恋物語

恋物語

さまざまな恋人たちが逆境に立ち向かい、やがて結ばれるまでの姿を、1話完結のオムニバス形式で描くラブストーリー集。「プチコミック」1991年6月号から2002年10月号増刊にかけて不定期に掲載されたほか、「コロネット」「プチフラワー」「週刊少女コミック」「別冊少女コミック」「YOUNG Judy」「少女コミック増刊号Cheese!」「プチコミックスペシャルSPRING号」にも掲載された。エピソード「チェーザレ・ボルジア」のみ、原作を柴田侑宏が手掛けている。

正式名称
恋物語
ふりがな
こいものがたり
作者
ジャンル
恋愛
関連商品
Amazon 楽天

世界観

「ロマンチックな恋愛」をテーマに、切なく甘いエピソードがオムニバス形式で綴られる。物語の世界観は、エピソード間で特に共通する部分はなく、純粋なラブストーリーからサスペンスまで、幅広いジャンルの物語が描かれている。一部には、作者のさいとうちほが手掛けた他の作品の番外編的エピソードもあり、それらに関しては基となった作品の設定や世界観を、そのまま踏襲している。そのため、さいとうちほの他の作品を知っていると、より楽しめるものとなっている。

あらすじ

複雑な家庭環境で育った仮名子は、幼い頃から2番目の兄のが大好きだった。しかし仮名子は、大人になるにつれて次第に募っていく忍への想いが、兄妹以上のものであることに気づく。そこで、兄への気持ちを断ち切るため、1番目の兄である総士の勧めた男性と結婚することを決める。そんななか、ある夜の出来事がきっかけで、忍の仮名子への本当の気持ちを知ることになる。(エピソード「薔薇の実を食べた?」)

関連作品

本作『恋物語』の一部のエピソードには、さいとうちほの手掛けた別の長編作品の番外編的な扱いとなっているものがある。例えばエピソード「チェーザレ・ボルジア」は、『花冠のマドンナ』に登場する人物の外伝的ストーリーであり、エピソード「月下香小夜曲」は、シリーズ作品である『円舞曲は白いドレスで』『紫丁香夜想曲』『白木蘭円舞曲』のアフターストーリーとなっている。

作家情報

作者

さいとうちほは、東京都出身の女性漫画家・イラストレーター。本名は斉藤千穂。1982年、「コロネット」春の号掲載の『剣とマドモアゼル』でデビュー。その後は情熱的なラブストーリーを主軸に、サスペンスから大河ロマンまで幅広いジャンルを手掛けている。1996年には、「宝塚歌劇団」月組公演「チェーザレ・ボルジア」のポスターを描いたほか、1998年から1999年にかけて機関誌「宝塚GRAPH」で、漫画『天使の微笑・悪魔の涙』『バレンシアの熱い花』『銀の狼』を連載するなど、「宝塚歌劇団」とは深い関係があり、作者自身が入団を希望していたほどの根強い宝塚ファンである、ともいわれている。1997年にはTVアニメ『少女革命ウテナ』のキャラクター原案を手掛け、1999年には映画版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の制作にも参加。さらに両作品のコミカライズも手掛けた。代表作は『花音』『花冠のマドンナ』『円舞曲は白いドレスで』など。このうち『花音』は1997年に第42回(平成8年度)小学館漫画賞を受賞している。誕生日は6月29日。血液型はB型。

原作

本作『恋物語』のエピソード「チェーザレ・ボルジア」の原作を手掛けた柴田侑宏は、宝塚歌劇団専属の劇作家・舞台演出家。1932年1月25日生まれの男性で、兄は映画監督の松尾昭典である。

登場人物・キャラクター

仮名子 (かなこ)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。日高家に末っ子として生まれた女性。心臓に不安を抱えている。兄の忍に抱きしめてもらうと発作が治まることもあり、忍を兄以上の存在として認識している。しかし兄妹という立場上、忍への想いは押し殺し、見合い相手との結婚を進めようとしている。

神崎 和華子 (かんざき わかこ)

エピソード「隣のケンタウロス」に登場する。ロックグループ「ケンタウロス」のマネージャーを務めている女性。江口真央の隣の部屋で暮らし、彼のだらしない私生活を管理している。頭が良く、きびきびとしていて、いつも冷静なタイプ。愛犬のラッシーを可愛がっている。

百々子 (ももこ)

エピソード「チェックイン!」に登場する。マンション会社の企画部に勤めている女性。おとなしい性格だが、お酒に弱く、酔うと饒舌になる。同じ課の上司である川原に、密かに想いを寄せている。

柿崎 詩織 (かきざき しおり)

エピソード「魔性の夏」に登場する。古墳発掘のアルバイトをしている女子大生。雪高とは恋人同士。彼から体の関係を要求されているが、その気になれずにいる。あるとき、発掘された石が割れ、中から長い虫のようなものが出てきた。それを見てから人が変わってしまった雪高を怖く感じるようになり、藤井拓馬を頼るようになる。

(れい)

エピソード「今宵限りのイエスタディ」に登場する。舞台美術家になる夢を持つ女性。貧乏画家の母親と共に、イタリアの古都を巡り歩いていた際、ブルー・レベッキーニと出会い、一夜を共にする。しかし翌朝、彼が姿を消したため、遊ばれたと思い込み、以降男性嫌いになる。4年後、舞台美術家の卵として活動中、プロデューサーとなったブルーと再会を果たす。

前田 悠生 (まえだ ゆうせい)

エピソード「綺羅星わたる」に登場する。旧家である前田家の次男で小説家。綺羅の父親である兄とは、6歳の頃に別れたままになっていたため、記憶は薄い。亡くなった兄の遺言で、姪の綺羅を孤島から引き取るためにやって来た。子供のような性格の綺羅の扱いに、少々困惑している。

七夜子 (なよこ)

エピソード「十七の花冠」に登場する。17歳の少女。大好きな叔母の糸子からの手紙で、尾瀬にあるヒュッテ(山小屋)を手伝いにやってきた。高以来羊平に想いを寄せている。

あずき

エピソード「くちびるに刃」に登場する。藤波馬之助に嫁入りする予定だった17歳の少女。ポルトガル人の父親と日本人の母親の間に生まれた混血の美少女で、両親はいなかった。馬之助は、そんな彼女を本気で愛し、妻に娶るつもりでいた。その馬之助が謎の人物に斬られて亡くなり、敵を討つために立ち上がる。

