがな
らぶぜっと
漫画
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概要・あらすじ

竜泉大付属中学校三年生の少年・早見公平は、クラスメイトの小楯薫子(ル子)に片思いをしていた。夏休みが明けた新学期初日、彼は自転車でル子を追い抜きざま、遂に告白をする。しかしその直後、曲がり角から現れたトラックと衝突事故を起こし、あっけなく命を落としてしまう。ル子への強烈な思いを残したまま公平は、死んだ人間の魂が漂う海にたどり着く。

そこは霊界と人間界を隔てる途中の海という場所で、そこで魂は、7日間だけ滞在を許されていた。さらにその期間内に思いを寄せる人物にキスをしてもらえれば、無期限で幽霊として人間界に留まれるという。それを知り公平は、ル子に気付いてもらえるよう必死に努力するが、それは愛する人のそばには居られるが、決して報われることのない初めから終わっている愛、ラブZになることを意味していた。

登場人物・キャラクター

早見 公平 (はやみ こうへい)

竜泉大付属中学校三年生の少年。クラスメイトの小楯薫子(ル子)に小学校の頃から片思いをしていたが、告白した直後、事故で命を落としてしまう。ル子への強烈な思いを残したまま途中の海へたどり着いた彼は、霊界行きの船には乗らず、幽霊となって現世のル子のもとへ舞い戻る。途中の海の滞在期限である7日間を使い、必死の思いでル子に自分の思いを伝え、遂に死者と生者の間ではあるが、相思相愛の関係となる。 しかしそれにより、彼は生への思いをますます強めてしまう。遂には転生することを決意するが、それは今までの記憶を全て失くすことを意味していた。また、彼の行いは霊界の法則を乱す恐れのあるもので、それを危惧する牛頭大王と馬頭大王に追われる身となってしまう。

小楯 薫子 (こだて かおるこ)

早見公平のクラスメイトの少女。公平に対しては特別な感情を持っていなかったが、彼の突然の告白と死によって、意識するようになる。その後、ル子への思いを綴った公平の日記を入手した彼女は、優しい人柄と一途さを知り、公平のことを好きになる。再会を誓いあい、公平は別の人間に転生していったが、記憶を失くした彼を見つけるために、今度は彼女が行動する番だった。 そのために彼女がとった方法は、自分が歌手になり、彼への思いを歌詞にした歌を広く世間に広めるというものだった。彼女は「愛Z」という曲を完成させ、TVのオーディション番組に出場。しかしその裏では霊界の陰謀が進行していた。

和田 雄平 (わだ ゆうへい)

白鷗中学三年生の少年。早見公平が転生した人物で、公平が小楯薫子(ル子)への目印になるように刺青した「愛Z」の文字が右腕にアザとして現れている。しかし雄平は公平としての記憶が無いばかりか、彼とは似ても似つかない太った姿をしていた。黒猫のロンの協力もあってル子との再会を果たすものの、公平とのあまりの違いに二人の間にはギクシャクした空気が流れる。 また、雄平に対するクラスメイト達のからかいがル子にまで及び、それにショックを受けた雄平は、山籠りをし、痩せるまで戻らないことを決意する。

黒猫のロン (くろねこのろん)

早見公平が途中の海で出会った男性の魂。トレンチコートを着た殺し屋。帽子、サングラス、マスクを着けており、その下にはさいうとうたかをの『ゴルゴ13』の主人公そっくりの顔を隠している。友情も、愛情も知らないまま命を落とした彼だったが、死後の世界ではじめて公平という親友を得る。その事に感激した彼は、獣や虫けらに生まれ変わっても、何度命を落としても、公平と小楯薫子の思いを成就させるため、全力を尽くすのだった。

弥生 (やよい)

早見公平が途中の海で出会った若い女性の霊。心中した夫の魂が来るのを待っている。死んで間もない公平に霊界の法則の基本的な部分を教えるナビゲーター的存在。途中の海に滞在できるリミットぎりぎりで彼女の夫は人間界で息を吹き返してしまい、彼女は一人で死人船に乗って霊界へと旅立って行った。

牛頭大王と馬頭大王 (ごずだいおうとめずだいおう)

霊界の判事。人間の身体に牛の頭、馬の頭をした二人組で、常に一緒に行動している。霊界の法則が乱れないように、また霊界の情報が人間界に漏れないように管理している。そのため彼らは、早見公平、小楯薫子、それに協力する霊能者おゆきらの行動を非常に危険視している。

おゆき

小楯薫子(ル子)の祖母。青森の恐山でイタコをしている。霊能力を持ち、霊界の法則にも詳しいが、彼女の能力は、霊界の秩序を乱す可能性があるとして、牛頭大王と馬頭大王からは危険視されている。早見公平のことをル子に取り憑く悪霊と思ったおゆきは、問答無用で除霊しようとするが、ル子が持っていた公平の日記を読んだことから、一転して二人の仲を応援するようになる。

偉大なる宇宙の音楽家 (いだいなるうちゅうのおんがくか)

痩せ形で長髪に丸いサングラスをかけた男性の幽霊。ミュージシャンで、生前は日本人の妻がいた。ジョン・レノンがモデルと思われる。牛頭大王と馬頭大王の命令により、小楯薫子(ル子)が作詞をした「愛Z」の作曲を担当。そのインスピレーションをル子に与え、曲を完成させた。その過程で彼は早見公平とル子の純愛に感動し、黒猫のロンと共に彼らのバックアップをするようになる。

場所

途中の海 (とちゅうのうみ)

死んだ人間の魂が最初にたどり着く場所。死人の魂が隙間なく漂う海。そこで死人船が来るまでの一時を過ごすのだが、現世に思い残しのある者は、7日間までならそこで過ごすことができる。また、ここから霊界へは一方通行だが、人間界との行き来は自由にできる。

その他キーワード

死人船

途中の海に漂う死人の魂を回収し、魂の次の目的地である死界へ運んでいく。この船に乗り込んだ魂は、乗った瞬間に現世での記憶を失ってしまう。ラブZとなり、無制限に人間界にいられることになった早見公平は、この船に乗って霊界へ行く権利を失ってしまった。

霊界の法則 (れいかいのほうそく)

死後の世界には独特の法則があり、早見公平はこれらを利用したり、逆手に取ったりすることで小楯薫子への思いを伝え、遂には人間への転生も成功させる。生き物は死ぬと魂の状態になり、途中の海という場所にたどり着く。そこで魂は7日間まで滞在を許され、さらには人間界への出入りも自由である。人間界では、自分の1km以内にいる一番醜い生物に乗り移ることができる。 さらにその醜い生物に乗り移っている時に、相手に自分を認識させてキスをしてもらえると、タイムリミットなく、ずっと幽霊の状態で人間界にいられる。魂の状態でいるときに霊界の特殊な銃で撃たれると、人間に転生することができる。これらは霊界の判事である牛頭大王と馬頭大王によって監視されており、それを乱すものは「けもの銃」で撃たれ、動物に転生させられてしまう。

ラブZ (らぶぜっと)

早見公平は途中の海滞在のタイムリミットである7日間のうちに、小楯薫子とのキスを成功させ、無制限に幽霊として人間界に滞在できることになるが、それを見た死人船の船長は悲しそうな表情で公平のことをラブZと呼ぶのだった。この言葉には、いくら愛しても、見続けるだけで絶対実らない幽霊の愛。初めから結末が決まっているアルファベットのZのような愛、などの意味が込められている。

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