守れ!しゅごまる

守れ!しゅごまる

謎の暗殺者に狙われる王城さなぎを守るボディーガードの少年・鉄虎守護丸の奮闘や日常を描いたギャグコメディ。「週刊少年ジャンプ」2021年51号から2022年27号にかけて掲載された作品。

正式名称
守れ!しゅごまる
ふりがな
まもれ しゅごまる
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊3巻
関連商品
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あらすじ

さなぎを守れ!しゅごまる

名家の令嬢・王城さなぎは、ごくふつうの公立高校である来麦高校の入学式の準備をしていた。お嬢様のさなぎが公立高校を選んだのは、ふつうの彼氏をつくってふつうの高校生らしい生活を送ってみたいという目的のためだった。そんなさなぎのもとに、正体不明の暗殺者「スカル」が命を狙っているという情報が入り、彼女を守るボディーガードとして鉄虎守護丸を紹介される。しかし守護丸は、さなぎの近くに飛んできたハチに気づいた途端に手榴弾を投げて駆除するものの、勢い余ってさなぎの部屋の屋根を壊してしまう。明らかにハチャメチャなやり方に不安になったさなぎは、守護丸を解雇しようとするが、彼は入学式についてきたうえに、さなぎに近づく者を氷漬けにしたり、奇妙な道具を使ったりして彼女を困らせる。それでも決して悪気はなく、さなぎを守りたいと言う守護丸には、幼い頃に彼女と交わした約束と確かな決意があった。そんな守護丸の思いも知らないまま、いきなり同級生から変な注目を浴びて敬遠されるようになってしまったさなぎは、守護丸が出した武器に巻き込まれて感電してしまう。保健室で寝ていたさなぎはクラスメートの羽鳥良二と出会い、彼の優しさに感動するが、ベッドから離れた次の瞬間に巨大な凶器を向けられてしまう。良二こそがスカルだと直感したさなぎは、その場に駆けつけた守護丸と共に戦うことになるが、守護丸の強さに驚いた良二は屋上に立てこもって女子生徒を人質に取る。守護丸は入学式で氷漬けにしていた生徒を屋上に投げ、刺さった氷像を避雷針にして雷を落とす。落雷からの漏電にさなぎも巻き込まれるものの、良二を無事に倒すことに成功。だが、安堵する二人のもとに、スカルのほかにフェネックという暗殺者がいたという連絡が入り、良二がスカルではないことも判明する。この一件で幼少期の守護丸と交わした約束を思い出したさなぎは、不安になりながらも引き続き守護丸に守ってもらうことになる。こうして、ボディーガードをこなそうとすると周りが見えなくなる迷惑体質を持つ守護丸と、彼に守られるさなぎのにぎやかな高校生活がスタートする。学校で草むしりをするだけでもトラブルを起こす守護丸に振り回されるさなぎは、クラスで浮きがちになっていることや、友達を増やすためにはどの部活に入るべきかを悩んでいた。そんなさなぎのもとに、怪しいナンパ男の蛇原輝輝がやって来て彼女に付きまとうようになる。輝輝をスカルだと見なして敵意と警戒心をあらわにする守護丸は、彼に容赦のない攻撃を次々と繰り出す。

守れるのか!?しゅごまる

正体不明の暗殺者に狙われる中、ハチャメチャな鉄虎守護丸の護衛を受け、心の休まらない高校生活を送る王城さなぎの周りには、守護丸を通してさまざまな友人ができていた。そんなさなぎを狙うフェネックに続き、スカルが絡んでいると思われる暗殺組織からの刺客・追風マッシュルームも襲来し、さなぎは命を狙われる。激闘の末に追風マッシュルームを退け、暗殺組織の残りのメンバーの情報をわずかながらつかんだ守護丸たちだったが、心休まる間もなく彼らのもとへは新たな刺客がやって来る。それは謎の手品を使いこなす藤井明芽で、彼女の使うみごとな手品を目の当たりした守護丸は、大ハマりして戦意と敵意を失ってしまう。結局、いつものようにカードゲームを通して邪神を召喚したりするなどむちゃくちゃなやり方で明芽に勝利した守護丸は、いつの間にか彼女を仲間に引き入れて守護丸が以前作った部活「さなぎ部」の一員に迎えていた。さなぎ部で過ごす平和なひとときもつかの間、マッシュルームと明芽が裏切ったことに呆れた葵立彦が、さなぎと守護丸を狙ってついに動き出す。立彦は薬学に精通しているために恐ろしい薬を生み出し、武器の扱いにも長けた恐ろしい暗殺者で、早くもピンチに陥った守護丸たちのもとへ駆けつけた蛇原輝輝が助太刀に回る。立彦の本音を見抜いた輝輝はある指摘をすることで懐柔し、輝輝の言葉の前に昔から抱えていた本音を思い出した立彦はさなぎ部の新たな一員となった。心強い味方が増えたさなぎは、立彦たちのリーダーについて探ろうとするが、リーダーはつねに黒い全身タイツを身につけているために正体は不明なまま。そんな中、立彦のスマートフォンにはリーダーから一通のメールが届くのだった。