留奈 (るな)

エピソード「黄金のモザイク」に登場する。イタリアに留学中の女性。オペラ歌手を目指している。実力はあるが実績がなく、未だ役をもらえない。そのため、ミラノのスカラ座で売店の売り子のアルバイトをして生計を立てている。ジャンニ・リナルディに気に入られており、役を付ける代わりに体の関係を要求されている。

水上 銀子 (みなかみ ぎんこ)

エピソード「薄薔薇色にふりつもる」に登場する。今は亡き水上時夫の妹。亡くなった兄の命日に訪れる鹿鳴草一郎を、毎年欠かさずに自宅で迎えている。高校時代には草一郎と付き合っていたが、兄からは反対を受けていた。社会人となって4年ほどOLを務めていたが退社。7か月ほど前、東京のストリップ劇場からスカウトを受けて、ストリッパーとなった。

深町 喜和子 (ふかまち きわこ)

エピソード「キューピッドの卵」「キューピッドの降りた夜」「キューピッドの不思議な卵」に登場する。「深町建設」の会長の一人娘。大学卒業後、会長の秘書替わりを務めている頭の切れる美人。会長亡き後は、そのすべてを相続することになっている。現在、妊娠中だが、その事実は誰も知らず、子供の父親とは理由があって結婚できない。父親に話せば赤ちゃんを守ることができない、と考えた彼女は、子供が生まれるまでという条件付きで、上杉丈史に偽装結婚を迫り、赤ちゃんを産もう考えている。

上杉 丈史 (うえすぎ たけし)

エピソード「キューピッドの卵」「キューピッドの降りた夜」「キューピッドの不思議な卵」に登場する。「深町建設」に勤める有能な青年。母子家庭で育ったが、母親が他界し、現在は天涯孤独の身。深町喜和子に突然偽装結婚を迫られ、一度は退けるも、成り行きで引き受けることを決めてしまう。

田中 美欧 (たなか みおう)

エピソード「シャングリラの庭で」に登場する。21歳の人気アイドルの女性。ヒマラヤ山中で映画の撮影を行っていた際、事故に遭い行方不明となる。その間パゴダ王国に保護され、幸せな日々を過ごすうち、ハル・カシミール9世に次第に惹かれていく。

富樫 野々 (とがし のの)

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。高校1年生の女子生徒。両親が海外に出張中、母親のいとこの家である波多野家で一緒に暮らすことになる。同じ学校の先輩である波多野真澄に憧れていたため、彼と一緒に生活することを楽しみにしていた。ところが、波多野家のちょっと変わった毎日に困惑を隠せない。

姫宮 暁 (ひめみや あき)

エピソード「暁の姫君」に登場する。私立宝永学院の女子高校生。壬生鷹也先生に想いを寄せている。小説の執筆が趣味で、文芸部に所属。作品に入り込みすぎ、すぐに自己催眠の状態になってしまう。そのため、小説の執筆は両親からきつく止められている。

宮内 沙羅 (みやうち さら)

エピソード「永遠の好き」に登場する。旺林高校に通う3年生の女子生徒。いとこの宮内英子は、家が隣同士で仲が良い。英子の頼みで、高市一季を陥れることに協力することになるが、次第に彼に惹かれていく自分を止められない。

ありさ

エピソード「ミューズ」に登場する。ファッションモデルを務める女性。ローラン・クレールのイメージモデルとして注目を集めている。ローランとの結婚を控えているため、彼の息子のジュールとの距離を縮めて、ローランとの結婚を認めてもらおうと、一生懸命になる。しかしフランス語が拙いため、ときどき変な言葉を発することもあり、ジュールからはますます馬鹿にされている。

原田 雪野 (はらだ ゆきの)

エピソード「真夜中すぎのシンデレラボーイ」に登場する。23歳の女性。劇団員ではあるが、演技が伸び悩み、スランプに陥っている。両親からの仕送りも止められ、生活が苦しい状態。初めは草下泉を怪しい人物と感じていたが、次第に惹かれていく。

佐久間 彩羽 (さくま あやは)

エピソード「閉じられた夜」に登場する。社長令嬢。潮一茂との結婚式当日、新婦の控室でウェディングドレスを着ていたところ、見知らぬ男性に誘拐される。辱めを受けそうになったところを、はさみで応戦して助かった。しかし相手の男性の状態を見て、放っておけなくなり、介抱することになる。理由があり、名前を偽っている。

氏家 ひなこ (うじいえ ひなこ)

エピソード「死が二人を別つまで」に登場する。19歳の女の子。幼い頃に両親を亡くし、資産家の祖父のもとで、溺愛されて育った。幸せな生活を夢見て結婚したが、夫の堤英心からは、束縛と虐待の毎日。そうした日々から逃げ出したいと、何度も家出を試みている。しかし、そのたびに夫の部下によって連れ戻された。離婚を決意し、行動した先で風間と名乗る男性に出会う。 キャンピングカーで移動を共にするうちに、彼に惹かれていく自分を抑えきれなくなる。

青樹 湖都 (あおき こと)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。亡くなった前夫との間に設けた一人息子青樹真と、白血病を患い軍籍を離れた鬼堂院将臣と共に、上海で静かに暮らしている。将臣の命に猶予がないことを感じ、彼の子供が欲しいと懇願する。さいとうちほの別作品、『円舞曲は白いドレスで』などに登場した人物。

大賀 満ちる (たいが みちる)

エピソード「時計じかけの愛人」に登場する。東京で一人暮らし中の女子大生。卒業したら実家のある九州に戻り、父親の会社のために、父親が決めた相手と結婚することになっている。そのため、春になるまでの間に、東京で愛人を作ることを決意する。友人の結婚式で知り合った氷河と名乗る男性を、愛人にすることになるが、それからというもの、彼のことで頭がいっぱいになってしまう。

三貴 (みつき)

エピソード「ブルー」に登場する。テニス部に所属する男子高校生。憧れの先輩・森岡羽子と付き合っていた。ところが、母親を亡くした悲しみから逃れようと、別の女子生徒と関係を持とうとしたところを目撃され、別れることになる。その後、兄の婚約者としてやってきた羽子と同居することになるが、その微妙な距離感に、素直になれず、意地を張ってしまう。

