概要・あらすじ
まだ漫画家としてデビュー前だった岸辺露伴は、祖母の持つアパートに滞在中、入居者である藤倉奈々瀬と出会う。その彼女が突然姿を消して10年、漫画家として成功した露伴は、あるきっかけで彼女が口にしていた「この世で最も黒い絵」のことを思い出す。そして、その作品が収蔵されているというルーヴル美術館を訪れるが、絵画に触れた人間が次々に怪死を遂げてしまう。
登場人物・キャラクター
岸辺 露伴 (きしべ ろはん)
人気漫画家。本作の冒頭では、まだデビュー前の学生時代が描かれている。スタンドと呼ばれる超能力を持ち、対象となる人間や生物を「本」にして記憶や体験を読むことができる。ただし、相手が死人の場合は「死」の文字で埋め尽くされ、内容を読むことができない。好奇心が強く、非常にプライドが高い。
藤倉 奈々瀬 (ふじくら ななせ)
岸辺露伴の初恋の相手。祖母の経営するアパートの入居者。既婚者だが、離婚する前提で入居している。岸辺露伴の描く漫画に興味を示し、それがきっかけで幼少の頃に見た「この世で最も黒い絵」の話を岸辺露伴に伝える。しかし、謎の行動の後にぷっつりと姿をくらませてしまう。
山村 仁左衛門 (やまむら にざえもん)
300年ほど前に、「この世で最も黒い絵」を描いたとされる絵描き。樹齢千年以上の大木の幹の中から発見したあるものを顔料にして、輝くような漆黒の絵を描く。しかし木を切り倒したことが法令に触れ、殿様の怒りを買って処刑されてしまう。それに伴って絵も処分されたが、隠し持っていた最後の1枚が後世に発見され、それがルーヴル美術館に買い上げられる。
祖母 (そぼ)
岸辺露伴の母方の祖母。作中に名前は登場しない。かつては夫とともに杜王町で旅館を経営していたが、彼の死去をきっかけに廃業し、建物を賃貸アパートとしている。しかし異様なまでに厳しい入居条件を出していたため、入居者はほとんどいなかった。岸辺露伴がルーヴル美術館を訪れた前年に死去している。
場所
ルーヴル美術館 (るーゔるびじゅつかん)
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の舞台となる美術館。作中では、実在のルーヴル美術館には存在しないZ-13倉庫に、「この世で最も黒い絵」と呼ばれる「月下」が保管されている。
その他キーワード
月下 (げっか)
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』に登場する絵画。山村仁左衛門が描いた、「この世で最も黒い絵」と呼ばれる呪われた作品。黒い地色に白で藤倉奈々瀬に似た和服姿の女性が描かれている。ルーヴル美術館のキュレーターによって買い上げられ、同美術館のZ-13倉庫に保管されているが、あたかも処刑された山村仁左衛門の怨念のごとく、絵に近付く者を死に至らしめる。
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