どうなる!?しゅごまる

暗殺組織の一員として王城さなぎの命を狙ったのは、スカルとは無関係の「5Call(ファイブコール)」という組織の暗殺者だった。鉄虎守護丸の兄弟対決も含んだ激闘の末に、5Callをすべて撃退することに成功した守護丸だったが、本当のスカルの正体は謎に包まれたままだった。相変わらず守護丸のハチャメチャな行動からトラブル続きで問題が山積みの中、じいやはさなぎの護衛を万全なものにするため、新たな三人のボディーガードを雇う。さなぎたちのもとへやって来たのは、守護丸と同じボディーガードの学校に通っていた同級生の鋼鼠愛樹の三人だった。守護丸と同じ学校で厳しい修行を積んだ鋼鼠たちは一見頼りになると思われたが、以前から彼らのことが苦手だった守護丸はボディーガードのテストも兼ねて、ゾンビゲームを模したステージで彼らの実力を試すことになる。それぞれに得意分野はあるものの、守護丸と同じ10歳児の鋼鼠たちはさなぎをまともに守ることはできなかったが、守護丸は彼らと四人で護衛チーム「最強さなぎ団」を結成。その後もスカルの正体が謎のままで、さなぎは最強さなぎ団の護衛を受けることになるが、どこへ行ってもさなぎは彼らの保護者として世話を焼くだけの日々が続く。ますますにぎやかになっていくさなぎの日常は、仮面をかぶった謎の三人組が現れたことで大きな変化が訪れようとしていた。戦いの中で、守護丸に勝負を挑んできた三人組の正体が鉄虎助有鉄虎見張鉄虎保士之助の三人だったことが判明。激しいカードバトルの末に助有に勝利した守護丸だったが、勝利の喜びもつかの間、次の瞬間に助有が語ったのは、守護丸の秘密に関する衝撃的な事実だった。

パロディネタ

本作『守れ!しゅごまる』は他作品のパロディネタが多く登場する。パロディの内容としては高橋和希の『遊☆戯☆王』に関するものが最も多く、原作やアニメ版に登場するカードゲームのカードが登場することもある。ほかにも上木敬の『破壊神マグちゃん』をはじめとする「週刊少年ジャンプ」の連載作品や、有名なゲームや映画を基にしたパロディネタも多く登場している。

登場人物・キャラクター

鉄虎 守護丸 (てっこ しゅごまる)