伊吹 流夏 (いぶき るか)

エピソード「秘めごとの夏」に登場する。18歳の女の子。ショートヘアで、眼鏡をかけた少年のような風貌。絵を描くのが好き。両親と下の兄、祖母を亡くし、残る身内は上の兄の伊吹千尋だけ。その兄とは、6年前に深い関係になってから絶縁状態となっていた。千尋の帰国を機に、再び同居生活を始めることになる。

ルクレツィア

エピソード「チェーザレ・ボルジア」に登場する。チェーザレ・ボルジアの妹。兄を慕っているものの、兄の考えを理解できずにいる。しかし、愛する兄のために、兄の思惑通り3人目の夫に嫁ぐことを決心する。さいとうちほの別作品『花冠のマドンナ』にも登場する人物。

岡崎 瞳 (おかざき ひとみ)

エピソード「影-オンブル-」に登場する。「レーヌ化粧品」の社長秘書を務める女性。社長の仕事のみならず、女性遍歴までも記録しておく、という仕事の鬼。冷たい口調で話すが、感情がすぐ顔に出てしまうところがある。地味な自分にコンプレックスを抱いていたが、社長に「女を磨け」と言われたため、化粧に興味を示す。

神崎 野ばら (かんざき のばら)

エピソード「北の国の野ばら」に登場する。21歳のOL。テレビで見かけた彫刻家の弟切詠五に憧れている。旅行先の北海道で、偶然知った彼の自宅へ向かい、知り合ったその日に恋に落ち、1か月後に結婚。その後、詠五の亡くなった前妻を知り、次第に自分に自信を失っていく。

小夜 (さよ)

エピソード「星なき夜の情事」に登場する。三日月望の妻となる女性。大学時代は望、三日月昴、まさみと4人で、星を見るサークル活動をしていた。その頃は昴に想いを寄せていたが、顔を合わせればケンカばかり。ある夜の出来事がきっかけとなり、望と結婚することを決める。

奥田 恵麻 (おくだ えま)

エピソード「13月のベラドンナ」に登場する。銀行の支店で働いていた貧乏OL。あることがきっかけとなり、突然本店の社長秘書室への移動を命じられる。そこで知り合った御影翔との結婚が決まり、生活が一変。そこへ、行方知れずだった叔母の訃報が舞い込む。そして叔母から多額の遺産を相続することになる。

日永 乃梨子 (ひなが のりこ)

エピソード「ロミオの名前」に登場する。京都の老舗旅館「ひな屋」の跡取り娘。体の弱い母親の代わりに、女将代理を務めている。間宮和利と婚約している。子供の頃に「コックリさん」によって、自分の結婚相手の名前が「嵐椿」であると明かされた。それを、今でも忘れられずにいる。

佐々木 安珠 (ささき あんじゅ)

エピソード「カプリチオな吐息」に登場する。イタリアのツアー旅行に1人で参加している女性。ツアー途中でスリ被害に遭い、パスポートを盗まれてしまう。ジオがスリと戦うが、けがを負ってしまう。しばらくの間、ジオと行動を共にすることになり、親しくなっていく。自宅は巣鴨で靴屋を営んでいるため、靴への思い入れが強い。

八誠 (はっせい)

エピソード「秋の姫」に登場する。英の親友。優しく純粋で、まっすぐな少年。英のことが大好きで、彼と友達でいることを誇りに思っている。秋姫に初めて会ったときから、彼女の魅力に魅入られており、何かと彼女に振り回され続けている。

黒樫 悠起 (くろかし ゆうき)

エピソード「エデンの香り」に登場する。カリスマ人気を誇る男性俳優。映画の主演に抜擢され、代役でやってきた彩花と知り合う。始めは、冴えない彩花に何も感じなかったが、その後の変貌を遂げた彩花の魅力に、引き込まれてしまう。

鈴木 灯 (すずき あかり)

エピソード「楽園のキス」に登場する。外国で遭難した女性。外国勤務中の婚約者に会うため、内緒でタヒチまで行った。ところが、乗っていたヘリコプターが墜落事故を起こし、無人島でヘリコプターの運転手・天野大地と共に遭難者となる。初めはケンカばかりしていた2人が、次第に惹かれあう。

(しのぶ)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。仮名子の兄。後妻として日高の家に入った母親の連れ子。父親亡き後、長男である総士からは弟として認めてもらえていない。加えて、その嫁であるお義姉さんからの高圧的な態度に、自宅では居場所がない状態。兄としてではなく仮名子を愛しているが、仮名子のためにその想いを内に秘めている。

三木 聡 (みき さとし)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。三木銀行の次期オーナーといわれている青年。三木銀行は、仮名子の兄である総士が経営する日高産業にとっての取引相手。仮名子に結婚を申し込んだ。自信家で強引なところがあり、会社や自分にとっての利益を優先するタイプ。

総士 (そうし)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。仮名子にとっては腹違いの長兄。父親亡き後、日高産業の社長を務める男性。後妻の連れ子である忍を弟とは認めず、会社の社員として接する。仮名子と三木聡を自然な形で引き合わせ、事実上の見合いをセッティングした。仮名子と三木の結婚を望んでいる。

おばあちゃん

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。仮名子と忍の祖母。若くして亡くなった母親の代わりに、仮名子と忍を育てた育ての親。年齢からくるボケが始まっている様子で、時としておかしな発言も見受けられる。想い合う仮名子と忍に、結ばれてほしいと考えている。

晴香 (はるか)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。仮名子の親友の女性。仮名子に対していろいろと意見をするものの、自分の恋愛に関しては奥手。忍に対して憧れの気持ちを強く抱いているため、仮名子からの申し出により、忍との仲を取り持ってもらうことになる。

お義姉さん (おねえさん)

エピソード「薔薇の実を食べた?」に登場する。総士の妻。仮名子と忍にとっては義理の姉にあたる。基本的に自分たちのことしか考えない自己中心的なタイプ。5歳の息子「貴之」を溺愛している。

江口 真央 (えぐち まさお)

