屍鬼

屍鬼

原作は小野不由美作の小説。彼女の意向により、原作と漫画では展開が違う。漫画では、原作でほかのキャラへの影響が強かった結城夏野、尾崎敏夫、室井静信らを、主役格とし、様々な視点から事件を描いている。集英社『ジャンプスクエア』2008年1月号から2011年7月号まで連載。

正式名称
屍鬼
ふりがな
しき
原作者
小野 不由美
漫画
ジャンル
ホラー
 
推理・ミステリー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全11巻完結
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概要・あらすじ

199X年、猛暑が続く夏。山に囲まれた人口、わずか1300人の外場村で、奇妙な死体が見つかる。それから村では怪事件が頻発することに。引っ越してきたばかりの高校生結城夏野、村にたった一つの診療所を経営する尾崎敏夫、寺の息子で小説家として活躍する室井静信。彼らの視点から描かれる事件。果たして殺人なのか、事故なのか。

登場人物・キャラクター

尾崎 敏夫 (おざき としお)

外場村で唯一の病院の若き当主。寺の若御院と呼ばれる室井静信とは幼なじみ。ぶっきらぼうだが医師としての責任感が強く、腕も確かなために村人からの信頼も厚い。ヘビースモーカー。病人達が次々に死んでいくことに違和感を覚え、いち早く屍鬼の存在を認識する。その後は村を護るために、屍鬼となった妻・尾崎恭子を非人道的な実験台にしたり、村人達を駆り立てたりと屍鬼に対して強硬な姿勢を取っていく。

結城 夏野 (ゆうき なつの)

田舎暮らしに憧れる両親に連れられて都会から外場村に越してきた少年。冷めた性格をしており、達観した死生観の持ち主。自分の名前を女っぽいと嫌っている。田舎での暮らしに嫌気が指しており、村から出ることを望んでいる。近所に住む清水恵から一方的な恋心を抱かれてストーカーされており、彼女の死後も恵の視線を感じ続けたことから屍鬼の存在に感づく。 しかし、その存在を危惧され、屍鬼となった友人・武藤徹の手によって死亡。その後、屍鬼よりも強い力を持つ人狼として蘇生し、尾崎敏夫と手を組んで屍鬼の殲滅を企む。

室井 静信 (むろい せいしん)

外場村の寺の若御院。病気で伏している住職の父に代わって寺を切り盛りする傍ら、副業として小説やエッセイを書いており、彼が執筆中の作品の言葉から、屍鬼という名前が「起き上がり」につけられた。昔から人生に虚しさを感じており、学生時代に自殺を試みた過去がある。幼なじみの医者・尾崎俊夫とともに、村に起こり始めた異変の調査を開始し、「起き上がり」について知るが、彼らを擁護する側に回る。 また、屍鬼の正体に気がつく前から交流があった屍鬼の黒幕である沙子に哀れみを覚えている。

桐敷 沙子 (しきしま すなこ)

突如外場村に越してきた桐敷家の長女。見た目は幼いが口調は大人びており、また幼く扱われることを嫌っている。皮膚の病気にかかっているせいで日中は外に出られないとしており、また引っ越しの理由も彼女の養生のためとなっている。室井静信が書く小説のファンを称しており、夜毎に彼の元を訪れる。

辰巳 (たつみ)

外場村に越してきた桐敷家の使用人。屈強な肉体を持つ青年であり、相槌などに「や!」という奇妙な口癖を持つ。過去に沙子に血を吸われたせいで人狼になっており、外場村の屍鬼たちの指導者的立場。頭が良く冷徹で、配下たちからは非常に恐れられている。

清水 恵 (しみず めぐみ)

外場村に住む女子中学生。派手好きな性格で、田舎である外場村を嫌い村をでることを望んでいる。都会から越してきた結城夏野に憧れ、歪んだ愛情を向けているが相手にされていない。桐敷家が越してきた後、華麗な彼らに憧れを抱く。その後桐敷家からの招待を受けて血を吸われてしまい、数日後に死亡。 屍鬼として起き上がる。辰巳からの信頼はあるものの、夏野への思いが強すぎて勝手な行動を取ることもある。

武藤 徹 (むとう とおる)

外場村に住む明るく社交的な青年。人懐っこく誰にも優しいため、年少の者からの信頼が厚い。村中で他人と交わろうとしない結城夏野が唯一友人と呼べる存在でもある。ある日、起き上がりに襲われて死亡、その後自らも起き上がりとなる。起き上がりとなった後は人を殺したくないという気持ちが強く、血を吸うことにためらいがあったが、辰巳の脅しと夏野の優しさに屈し、夏野の血を吸って殺害してしまう。

場所

外場村 (そとばむら)

三方を山に囲まれた人口わずか1300人の山村。周囲に生えた樅の木で卒塔婆や棺を作り生計を立ててきた過去があり、そこから名前が取られている。周囲の村とのつながりが薄く、孤立している節がある。

その他キーワード

人狼 (じんろう)

『屍鬼』に登場する用語。屍鬼と同じ性質を持つが、一度死んでおり、呼吸や心臓の鼓動もない屍鬼と違い、一度も死なずに体が変化した亜種。屍鬼と比べて日光への耐性があり、身体能力も高く、また本来の力は発揮できないものの血を吸わなくとも命を永らえることが可能で、屍鬼よりも基本能力は高い。しかし、その分発生確率はとても低く、日本でも数人しか存在しない。

屍鬼 (しき)

『屍鬼』に登場する用語。死亡後に蘇生した人間のこと。外場村の伝承にならって「起き上がり」、もしくは室井静信の小説からとって屍鬼と呼ばれる。主に村人からは「起き上がり」、屍鬼たちからは屍鬼と呼ばれることが多い。基本的な食料は人間の血であり、吸血した人間に暗示をかけることが出来る、超人的な回復能力を持つ、日光や宗教的なものに弱い、招待を受けないと他人の家に入れないなど、伝承の吸血鬼と共通の部分が数多く存在する。

クレジット

アニメ

屍鬼

外部につながる道は国道1本しかないという、孤立した小さな集落。人口約1300人の外場村で、ある日3人の村人の死体が見つかる。村でただ一人の医者である尾崎敏夫は、事故死として扱われたその死に不審を感じて... 関連ページ:屍鬼

書誌情報

屍鬼 全11巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2008-07-04発行、 978-4088745497)

第11巻

(2011-07-04発行、 978-4088702674)

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