王城家に代々仕える鉄虎家の五男で、王城さなぎのボディーガードを務める少年。年齢は10歳。長いアンテナが伸びたインカムを左耳に装着し、ハンマーやドラゴンを模した銃を中心にさまざまな武器を持ち歩いている。スカルに命を狙われるさなぎを守るべくじいやに雇われ、さなぎの専属ボディーガードとなった。通称「しゅごまる」で、一人称は「おれ」。小柄で幼い少年ながら、幼少期の頃からボディーガードとしての訓練を受けていたため、10歳児とは思えないほどの高い身体能力や戦闘力を誇る。ボディーガードをこなそうとすると周りが見えなくなる迷惑体質を持ち、さなぎと出会った直後に、ハチを殺すために手榴弾で彼女の住む屋敷の屋根を半壊させてしまう。カードゲームとドラゴンをこよなく愛し、レアカードには弱く、反対に他者をレアカードで買収することもある。つねにさなぎの周囲を警戒する一方で、ドラゴンの要素を持つ者が悪い暗殺者なわけがないという極端な考えに固執し、ドラゴンの腕に似た両腕を持つ森木愛照のことも同様の理由で疑っていなかった。四人の兄を持つがいずれもボディーガードで忙しいため、五男である鉄虎守護丸がさなぎの護衛として選ばれた。物心ついた頃には、両親は毒殺されて亡くなっている。基本的にまじめで忠誠心は高く、いつもさなぎを守ることだけを考えている。しかしさなぎが何かをしようとしたり、誰かと接触しそうになったりしただけで、暗殺されると思い込んで突発的かつ極端な行動に走り、警戒するあまりほかの生徒を氷漬けにしたり、校舎を刀で真っ二つにしたりと、護衛と呼ぶにはむちゃくちゃ過ぎる行為でよくさなぎを困惑させている。実はさなぎと幼少期に会ったことがあり、彼女を守り切れなかったことを悔やむものの励まされ、次に会ったときには必ず守るという約束を交していた。このため、何があってもさなぎを守ると心に誓っており、彼女が当時から好きな花であるアネモネにも特別な思い入れがある。現在は勇気や度胸のある少年に成長しているが、幼少期は鉄虎家の中で一番泣き虫で気弱な性格だった。さまざまな敵と戦ううちに、学校にさなぎの守護を目的とした「さなぎ部」を創部し、小福をはじめとする部員も増えていく。また、当初はカードゲームが好きな割に、そのプレイングは雑なものだったが、さなぎ部の仲間に教わったことで強くなる。

王城 さなぎ (おうじょう さなぎ)

王城財閥の跡取りでもある一人娘で、女子高校生。年齢は15歳。金髪のロングヘアの一部を三つ編みにしており、左右にアネモネの花飾りをつけた美少女。お嬢様だが感覚は割と庶民的で、ほかの財閥の子息に言い寄られることに疲れ、ふつうの彼氏をつくってふつうの青春を送るために公立高校の来麦高校に進学した。しかし、入学式を前にスカルに狙われていることを告げられ、じいやによって雇われたボディーガードの鉄虎守護丸の護衛を受けることになる。護衛のたびに何かを破壊したり、周囲を巻き込んだりする守護丸に振り回されることで日常が大きく変化。しかも、入学後も四六時中いっしょにいる守護丸が起こすトラブルに巻き込まれるたびに、ほかの生徒から敬遠されるようになり、当初は彼氏どころか小福以外の友人すらできなかった。だが、守護丸が暗殺者との戦いに勝利するうちに心強い仲間も増えていく。ふだんは清楚なお嬢様だが、守護丸の言動やむちゃくちゃな手法の護衛に気苦労が絶えず、むしろ守護丸といっしょにいた方が危険なのではないかと考えている。一方、内心では守護丸に対して多少信頼している面もあり、戦闘力が高くても内面が10歳児である彼の世話を焼き、面倒見のよさを見せるうちに周囲から母性が高いと評されるようになる。一方で、さなぎに差し向けられた暗殺者、もしくは過剰な警戒心から守護丸が勝手に暗殺者と見なした者への攻撃に巻き添えを食らうことも多い。それでも守護丸のことはなんだかんだでかわいがっており、彼からも慕われている。成長を早める薬で一時的に15歳にまで成長した守護丸と過ごした時は、彼の笑顔に何度もときめいてドキドキしていた。ツッコミスキルが高く、当初はツッコミをするたびに声を荒らげることも多かったが、守護丸やその周囲に振り回されるうちに冷静にツッコミを入れられるようになった。のちに護衛の強化として、鋼鼠をはじめとする三人のボディーガードも加わったが、その母性と面倒見のよさで彼らからも慕われるようになる。守護丸に振り回されながらも、彼の本質がほかと変わらないただの子供だと思っており、両親のいない彼にとっては姉や母親のような存在になっている。