エピソード「隣のケンタウロス」に登場する。ロックグループ「ケンタウロス」のボーカルを務める青年。いわゆる女たらしで、女性にだらしない。マネージャーである神崎和華子に対しては、反抗的な態度をとっている。発情状態となっていたラッシーが、襲い掛かってきたことがきっかけとなり、ラッシーと中身が入れ替わってしまう。

中野 亜矢子 (なかの あやこ)

エピソード「隣のケンタウロス」に登場する。江口真央の恋人だったモデルの女性。真央が、自分のほかに大勢の女性と関係を持っていたことに加え、マネージャーである神崎和華子との関係を勘違いし、逆上して真央の女性関係について報道各社にリークする。

ラッシー

エピソード「隣のケンタウロス」に登場する。神崎和華子の飼い犬。和華子の指笛の合図を聞けば、3秒とかからずに彼女のもとに駆けつける。発情状態となっていたラッシーが、江口真央を雌犬と見間違え、襲い掛かったことがきっかけとなり、真央と中身が入れ替わってしまう。

川原 (かわはら)

エピソード「チェックイン!」に登場する。百々子が勤める会社の係長を務める男性。仕事に厳しく、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで仕事をする努力家。ハンサムではあるが、愛想が良くないため、部下からはあまりよく思われていない。

中野 (なかの)

エピソード「チェックイン!」に登場する。百々子と同じ会社に勤める男性。川原とは同期にあたる。自信家で酒癖が悪い。ハワイ支社への転勤が決まる。川原の仕事に対する姿勢を尊敬しておらず、川原の方が上司であるにもかかわらず、軽視している。

雪高 (ゆきたか)

エピソード「魔性の夏」に登場する。古墳発掘のアルバイトをしている男子大学生。柿崎詩織とは恋人同士。なかなか体を許そうとしない詩織に、業を煮やしている。あるとき、発掘された石が割れたときから、人格が変わったようになってしまう。その後、藤井拓馬を敵視するようになる。

藤井 拓馬 (ふじい たくま)

エピソード「魔性の夏」に登場する。柿崎詩織や雪高と同じ大学の男子学生。ギターを弾き、長髪がトレードマーク。軽そうな印象ではあるが、実際は助けを求めてきた詩織の話を信じ、協力してくれる優しいところがある。

ブルー・レベッキーニ (ぶるーれべっきーに)

エピソード「今宵限りのイエスタディ」に登場する。イタリアのフィレンツェでも指折りの名家・レベッキーニ家の跡取り息子。貴族で伯爵。額の中央には、レベッキーニ一族の半数に現れるという「レベッキーニ家の三日月」と呼ばれる三日月型のあざを持っている。別荘で玲と出会って一夜を共にし、4年後、イタリア国立オペラのプロデューサーとなって、舞台美術を手掛ける玲と再会する。

立花 (たちばな)

エピソード「今宵限りのイエスタディ」に登場する。日本で玲が勤める「立花舞台美術スタジオ」の代表。怜の師匠にあたる男性。舞台美術家として、玲の実力を買っている。過去のしがらみから、ブルー。レベッキーニを避けようとする玲に、仕事のチャンスをくれたことの礼を言うように諭す。

綺羅 (きら)

エピソード「綺羅星わたる」に登場する。前田悠生の姪にあたる17歳の少女。巫女と、旧家である前田家の長男との間に生まれた一人娘。幼い頃に母親を亡くし、無人島で父親と2人で暮らしていた。夜空の星を見ると翌日のことがわかる、という不思議な能力の持ち主。世間から隔絶された無人島に長い間暮らしていたため、10人以上の人間を見たことがなく、小さな子供のように純粋無垢。 常識の枠にはまらない、変わったタイプの女の子。

慎二 (しんじ)

エピソード「綺羅星わたる」に登場する。綺羅の幼なじみのような存在の青年。綺羅を幼い頃から知っており、旧家に招き入れられた綺羅の出生の秘密をエサにして、彼女を脅迫し、お金をだまし取ろうと画策する。

初老の男性 (しょろうのだんせい)

エピソード「綺羅星わたる」に登場する。前田家の当主。前田悠生の父親。綺羅の祖父にあたる男性。急に現れた綺羅の存在を容認できず、変わり者で教養のない綺羅に対して暴言を吐く。

糸子 (いとこ)

エピソード「十七の花冠」に登場する。七夜子の母親の妹。姪にあたる七夜子に、自分の経営するヒュッテを手伝ってもらおうと、手紙を送る。七夜子を溺愛しており、自分にとって思い出の深い洋服を、七夜子に着せては楽しんでいる。

(だい)

エピソード「十七の花冠」に登場する。七夜子の友人の少年。七夜子が自分を置いて東京を離れたことに寂しさを感じ、後を付けてきて、七夜子に悪ふざけで襲い掛かろうとする。その悪ふざけが糸子の怒りを買い、罪滅ぼしにヒュッテ(山小屋)で雑用を手伝うことになる。

高以来 羊平 (たかいら ようへい)

エピソード「十七の花冠」に登場する。27歳の男性教師。七夜子が大に襲われていると勘違いし、助けようとする。その際、足に怪我を負ったため、ヒュッテ(山小屋)に滞在することになる。

藤波 馬之助 (ふじなみ うまのすけ)

エピソード「くちびるに刃」に登場する。「藤波道場」を守る道場主の中年男性。兵馬の父親。あずきを嫁にもらう予定だったが、婚礼の日、何者かに背中を斬られて帰らぬ人となった。

兵馬

エピソード「くちびるに刃」に登場する。藤波馬之助の息子。8年前、外国に興味を持ち、南蛮船に潜り込んで家出して以来音信不通だった。医術を学んで帰国したが、父親が亡くなった直後だった。父親の敵をとるため、実家の道場を継ぐことを勧められる。

ジャンニ・リナルディ (じゃんにりなるでぃ)

エピソード「黄金のモザイク」に登場する。世界的に有名なマエストロ(名指揮者)。女好きな初老の男性。留奈が欲しがっている役をエサに、体の関係を要求する。しかし一度はとりつけた約束を反故にされたため激昂し、留奈に対する援助はすべて打ち切った。その後、留奈が青滋・レベッキーニと親しくなっていくのを見て、気持ちが再燃。 青滋の演出家デビューを引き合いに出し、留奈を自分のものにしようと画策する。

