岸辺露伴 ルーヴルへ行く

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

ルーヴル美術館の「BD(バンドデシネ)プロジェクト」の一環として描かれた作品。2009年1月に同美術館の開催した企画展「小さなデッサン展 ─漫画の世界でルーヴルを─」の会場で原画が展示され、作者の荒木飛呂彦は、日本人で初のルーヴル美術館に作品が展示された漫画家となった。作品は全123ページがフルカラーで描かれている。岸辺露伴の初出は『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』であり、本作は彼を主人公としたスピンオフ作品のひとつ。

正式名称
岸辺露伴 ルーヴルへ行く
ふりがな
きしべろはん るーゔるへゆく
作者
ジャンル
作家・漫画家
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
関連商品
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概要・あらすじ

まだ漫画家としてデビュー前だった岸辺露伴は、祖母の持つアパートに滞在中、入居者である藤倉奈々瀬と出会う。その彼女が突然姿を消して10年、漫画家として成功した露伴は、あるきっかけで彼女が口にしていた「この世で最も黒い絵」のことを思い出す。そして、その作品が収蔵されているというルーヴル美術館を訪れるが、絵画に触れた人間が次々に怪死を遂げてしまう。

登場人物・キャラクター

岸辺 露伴 (きしべ ろはん)

人気漫画家。本作の冒頭では、まだデビュー前の学生時代が描かれている。スタンドと呼ばれる超能力を持ち、対象となる人間や生物を「本」にして記憶や体験を読むことができる。ただし、相手が死人の場合は「死」の文字で埋め尽くされ、内容を読むことができない。好奇心が強く、非常にプライドが高い。

藤倉 奈々瀬 (ふじくら ななせ)

岸辺露伴の初恋の相手。祖母の経営するアパートの入居者。既婚者だが、離婚する前提で入居している。岸辺露伴の描く漫画に興味を示し、それがきっかけで幼少の頃に見た「この世で最も黒い絵」の話を岸辺露伴に伝える。しかし、謎の行動の後にぷっつりと姿をくらませてしまう。

山村 仁左衛門 (やまむら にざえもん)

300年ほど前に、「この世で最も黒い絵」を描いたとされる絵描き。樹齢千年以上の大木の幹の中から発見したあるものを顔料にして、輝くような漆黒の絵を描く。しかし木を切り倒したことが法令に触れ、殿様の怒りを買って処刑されてしまう。それに伴って絵も処分されたが、隠し持っていた最後の1枚が後世に発見され、それがルーヴル美術館に買い上げられる。

祖母 (そぼ)

岸辺露伴の母方の祖母。作中に名前は登場しない。かつては夫とともに杜王町で旅館を経営していたが、彼の死去をきっかけに廃業し、建物を賃貸アパートとしている。しかし異様なまでに厳しい入居条件を出していたため、入居者はほとんどいなかった。岸辺露伴がルーヴル美術館を訪れた前年に死去している。

場所

ルーヴル美術館 (るーゔるびじゅつかん)

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の舞台となる美術館。作中では、実在のルーヴル美術館には存在しないZ-13倉庫に、「この世で最も黒い絵」と呼ばれる「月下」が保管されている。

その他キーワード

月下 (げっか)

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』に登場する絵画。山村仁左衛門が描いた、「この世で最も黒い絵」と呼ばれる呪われた作品。黒い地色に白で藤倉奈々瀬に似た和服姿の女性が描かれている。ルーヴル美術館のキュレーターによって買い上げられ、同美術館のZ-13倉庫に保管されているが、あたかも処刑された山村仁左衛門の怨念のごとく、絵に近付く者を死に至らしめる。

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書誌情報

岸辺露伴 ルーヴルヘ行く 集英社〈ジャンプコミックス〉

(2023-04-04発行、 978-4088835242)

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