スカル

王城さなぎが来麦高校に入学する前から命を付け狙う、正体不明の暗殺者。当初は羽鳥良二こそがスカルだと思われていたが、彼は無関係だった。のちにスカルを筆頭とする暗殺組織の存在が疑われるようになり、追風マッシュルームが所属する暗殺組織がスカルだと思われたが、これもただのカンちがいで彼らは「5Call(ファイブコール)」という別の暗殺組織だった。その後も正体が謎に包まれたままになっていたが、のちにある人物の研究と大きく関係していたことが判明する。

小福 (こふく)

来麦高校に通う女子で、王城さなぎのクラスメート。黒のショートヘアで頭にバンダナを巻いている。ふだんはおとなしく控えめだが、広辞苑並みの幅広い知識を披露するときはいつもより生き生きとしている。草むしりの時に、陸田重男のスパルタの被害に遭っていたところをさなぎに助けられ、これをきっかけに彼女と鉄虎守護丸の友人になる。校内の噂話やホビーネタを含むさまざまな分野の知識・情報を持つ博識の少女で、よく解説役を務めている。入学当初からクラスで浮いていたさなぎにとっては、高校入学以来初めてできた友人であり、優しく健気な性格もあってさなぎからは女神や天使のように思われている。ふだんから情報収集を欠かさず、生徒に関する情報からレアカードの知識まで、幅広い情報をさなぎたちに長台詞で説明している。部活はバレーボール部に所属しているが、のちに守護丸が創部した部活「さなぎ部」とかけ持ちするようになった。実は両親からの虐待に苦しみ、居場所を奪われて図書館に通い詰めていた過去を持つ。本名は「牛尾糸美」で、ある人物の野望と研究に感化され、その研究に協力していた。

蛇原 輝輝 (へびはら こうき)

来麦高校に通う男子。教室で昼食を食べていた王城さなぎに、いきなりナンパを仕掛けた。裸の上からファー付きのジャケットを羽織り、頭にサングラスをかけているチャラ男。女性には見境なしに声をかける生粋のナンパ師であり、ほかの生徒たちからは「たまたま人の形をしている性欲」などと噂されている。さなぎにしつこく言い寄ってくることから、当初は鉄虎守護丸に危険な暗殺者と見なされて容赦のない攻撃を食らって敗北していたが、実際は暗殺者ではなくただのナンパ師であり、なんだかんだでその後もさなぎたちの友人として過ごしている。さなぎをひと目で気に入りナンパのターゲットにしているが、ほかの女性をナンパしては学校に連れ込んでいることがある。守護丸が創部した「さなぎ部」に入り、さなぎのボディーガードとなった。のちに刺客としてさなぎを狙う葵立彦の本性や本音を見抜き、彼を説得して懐柔させ、彼と付き合うことになった。

スラッシュ滝沢 (すらっしゅたきざわ)

鉄虎守護丸が作った、謎の護衛ロボット。両腕の先端に小さな鎌が付いており、毒ガスによる攻撃や毒の感知もできる。言葉は「スラッシュ」しか発しないが、制作者の守護丸とは会話ができている。一度は王城さなぎに踏まれて破壊されたが、のちに復帰した。その後も何度か破壊されているがいずれも修理されて復活し、いつも守護丸やさなぎの周囲を守っている。

じいや

王城さなぎに仕える執事の男性。口ヒゲを生やした老人で、丸い眼鏡をかけている。スカルがさなぎを狙っているという情報を得たあとに、ボディーガードとして鉄虎守護丸を雇った。さなぎを狙う暗殺組織「5Call(ファイブコール)」が壊滅したあとは、さなぎの護衛をさらに強化すべく、守護丸の同級生である鋼鼠、愛樹、硯を雇い、護衛チーム「最強さなぎ団」を結成した。粘土細工が得意。

羽鳥 良二 (はとり りょうじ)

来麦高校に通う男子で、王城さなぎのクラスメート。前髪をヘアピンでまとめ、眼鏡をかけた中性的な見た目の少年。さなぎに優しく接していたがその正体は暗殺者であり、「刃使いのフェネック」の異名を持つ。保健室でさなぎを襲撃し、駆けつけた鉄虎守護丸のスラッシュ滝沢が放った毒ガス攻撃を解毒剤で無効化させたが、接近戦で彼に負けそうになる。屋上で女子生徒を人質にしようとしたが、守護丸が投げた男子生徒の氷像を避雷針にして雷を落とし、感電して敗北した。当初はスカルの正体だと思われていたが、実際は無関係。