青滋・レベッキーニ

エピソード「黄金のモザイク」に登場する。オペラ「椿姫」で演出家を務める24歳の青年。偶然出会った留奈に、「椿姫」の「ヴィオレッタ」のイメージを見出す。「今宵限りのイエスタディ」に登場した玲とブルー・レベッキーニの息子で、レベッキーニ家は代々イタリアオペラの大スポンサーだった。

アンナ・モンティ (あんなもんてぃ)

エピソード「黄金のモザイク」に登場する。ふくよかなオペラのスター歌手の女性。「椿姫」の主役「ヴィオレッタ」に抜擢される。ところが、演出家である青滋・レベッキーニが、自分ではなく、留奈を使って演出プランを立てていることに、憤りを隠せない。青滋の演出が自分に合っていないと意見し、青滋の演出には従えないと言い出す。

マリア

エピソード「黄金のモザイク」に登場する。留奈と生活を共にするルームメイトの女性。現在はスカラ座で小道具係の下っ端という存在のため、留奈と同様苦しい生活を送っている。何でもはっきりと言う、さっぱりした性格で、留奈の良き理解者であり、友達である。

鹿鳴 草一郎 (しかな そういちろう)

エピソード「薄薔薇色にふりつもる」に登場する。25歳の青年。高校野球では甲子園にも出場し、4番バッターを務めるスター選手だった。その後、ドラフトでは3球団から指名を受け、野球チーム「甲南ベアーズ」に入団。しばらくは活躍を見せるが、近年ではその噂も聞かなくなった。水上銀子とは高校生のときに恋人同士だった。しかし、猛反対をしていたチームメイトの水上時夫が亡くなったことをきっかけに、別れることを決めた。 毎年、時夫の命日には、必ず彼の実家を訪れている。

おばあちゃん(八百屋)

エピソード「薄薔薇色にふりつもる」に登場する。水上銀子の祖母。72歳だが、年々元気に、生き生きと若返っているように感じられる。1人で実家の八百屋を営んでいるが、思うように立ち行かないのが現状。

水上 時夫 (みなかみ ときお)

エピソード「薄薔薇色にふりつもる」に登場する。水上銀子の兄。高校野球では、鹿鳴草一郎に引けを取らない活躍を見せたスター選手だった。プロの球団から指名がなかったため、3球団からの指名を受けた草一郎に嫉妬し、関係が悪化。銀子と草一郎の交際にも反対し、2人を引き裂いた。その後、すぐに交通事故に遭い帰らぬ人となる。

美月 (みづき)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。「深町建設」に勤める女性。赤川と交際時に妊娠を匂わせて結婚を迫ろうとするが、上杉に見抜かれ失敗に終わる。その後、赤川と深町喜和子の関係を疑い、喜和子の妊娠を会長に明かしてしまう。

一之瀬 (いちのせ)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。テレビで活躍中のマルチプランナーを務める青年。妻子がいるが、深町喜和子が会員制クラブなどで豪遊していた、と噂されるボーイフレンドの1人。結婚した喜和子が妊娠中であることを知り、赤ん坊の父親が本当に上杉丈史なのか、疑問に感じている。

松井 徹 (まつい とおる)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。命知らずで有名な花形レーサーの青年。深町喜和子が会員制クラブなどで豪遊していた、と噂されるボーイフレンドの1人。結婚した喜和子が妊娠中であることを知り、赤ん坊の父親が本当に上杉丈史なのか、疑問に感じている。

大河 大善 (おおかわ だいぜん)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。「深町建設」のライバルグループで、業界最大手の「大河グループ」の4男。深町喜和子が会員制クラブなどで豪遊していた、と噂されるボーイフレンドの1人。結婚した喜和子が妊娠中であることを知り、赤ん坊の父親が本当に上杉丈史なのか、疑問に感じている。

会長 (かいちょう)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。深町喜和子の父親。年を取ってから授かった一人娘のため、喜和子を溺愛している。「深町建設」の会長を務めているが、現在は療養中。自分の後には喜和子を社長に据え、すべてを相続させるつもりでいる。

赤川 (あかがわ)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。「深町建設」に勤める体育会系の青年。交際していた同僚の美月の妊娠疑惑に怖気づき、彼女の話を聞く役目を、上杉丈史に押しつけた。のちに深町喜和子に頼まれた調べものを理由に、美月に喜和子との関係を疑われることになる。

キャサリン・メイ (きゃさりんめい)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。実業家の女性。香港社交界の花「梅(メイ)一族」の美女であり、日本語を含め5か国語が堪能。「深町建設」の取引先で、香港での仕事の際は上杉丈史が出向くが、関係を持っていたと噂されている。

高田 (たかだ)

エピソード「キューピッドの卵」に登場する。「深町建設」の社長を務める男性。日頃はポーカーフェイスを決め込んでいるが、会長のワンマンぶりには、大きな不満を持っている。また、上杉丈史についても、深町喜和子との結婚を機に出世してきたため、「突然出てきた目の上のたんこぶ」という認識を持っている。次長と手を組んで、彼をつぶすことを画策している。

リュウ・ウォング (りゅううぉんぐ)

エピソード「キューピッドの降りた夜」に登場する。香港マフィアのドン。上杉丈史とよく似た顔の男性。「深町建設」の秘密調査員として香港にやってきた深町喜和子を、大金を手に入れるために利用しようと画策する。しかし、素直で美しい喜和子を、次第に本気で愛し始める。

マーク・イーハン (まーくいーはん)

エピソード「キューピッドの降りた夜」に登場する。香港で「深町建設」の現地調査係を務めていた男性。深町喜和子に調査結果を報告するという約束の連絡を最後に、音信不通になる。その後、彼が重要な「黒い手帳」を盗み、会社の重役を脅した結果、何者かに殺害されたことが判明する。

ハル・カシミール9世 (はるかしみーるきゅうせい)

エピソード「シャングリラの庭で」に登場する。パゴダ王国の王を務める青年。自国を良い国にしようと、世界の国々に目を向け、日本にも興味を持った。その際、覚えた片言ではあるが、日本語を話すことができる。事故に遭った田中美欧を保護している間に、彼女に次第に惹かれていく。

波多野 真澄 (はたの ますみ)

