夢中さ、きみに。

夢中さ、きみに。

現代日本の高校生の何げない日常をリアルに描いた短編集。和山やまの同人誌およびウェブサイトで発表された作品で、コミックス刊行にあたって加筆修正され、描き下ろしエピソードも収録されている。第23回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門新人賞、第24回「手塚治虫文化賞」短編賞を受賞。2021年1月実写ドラマ化。

正式名称
夢中さ、きみに。
ふりがな
むちゅうさきみに
作者
ジャンル
学園
レーベル
ビームコミックス(KADOKAWA)
関連商品
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あらすじ

第1巻

女子高校生の松屋めぐみは読書が趣味で、「おいも3兄妹」のハンドルネームで、読み終えた本の感想をTwitterにアップしている。ある日、松屋がいつものように感想をアップすると、珍しく返信があった。それは「仮釈放」というハンドルネームの見知らぬ人物で、気になった松屋がその人物のツイートを見ると、街中の看板などの1文字を写真に撮って、それを単語にしてしりとりをし、アップしていた。相当のヒマ人だと半ば呆れる松屋だったが、見慣れた写真があったため、同じ地区に住んでいるのではないかと推測し、コメントを送ってみることにする。後日、通学中に松屋は、スマホで街の看板を接写している男子学生を見かけて「仮釈放」だと気づき、声を掛ける。その後、公園で話し始めた二人だったが、松屋は緊張してうまくしゃべれない。松屋は勇気を出して、友達になってくださいと言うと、「仮釈放」こと林美良は少し考えたあと「それは承諾しかねます」と答えるのだった。意気消沈する松屋だったが、後日読んでいた小説の中に「それは承諾しかねます」というセリフを見つける。さらに、林のTwitterにいつもの1文字写真で作った自分へのメッセージを見た松屋は、自分も1文字写真でメッセージを返信するために街を歩き回る。(エピソード「友達になってくれませんか」。ほか、7エピソード収録)

メディア化情報

実写ドラマ

2021年1月7日より放送MBS「ドラマ特区」枠にて放送。

キャスト:大西流星(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、高橋文哉、福本莉子、坂東龍汰、楽駆、前田旺次郎、望月歩、河合優実、伊藤万理華、横田真悠

登場人物・キャラクター

林 美良 (はやし みよし)

エピソード「かわいい人」に登場する、鐘亀高校という男子校の2年2組に在籍する高校生。女性のような美しく整った顔立ちをしているが、何を考えているのかわからない不思議なところがある。中学では野球部に所属していたが、ゴロが取れないために野球を断念した。教室では「クマと遭遇したら」という本を読んでいたり、干し芋を作ったりしている。実家は中華料理屋を営んでいる。Twitterのハンドルネームは中学時代のあだ名である「仮釈放」。

江間 譲二 (えま じょうじ)

エピソード「かわいい人」に登場する、鐘亀高校という男子校に通う高校生。林美良のクラスメート。ジト目で目つきが悪く、ガタイがいい。体育祭の借り物競争で「かわいい人」というお題を引き、障害物リレーの網に全身が絡まったままの林を連れてゴールしたため、それ以来林から僕のことをかわいいと思っているのかと、からまれている。

松屋 めぐみ (まつや めぐみ)

エピソード「友達になってくれませんか」に登場する、鶴森学園というお嬢様学園に通う、眼鏡を掛けた地味な女子高校生。読書が趣味で、読んだ本の感想をTwitterでアップしている。芋類が好物なため、じゃがいも、さつまいも、長芋の「おいも3兄妹」というハンドルネームを使っている。小中高と女子校だったため、男性と話す機会が少なく、読書がきっかけで知り合った林美良との会話も弾まなかったが、勇気を振りしぼって友達になってくださいと告げる。

小松 豊 (こまつ ゆたか)

エピソード「描く派」に登場する、鐘亀高校の中等部3年4組に在籍する、丸刈りの男子中学生。美術部に所属しており、区の絵画コンクールのための肖像画モデルになってほしいと林美良に頼み込む。長身で元気いっぱいの好青年で、視力は2.0。

山田 章太郎 (やまだ しょうたろう)

エピソード「走れ山田!」に登場する、鐘亀高校という男子校に通う高校生。同じ高校に通う妹尾正広のパシリにされている。妹尾がほかの教室から叫ぶ「走れ山田」という声を聞くと、授業をそっと抜け出して妹尾の弁当を買うために購買部へ走る。毎日母親から渡される昼食代の500円は、妹尾の弁当代として消えるため、自分は自宅でコソコソとにぎったおにぎり1個だけ。ある日、校内に落ちていた妹尾の財布を拾う。

二階堂 明 (にかいどう あきら)

エピソード「うしろの二階堂」に登場する、。戸塚高校の2年1組に在籍する男子高校生。不気味なオーラをまとった暗い青年で、クラス中の嫌われ者。二階堂明と目が合うと不幸なことが起きる、体が触れたらその人も二階堂のようになってしまうなど、さまざまな悪い噂が立ち、都市伝説レベルとなっている。実は中学時代はジャニーズ系の美少年だったが、とある事件をきっかけに変貌した。

目高 優一 (めだか ゆういち)

エピソード「うしろの二階堂」に登場する、戸塚高校の2年1組に在籍する男子高校生。席替えで嫌われ者の二階堂明の前の席になってしまい、憂鬱な気持ちになっている。しかし、小学校時代の同級生である佐藤みのるから二階堂の話を聞いたことで興味を持ち、なかよくなる。

妹尾 正広 (いもお まさひろ)

エピソード「走れ山田!」に登場する、鐘亀高校という男子校に通う高校生。山田章太郎をパシリにしており、毎日山田の昼食代でお昼の弁当やパンを買ってこさせている。酢豚にパイナップルが入ってないというだけの理由で、山田に蹴りを入れるような素行の悪い不良。

佐藤 みのる (さとう みのる)

エピソード「うしろの二階堂」に登場する、目高優一の小学校時代の同級生。二階堂明と同じ中学校出身の女子。以前よりかわいくなっており、バス乗り場で久しぶりに再会した優一と連絡先を交換した。優一に二階堂の中学時代のエピソードを語る。

書誌情報

夢中さ、きみに。 KADOKAWA〈ビームコミックス〉

(2019-08-10発行、 978-4047357181)

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