陸田 重男 (りくた しげお)

来麦高校の体育教師を務める男性。角ばった顔立ちで、大柄な体型をしている。体育会系のスパルタ教師で、生徒たちからは恐れられ、嫌われている。王城さなぎが在籍する1年1組の生徒たちを放課後の庭に集め、草むしりを無理やり敢行した。その中でも気弱な小福を狙って集中的にいびっていたため、さなぎの不快感を買い反抗的な態度を取られ、さらには鉄虎守護丸の厳しい制裁を受けた。

黒条院 霧衣 (こくじょういん きりえ)

お嬢様学校の私立レザン高校に通う女子。王城さなぎの幼稚園時代からの幼なじみで、親友同士でもある。黒のロングヘアを縦ロールにしており、髪に花飾りをつけている。さなぎとは有名な財閥の令嬢同士ということもあり、小さい頃から競わされたり比較されたりしていた。さなぎが別の高校に入ったため、張り合える相手がいないと嘆いているが、実際は幼少期からさなぎに勝てないことを親から叱られていた過去を持ち、ひそかに彼女を恨んでいた。謎の人物に唆され、その人物に渡された毒入りの茶を使ってさなぎを気絶させることで恨みを晴らすつもりだったが、毒を感知した鉄虎守護丸に致死性の毒が茶に盛られていることを指摘される。さなぎを殺すつもりはなかったために罪悪感と後悔でショックを受け、電車の前に飛び出したところを守護丸に救われ、事情をすべて話したことでさなぎとも和解した。

森木 愛照 (もりき めでる)

来麦高校に通う男子。料理部の副部長を務めている。愛らしい名前に反し、カードゲームに登場するデーモンとよく似たおぞましい風貌で、大柄で筋肉質な腕はドラゴンのような鱗で覆われているため、王城さなぎからは当初から恐がられていた。カタギに見えないだけでなく、ふつうの高校生とすら思えない見た目や言動から、さなぎにスカルの正体ではないかと警戒されていたが、鉄虎守護丸からはドラゴンに似ているからという理由で、まったく警戒されずに懐かれていた。実際は暗殺者とは無関係で、単に女子が苦手なだけのシャイな男子であり、さなぎに疑われたことをまったく咎めないなど、その人となりは聖人のようと評される。料理や菓子作りが得意で、特にドーナツは守護丸に気に入られている。厳格でクールな性格に見えるが、実はファンタジーやゲームが好きな年相応の男子らしいおちゃめな一面もあり、守護丸が生徒たちを巻き込んで始めたRPG風のゲームに夢中になっていた。

追風マッシュルーム (おいかぜまっしゅるーむ)

来麦高校に通う男子で、王城さなぎを狙う暗殺者。丸い眼鏡をかけ、誰にでも敬語で話す。菌類の研究を続けた結果、体が菌と一体化している。上半身がキノコのように見えるが、鉄虎守護丸からは男性器のようだと度々ネタにされている。菌類をあやつって攻撃するほか、頭から細い剣などの武器を出すことができる。礼儀正しいが存在が下ネタなため、さなぎからはすっかり苦手意識を持たれている。その正体は暗殺組織「5Call(ファイブコール)」の一員で、守護丸との戦いに敗れたあとは彼らに捕まって尋問され、組織の詳細は語らなかったもののほかのメンバーの大まかな情報を提供した。

筋肉増強児 薫 (きんにくぞうきょうじ かおる)

来麦高校に通う男子で、鉄虎守護丸が創部した「さなぎ部」の部員。全身マッチョで、いつもTシャツと短パンを着用している。守護丸からはあまりあてにされていなかったが、頑丈で腕っぷしが強いために王城さなぎに近づく敵を撃退しており、彼女からは頼りにされていた。しかしのちに、違法ステロイドのドーピングが発覚して逮捕された。

寿司次郎 (すしじろう)

来麦高校に通う男子で、鉄虎守護丸が創部した「さなぎ部」の部員。短髪にハチマキを巻いている寿司職人で、事あるごとに「へいお待ち!」と言いながらおいしい寿司を差し出してくれる。さなぎからはそれなりに気に入られていたが、のちに密猟の疑いで退学になってしまう。