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。波多野花緒里の弟。富樫野々と同じ高校の3年生。テニス部に所属しており、少しヤンチャなところも女の子には人気。野々が自分の家で一緒に暮らすことを、あまり歓迎していない。妙に明るかったり、また暗かったりと、浮き沈みが激しい性格。

波多野 花緒里 (はたの かおり)

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。波多野真澄の姉。底抜けに明るい性格。小林と想い合う仲だが、父親の会社のために、取引先の大会社の一人息子と婚約している。

波多野 令香 (はたの れいか)

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。波多野真澄と波多野花緒里の妹。波多野家ではマスコット的な存在だったが、ある日突然変わった。登校拒否になり、悪魔が憑りついたかのようになった。その挙句、「こんなうち、きれいすぎて息がつまる」と言い残して家を出ていった。その後、乗っていた暴走族の車が起こした事故に巻き込まれ、帰らぬ人となった。

小林 (こばやし)

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。表向きは波多野花緒里の友人。実は、誰にも知られずに想い合う仲。実家が牧場で、自分に自信がないこともあり、家のために結婚する花緒里を止められずにいる。

おばさん

エピソード「いっしょに朝ごはん」に登場する。富樫野々の母親のいとこにあたる女性。波多野真澄と波多野花緒里の母親。美容のために12時間は眠るようにしているようだが、いつもぼーっとしており、何かと忘れていることも多い。

栗栖 (くりす)

エピソード「暁の姫君」に登場する。私立宝永学院の男子高校生。推理小説オタクと言われている。姫宮暁が描いた小説を読み、本人の了承なしに文集に載せてしまう。姫宮と接するうちに、彼女に惹かれていく。

壬生 鷹也 (みぶ たかや)

エピソード「暁の姫君」に登場する。私立宝永学院の男性教師。担当科目は国語。長身で、たくましい。親兄弟はないが、金回りは妙にいいと噂される。特に教頭先生からは忌み嫌われている。学長の娘と交際している。

宮内 英子 (みやうち えいこ)

エピソード「永遠の好き」に登場する。ショートヘアの女子大生。いとこの宮内沙羅とは家が隣同士で、仲が良い。高市一季と半年付き合った後、別れを告げられた。その後、沙羅の協力を得て、一季に復讐しようと画策する。

高市 一季 (たけち かずき)

エピソード「永遠の好き」に登場する。宮内沙羅と同じ旺林高校に通う2年生の男子生徒。写真スタジオで、カメラマンのアシスタントのアルバイトをしており、将来はプロのカメラマンを目指している。思うようにならない沙羅に惹かれていく。

ローラン・クレール (ろーらんくれーる)

エピソード「ミューズ」に登場する。パリ・オートクチュール界の大御所。初老の男性。2年前、ありさを東京でスカウトし、育て上げた。現在では自身のブランドのイメージモデルとして起用し、結婚の約束もしている。

ジュール

エピソード「ミューズ」に登場する。弁護士を務める青年。ローラン・クレールの息子。水泳の元オリンピック選手候補だったため、泳ぎが得意。父が突然結婚すると決めたありさを、「父の名声と財産にあやかりたいだけの能天気な女」と酷評。結婚を阻止することを決める。そのために、自分がありさを誘惑しようと画策する。

草下 泉 (くさか いずみ)

エピソード「真夜中すぎのシンデレラボーイ」に登場する。19歳の青年。心臓の病を抱えており、春までに手術を受けなければ、遠からず死に至ると宣告されている。原田雪野の演技を見てファンになり、強引に彼女との時間を作ろうとする、謎の多い人物。

潮 一茂 (うしお かずしげ)

エピソード「閉じられた夜」に登場する。数々の女性を手玉にとった青年。佐久間彩羽との結婚式当日、新婦が誘拐されたという事実と、潮のそれまでのだらしない女性関係が書き記してあるビラが、教会中にまかれていた。

真也 (しんや)

エピソード「閉じられた夜」に登場する。売れないミュージシャン。潮一茂にもてあそばれ自殺を図った妹の無念を晴らそうと、結婚式当日に式場に侵入。新婦である佐久間彩羽を誘拐し、潮に恥をかかせようとする。

堤 英心 (つつみ えいしん)

エピソード「死が二人を別つまで」に登場する。堤晃介の腹違いの弟。氏家ひなこの夫で資産家。自分の妻に対して、愛情表現という名のもとに、度を越した束縛と虐待を行っている。嫉妬深く、ひなこの口から男性の名前が出てくるだけで激昂する。しかし、すぐに謝り、かわいがろうとする典型的なDV夫。

風間 (かざま)

エピソード「死が二人を別つまで」に登場する。28歳の男性。追われている氏家ひなこと偶然出会い、逃げるために協力を申し出た。その後、ひなこを連れて、キャンピングカーで萩まで向かうことになる。移動を共にするうちに、ひなこへの想いを止められなくなっていく。

堤 晃介 (つつみ こうすけ)

エピソード「死が二人を別つまで」に登場する。堤英心の腹違いの兄。幼い頃から氏家ひなこと面識があり、ひなこから慕われていた。そのため、年頃になったひなことの見合いは、彼が受けることになっていた。しかし、直前にレイプ事件を起こし、音信不通となっている。

恩田 (おんだ)

エピソード「死が二人を別つまで」に登場する。「恩田法律事務所」で弁護士を務める男性。堤英心、堤晃介のおじにあたる。英心との離婚について、氏家ひなこが相談を持ち掛けようとする。ところが、生まれ故郷の萩で隠居生活をしているため、頼ることができなかった。

鬼堂院 将臣 (きどういん まさおみ)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。鬼堂院龍一の弟。元軍人で中尉だったが、現在は白血病を患い、上海で療養中。青樹湖都と、彼女の子供である青樹真と3人での暮らしを始める。自分との子供を望んでいる湖都の気持ちを知りながらも、自分亡き後に残された子供を想って拒絶する。その後、迎えに来た父親と妹と共に、日本に帰国。 さいとうちほの別作品、『円舞曲は白いドレスで』などに登場した人物。

鬼堂院 龍一 (きどういん りゅういち)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。鬼堂院将臣の兄。将臣と離れ離れになった青樹湖都を、上海から日本へ連れ帰り、2人を再会させる。さいとうちほの別作品、『円舞曲は白いドレスで』などに登場した人物。