闇に集いし者 (やみにつどいしもの)

来麦高校に通う謎の人物。王城さなぎたちが知らないあいだにいつの間にか転校してきた。全身が黒ずくめの衣装で覆われており、何もかもが謎に包まれた人物。すべては漆黒に染まるなどと言い張り、寡黙だが口を開くと中二病のような発言が多い。勉強を助けてくれるため、さなぎからはそれなりに頼りにされていたが、いつの間にか転校していなくなってしまう。

鉄虎 一心 (てっこ いっしん)

鉄虎家の長男。ボディーガードを生業としている。鉄虎守護丸の兄で、正体を明かした生徒会長の用心棒として守護丸の前に現れた。長身でウニのように尖った髪に大柄な体型で、冷静で厳格な性格をしている。何よりも依頼主からの依頼を優先するため、弟の守護丸と戦うことになってもためらわずに堂々としており、守護丸の新たな敵として立ちはだかる。規律やマナーには非常にうるさく、フランス料理の食べ方からゲームにおけるマナーまで幅広く守護丸をテストし、最終的には5分以内に名古屋城の鯱(しゃちほこ)を見せるように命令した。

鉄虎 助有 (てっこ じょう)

鉄虎家の次男。ボディーガードを生業としている。鉄虎守護丸の兄で、灰色の長髪で丸い眼鏡をかけた長身の青年。いつもやる気がなさそうに見えるが、かなりの負けず嫌いで弟の守護丸にも容赦がない。スカルを名乗る謎の三人組のリーダーとして、仮面をかぶった状態で出現して王城さなぎを狙い、守護丸と一対一で戦うことになるが、その内容はカードゲームだった。

鉄虎 見張 (てっこ みはり)

鉄虎家の三男。ボディーガードを生業としている。鉄虎守護丸の兄で、桃色のボブヘアの一部をポニーテールにまとめ、毛先に星型の髪飾りをつけている。中性的な見た目の男の娘で、ミニスカートとニーソックスを着用している。小動物が大好き。スカルを名乗る謎の三人組の一員として、仮面をかぶった状態で守護丸たちの前に現れる。

鉄虎 保士之助 (てっこ ほしのすけ)

鉄虎家の四男。ボディーガードを生業としている。鉄虎守護丸の兄で、黒の短髪で小さな眼鏡を頭に二つ乗せており、顔にそばかすがある。臆病で心配性な性格で、いつも挙動不審なためによく不審者扱いされることに悩んでいる。幼少期から自分用のパソコンを持っており、情報収集を得意としている。スカルを名乗る謎の三人組の一員として、仮面をかぶった状態で守護丸たちの前に現れる。

生徒会長 (せいとかいちょう)

来麦高校に通う、生徒会長を務めている男子。生徒会長として何度か王城さなぎと面識があるが、その正体は彼女を狙う暗殺組織「5Call(ファイブコール)」のリーダーでもある。いつも黒い全身タイツで身を隠していたため、メンバーの藤井明芽たちにも正体がわからないままだった。ボディーガードとして鉄虎一心を雇い、彼と鉄虎守護丸を戦わせる。5Callという名称は、「5秒のコールで駆けつける」というモットーをもとに名づけていた。

藤井 明芽 (ふじい あきめ)

来麦高校に通う女子で、謎の暗殺組織に所属する暗殺者。関西弁で話し、手品を得意としている。王城さなぎたちに近づくものの、高度な手品を披露するだけで暗殺ができずにいた。何かをしようとしてもすぐに手品をするだけで終わってしまう癖があるため、暗殺者に向かないとあきらめようとしていたところ、見かねた葵立彦によって強化薬を飲まされて怪物化し、凶暴化する。理性を失ったあとも手品を披露するためにさらに薬を飲まされて暴走し、「増え続ける殺戮人形」で校舎を破壊しようとするが、脱獄して駆けつけた筋肉増強児薫に倒される。その正体は暗殺組織「5Call(ファイブコール)」の一員だったが、薬の効果が切れて正気に戻ったあとは暗殺者から足を洗い、さなぎたちの仲間になる。子供好きで鉄虎守護丸のことも愛称で呼ぶなどかわいがっており、周囲からは保育士に向いていると評されている。

葵 立彦 (あおい たつひこ)

来麦高校に通う男子で、謎の暗殺組織に所属する暗殺者。金髪碧眼の中性的な見た目で、女子の制服を着用しているために少女と間違えられるが、実際は少年である。父親の影響で薬学を学び、飲んだ相手を怪物化させる薬や一時的に服用者を成長させる薬など、さまざまな薬を持ち歩いている。この薬で強化した藤井明芽が敗れたあとに自ら王城さなぎを狙うが、乱入してきた蛇原輝輝に隠していた本音を見抜かれてしまい、彼に懐柔されて付き合うようになる。誰かに「かわいい」と言われると嫌がる素振りを見せるが、本音ではかわいいと言われるのが好きで、その本音を隠しながらも女子の服装を身につけている。その正体は暗殺組織「5Call(ファイブコール)」の一員だったが、明芽と同様に暗殺者から足を洗い、さなぎたちの仲間になる。

鋼鼠 (はがね)

鉄虎守護丸の友人で、ボディーガードの少年。年齢は10歳。黒の短髪で眼鏡をかけており、緑色の大きな蝶ネクタイをつけている。生真面目な性格で、守護丸と同じボディーガードの学校に通っていたが、まじめ過ぎるという理由で彼からは苦手意識を持たれていた。じいやに王城さなぎのボディーガードとして雇われ、彼女を守るために守護丸が新たに結成した護衛チーム「最強さなぎ団」の一員となる。メンバーの中で最も守護丸に意見しているが、いざという時は連携して行動する。勤勉かつ博識で計算を得意としており、法律にも詳しい。計算力の高さは戦いや護衛に活用しているが、肝心の護衛にはあまり役立っていない。意外とませているところがあり、入浴中のさなぎを目の当たりにして赤面で動揺したため、彼女からはムッツリスケベだと疑われている。

愛樹 (あーじゅ)

ボディーガードの少女で、鉄虎守護丸の友人。年齢は10歳。金髪のボブヘアでスカーフを巻いたおしとやかなお嬢様で、バラの髪飾りをつけている。非常に美意識が高く、つねに美しいものしか認めない。守護丸と同じボディーガードの学校に通っていたが、美意識にうるさ過ぎるという理由で彼からは苦手意識を持たれていた。じいやに王城さなぎのボディーガードとして雇われ、彼女を守るために守護丸が新たに結成した護衛チーム「最強さなぎ団」の一員となる。セレブ向けのファッションやブランドには敏感で、さなぎとは意気投合している。スキンケアにはじっくり時間をかけるなど、年齢の割にませている。

(すずり)

ボディーガードの少女で、鉄虎守護丸の友人。年齢は10歳。桃色のロングヘアでカチューシャをしており、なぜか来麦高校の女子と同じ制服を着用している。非常に泣き虫で、誰もが予想しないような理由で泣いていることが多い。気弱で華奢な見た目だが少女とは思えないほどの怪力の持ち主で、時折力のコントロールができずに壁などを壊している。守護丸と同じボディーガードの学校に通っていたが、すぐ泣くという理由で彼からは苦手意識を持たれていた。じいやに王城さなぎのボディーガードとして雇われ、彼女を守るために守護丸が新たに結成した護衛チーム「最強さなぎ団」の一員となる。ぬいぐるみや小動物などかわいいものが大好き。

鉄虎 零警 (てっこ れいけい)

王城家に仕えるボディーガードの男性で、鉄虎守護丸たちの父親。10年前に死亡している。王城さなぎの母親である麻優のボディーガードを務め、彼女を交通事故から守ったこともある。やがて、麻優のことを護衛対象としてだけでなく一人の女性として愛するようになるが、彼女にはすでに恋人がいたために結ばれることはないと絶望するようになる。さらには麻優と結ばれない世界であれば壊してしまえばいいと考えるようになり、世界を破壊に導く恐ろしい人工遺伝子の研究に没頭するようになる。

書誌情報

守れ! しゅごまる 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第3巻

(2022-08-04発行、 978-4088831459)

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