青樹 真 (あおき しん)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。青樹湖都と、亡くなった元夫との間にもうけられた一人息子。歩き始めたばかりの年頃で、人懐っこい。さいとうちほの別作品、『白木蘭円舞曲』に登場した人物。

鬼堂院 (きどういん)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。鬼堂院龍一、鬼堂院将臣、鬼堂院華子の厳格な父親。男爵の位を持つ。将臣の病状を知り、日本にいる自分のもとへ連れ帰るために上海にやって来た。青樹湖都との関係は、現在に至るまでに紆余曲折あったため、よいものではない。さいとうちほの別作品、『円舞曲は白いドレスで』などに登場した人物。

鬼堂院 華子 (きどういん はなこ)

エピソード「月下香小夜曲」に登場する。鬼堂院龍一、鬼堂院将臣の妹。病気の兄を思い、父親と共に上海へやって来た。その後、日本の将臣宛てに、何通も届くはずの青樹湖都からの手紙は、すべて彼女のもとで故意に止められた。さいとうちほの別作品、『円舞曲は白いドレスで』などに登場した人物。

氷河 (ひょうが)

エピソード「時計じかけの愛人」に登場する。謎の多い27歳の青年。友人の結婚式に出席した際、大賀満ちると知り合い、彼女から愛人にならないか、と誘いを受ける。その後、交際をスタートさせ、ミステリアスで完璧な愛人を務める。

森岡 羽子 (もりおか はこ)

エピソード「ブルー」に登場する。三貴の1つ年上の先輩の女子高校生。もともとは三貴と付き合っていたが、彼がほかの女子生徒と関係を持とうとしたことを知り、別れた。その後、三貴の兄・睦貴と交際を始め、結婚を前提とした同居を始めることになる。

睦貴 (むつき)

エピソード「ブルー」に登場する。三貴の兄。母親を亡くし、父親も海外に赴任してしまった状況で、森岡羽子と付き合い始める。そして、結婚を前提として、三貴もいる自宅で、羽子も交えた同居生活を始めることになる。羽子と三貴が以前付き合っていたことも承知している。

伊吹 千尋 (いぶき ちづる)

エピソード「秘めごとの夏」に登場する。伊吹流夏の兄。6年前、流夏に乱暴しようとした弟の千秋ともみ合った末、千秋が窓から転落して亡くなった。その責任を感じてか、インテリアデザインの勉強のためという名目で、イタリアに留学。父親が亡くなったことを知って帰国した。

チェーザレ・ボルジア (ちぇーざれぼるじあ)

エピソード「チェーザレ・ボルジア」に登場する。ルクレツィアの兄。ローマ法王の私生児。その立場から、枢機卿の任を拝していたが、それを自ら辞任し、教会軍の司令官となる。ナポリ王家のカルロッタと結婚し、ボルジア家とナポリの結びつきを盤石のものとした。彼の目的は、イタリア諸国を自らの手で統一し、外国から守ることである。 さいとうちほの別作品『花冠のマドンナ』にも登場する人物。

ホアレ

エピソード「チェーザレ・ボルジア」に登場する。ルクレツィアの兄。チェーザレ・ボルジアの2人の弟のうちの1人。昨年、誰かに刺殺された。犯人はわからなかったが、世間は兄のチェーザレが、弟の地位欲しさに殺害した犯人だと噂したという。

サンチャ

エピソード「チェーザレ・ボルジア」に登場する。ビシェリエの妹。チェーザレ・ボルジアのもう1人の弟であるホアレの妻。ボルジア家の兄弟すべてと関係を持とうと、女の武器を使う強者。

ビシェリエ

エピソード「チェーザレ・ボルジア」に登場する。サンチャの兄。ルクレツィアの2番目の夫。優しく、美しい風貌の青年だが、若干空気が読めないところがある。用済みと判断されたのか、のちに何者かによって殺されてしまう。

(こう)

エピソード「影-オンブル-」に登場する。「レーヌ化粧品」の社長を務める男性。まだ後を継いだばかりの若社長のため、周囲からの信頼は薄い。自社の新作口紅のイメージモデルを決めようと、オーディションを開催。しかし、思ったような人物がいないので、いら立っている。そんなある日、自分が思い描いていた理想通りの女性に巡り会う。しかし、彼女は夜になると現れ、朝には姿を消してしまう。 昂は彼女の身元を割り出そうと奔走する。

オンブル

エピソード「影-オンブル-」に登場する。謎の女性。「レーヌ化粧品」の新作口紅のイメージモデルオーディションに、突然現れる。カールのかかったロングヘアに、クラシカルな黒いワンピース姿が様になっている。しかし、素性を知る者は誰もいない。決まって夜になると昂の前に姿を現し、朝になると姿を消す。

弟切 詠五 (おとぎり えいご)

エピソード「北の国の野ばら」に登場する。彫刻家の青年。3年前に妻を亡くし、現在は北海道で犬の「レラ」と暮らしている。突然訪ねてきた神崎野ばらと、その日のうちに恋に落ち、出会って1か月で結婚する。照れ屋なところがあり、口数が少ないため、コミュニケーションがとりにくいタイプ。

三日月 望 (みかづき のぞむ)

エピソード「星なき夜の情事」に登場する。小夜の夫となる青年。三日月昴とはいとこ同士で、背格好や顔だちが似ている。温厚で頭がよい優等生タイプ。大学時代は小夜、まさみ、昴と4人で、星を見るサークル活動をしていた。その頃から小夜に想いを寄せており、彼女に告白した。昴とは仲が良いが、一族内での確執がある。本家生まれのため、分家の昴を見下しているところがある。

三日月 昴 (すばる)

エピソード「星なき夜の情事」に登場する。三日月望とはいとこ同士で、背格好や顔だちが似ている。女性にはだらしない、プレイボーイタイプの青年。大学時代は小夜、望、まさみと4人で、星を見るサークル活動をしていた。大学を休学し、1年間海外に行っていたが、小夜と望の結婚を知り帰国する。

まさみ

エピソード「星なき夜の情事」に登場する。小夜の親友の女性。大学時代は三日月望、三日月昴、小夜と4人で、星を見るサークル活動をしていた。いつもケンカばかりの小夜と昴を心配していた。

御影 翔 (みかげ しょう)

エピソード「13月のベラドンナ」に登場する。住宅販売会社「ミカゲ・アーネスジャパン」の社長を務める青年。奥田恵麻を本店に移動させた張本人。その後、彼女と結婚することになる。

オヤジ

エピソード「13月のベラドンナ」に登場する。御影翔の父親。足が悪く、車いすでの生活を余儀なくされている。植物が好きで、植物研究や、薬草からの薬作りが趣味。人に会うのを敬遠するため、息子の結婚式にも参加しなかった。

間宮 和年 (まみや かずとし)

エピソード「ロミオの名前」に登場する。京都の老舗料亭の息子。日永乃梨子と結納を交わしたばかりの婚約者。「ひな屋」に宿泊している客が、女将代理を落とそうと競い合っているという噂を聞きつけ、乃梨子に会いに来る。

嵐 椿(高野) (あらし つばき)

エピソード「ロミオの名前」に登場する。旅館「ひな屋」に宿泊しにやってきた青年。嵐美礼とは兄妹。日永乃梨子に高価なものをプレゼントしたりと、何かと近づいては手を出そうとする。名前を偽っている様子で、謎の多い人物。実は本名は「高野正直」という。

嵐 美礼 (あらし みれい)

エピソード「ロミオの名前」に登場する。嵐椿(高野) と一緒に、旅館「ひな屋」に宿泊にやってきた女性。嵐椿の妹を自称。何かと日永乃梨子を嵐椿(高野)に近づけようとする。

嵐 椿(駒形) (あらし つばき)

エピソード「ロミオの名前」に登場する。旅館「ひな屋」に突然やってきて、宿泊を頼み込んできた青年。怪しげなバッグを肌身離さず持っていたり、びくびくと何かに怯えているようなそぶりを見せたりと、とにかく挙動不審。もう1人の嵐椿(高野)を偽物だと言い張る。名前を偽っている様子で、謎の多い人物。実は本名は「駒形広信」という。

桜 舞尉 (さくら まい)

エピソード「休日はパリで」に登場する。将来プリマ・バレリーナになることを夢見ている少女。バレエの群舞で、パリ・オペラ座の公演出演が決まっている。バレエにしか興味がない。観光中に知り合ったジェイド・マカライトと親しくなり、行動を共にする。

ジェイド・マカライト (じぇいどまからいと)

エピソード「休日はパリで」に登場する。命を狙われている謎の青年。何者かに追われていたところ、桜舞尉が持っていたカメラを壊してしまい、修理することになる。その後、舞尉と意気投合し、一緒に行動することになる。片言の日本語を話すことができる。

龍太郎 (りゅうたろう)

エピソード「キューピッドの不思議な卵」に登場する。深町喜和子の一人息子。表向きの父親は上杉丈史。喜和子は、香港マフィアのリュウ・ウォングとの間にできた子供だと思い込んでいる。実は、丈史との間にできた子供。しかし、丈史自身もその事実を知らない。当時の事情は「キューピッドの降りた夜」で語られている。

ブルース

エピソード「キューピッドの降りた夜」「キューピッドの不思議な卵」に登場する。もともとはリュウ・ウォングの直属の部下。捕らわれていた深町喜和子の世話係を担っていた。喜和子のために仲間を裏切る行為を犯したリュウを許せず、のちに敵対する勢力のボスとなる。

ジオ

エピソード「カプリチオな吐息」に登場する。イタリアで、旅行会社のツアーバスの運転手を務める青年。以前は靴職人を目指していた。片言の日本語を話す。調子のいい性格が軽く見え、佐々木安珠にナンパと勘違いされる。安珠がスリ被害に遭うところを目撃し、スリと戦ったため、けがを負ってしまう。その後、安珠と観光地を巡ることになる。

(えい)

エピソード「秋の姫」に登場する。秋姫のいとこの少年。八誠とは仲が良く、いつも行動を共にしている。幼い頃に病気がちだったため、学年が1年遅れている。八誠と同じ学年だが、年齢は1つ年上。そのためか、同級生の中でも大人っぽく、ずば抜けて頭がよい。

秋姫 (あき)

エピソード「秋の姫」に登場する。英のいとこの少女。母親を亡くし、外国へ行った父親が戻らないため、英の家で一緒に暮らすことになる。気が強く、色気がある。その艶っぽさで八誠を翻弄する。いつも上から目線で、どこか八誠と対等に接していない感じを受ける。

彩花 (あやか)

エピソード「エデンの香り」に登場する。芸能事務所に所属する新人女優。事務所の社長からの電話をきっかけに、さえない女優から別人のように変貌。役そのものになりきり、妖艶に演じて見せた。その状態のまま、黒樫悠起と深い関係になるが、突然ナイフを取り出して彼を刺そうとする。

天野 大地 (あまの だいち)

エピソード「楽園のキス」に登場する。ヘリコプターの操縦士の青年。鈴木灯を乗せていたヘリコプターが墜落事故を起こし、無人島で遭難する。始めは互いを罵り合うものの、次第に息を合わせ、共同作業をしながら生活を始める。

場所

パゴダ王国 (ぱごたおうこく)

エピソード「シャングリラの庭で」に登場する。ヒマラヤ山脈付近の谷に存在する、誰も知らない国。周辺が雪で覆われていても、この国だけは、特別な温かい気候となっている。半世紀前、隣国がこの国を植民地にしようとやって来たことがあったため、危うく滅びかけた。それ以来、近くに遭難者がいても手を貸さない、というしきたりができた。 この国では、外国人が侵入することと、女性が肌を露出させたままで歩くことが罪となる。罪を犯した場合、王が罪人に対して鞭打ちをするポーズをとるという儀式を行う。

その他キーワード

星泣樹夜伝説 (ほしなきよでんせつ)

エピソード「星なき夜の情事」に登場する。小夜たちが育った山々の、樹齢1400年のご神木に伝わる伝説。星も出ない真っ暗な夜に、この樹の前で結ばれた男と女は、永遠に互いを求め合い、離れられないというもの。昔はこの樹の前で結婚式を行い、横にある社で初夜を迎えたことが基になっている。

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