あらすじ
第1巻
幼なじみの七瀬美雪に下心を抱いた金田一一は、彼女を誘って一泊二日の旅行に行く計画を立てる。旅行先はかつて金田一が解決した殺人事件の舞台にもなった「オペラ座館」。ここは事件後、リゾートホテルとして再建されたものの、最近は女湯の覗きなど妙な事件が多発しており、閑古鳥が鳴いているという。遂には七瀬までもが覗き被害に遭う事となり、金田一は事件の犯人を捕まえる事を決意する。(File01「オペラ座館 湯けむり事件」)
行く先々で危険な目に遭っている金田一と七瀬は護身のために格闘技を学ぶ事を決意する。そのため、格闘技に詳しい剣持勇を訪ねて警視庁にやって来た二人は、「異人館村殺人事件」の犯人・六星竜一の脱獄に出くわしてしまう。圧倒的な身体能力を持つ六星に手も足も出ないと思われた二人だったが六星には思わぬ弱点があった。(File02「異人館村脱出事件」)
雪山に七瀬、速水玲香と共に遊びに来た金田一は、速水と二人っきりになるため、迷った振りをして速水をロッジに誘う。しかし速水には、過去の事件のトラウマから二人っきりの状態で男性に近づかれるのを怖がる癖があり、金田一は小屋の中、付かず離れずの距離で速水と接する事になってしまう。(File03「雪夜叉伝説絶叫事件」)
金田一の後輩である佐木竜二は影が薄く、最近は出番も少ない事から悩んでいた。そんな佐木の悩みを解決するため、金田一と七瀬は学校の八不思議を解決し、佐木の存在をアピールする事を提案する。そして夜の学校の探索に乗り出した三人は、そこで思いがけないトラブルに巻き込まれつつも、学校の八不思議の正体に迫る。(File04「学園八不思議盗撮事件」)
ソロモン王の末裔であるクリス・アインシュタインに宝物探しに誘われ、金田一と七瀬は財宝が眠るとされる「悲報島」を訪れた。子供っぽい事を気にするクリスは何かと金田一に反発するものの、一行は協力しながらお宝探しに挑む。しかし、そこで見つかる物はお宝とは縁遠いどこかおかしいものばかりだった。(File05「秘宝島発掘事件」)
金田一と七瀬は、二人きりのデートで、悲しい恋の伝説が語り継がれる「悲恋湖」に訪れた。しかしそこに、「悲恋湖殺人事件」で知り合った香山聖子が姿を現す。香山は女社長となって会社を営んでいたが、その実態はすさまじいブラック企業であり、香山はクビにされて怒りに燃える元社員達に追われている最中だった。そんな元社員達から香山を逃がすため、七瀬は手を貸す事になってしまう。(File06「悲恋湖ゴールドアーマー事件」)
「異人館ホテル殺人事件」で「お姉さま」と慕っていた文月花蓮を失って以降、失意のただ中にいた辺見魔子は、彼女の代わりとなる人物を求めていた。そこに通りかかった七瀬を見て、辺見は、彼女ならば自身の姉代わりになるのではないかと期待する。しかし終始付きまとい、独特のテンションで自身を振り回す辺見の存在に七瀬は困惑。そんな七瀬を助けるため、金田一は一つの秘策を実行する。(File07「異人館ホテル桃鉄の貧乏神事件」)
「首吊り学園」の別名を持つ予備校「四ノ倉学園」を訪れた七瀬は、ちょっとした偶然からBL(ボーイズラブ)本を手にしてしまう。恥ずかしくて周囲に気づかれたくないと思った七瀬は、BL本を手放そうとするが、なぜかすぐに手元に戻って来てしまう。そんな呪われたBL本を、周囲に気づかれないうちに持ち帰ってさっさと処分したい七瀬だったが、こんな時に限って彼女の周りではトラブルが連発してしまう。(File08「首吊り学園呪われた装備事件」)
跡取り問題に悩む巽もえぎに呼ばれ、飛騨のからくり屋敷を訪れる事となった金田一と七瀬。しかし跡取りとなる弟達は両方とも問題児で、金田一と七瀬は共に頭を抱える事となった。そして事態は、金田一の適当な思いつきで、実力行使の戦いによって雌雄を決する事になる。しかし跡継ぎ問題は戦いを経て、誰もが想像しなかった結末にたどり着く。(File09「飛騨からくり屋敷ろくでもない三兄弟事件」)
朝の公園で偶然顔を合わせた際、七瀬はちょっとした事故から剣持勇を突き飛ばしてしまう。剣持は階段から転がり落ちて意識を失い、呼びかけても一向に目を覚まさない。そんな剣持を横目に、七瀬はなんとか自らの犯行を隠蔽しようとするが、そんな時に限って金田一と明智健悟が相次いでやって来る。だが、明晰な頭脳を持つ彼らは見当違いの方向に推理を展開し、逆に七瀬が振り回されてしまう事となる。(File10「七瀬美雪の殺人」)
第2巻
金田一一と七瀬美雪は、速水玲香から急な連絡を受けて「タロット山荘」を訪れる事となった。緊迫した速水の様子から事態を重く見た二人は急いで赴くものの、そこで目にしたのはレジャー施設となった「タロット山荘」だった。二人は速水の経営手腕によって生まれ変わった「タロット山荘」で遊ぶ事になるが、そこで速水と七瀬は人知れず女の戦いを展開する事となる。(File11「タロット山荘デュエリスト事件」)
金田一は、「蝋人形城殺人事件」で行動を共にしたエドワード・コロンボが、蝋人形職人として大成した事に衝撃を受ける。そこで金田一はある計画を企て、七瀬と共にエドワードの蝋人形展を訪れる事となった。そして金田一はエドワードに速水玲香の蝋人形を作ってもらおうとするが、それに腹を立てた七瀬とケンカをしてしまう。(File12「蝋人形展 天パ野郎事件」)
金田一と七瀬は、怪盗紳士からの予告状が届いたという、吉良勘治郎画伯のアトリエを訪れた。しかしそこにあった絵はどれも贋作ばかりだった。さらには金田一の偽物まで現れ、事態は混迷していく。紛れ込んだ怪盗紳士を捕まえるため、本物の金田一は身の潔白を主張するも、その際にセクハラ紛いの告白をした事で、七瀬の怒りを買ってしまう。(File13「怪盗紳士は紳士じゃない事件」)
金田一と七瀬は商店街の福引で一泊二日のリゾート旅行チケットを当てたものの、到着したリゾート地はガイコツが散乱する「墓場島」だった。そしてそこには、「墓場島殺人事件」で死んだはずの檜山達之が待ち受けていた。実は生き延びていた檜山は、金田一の恋を応援するためお節介を申し出る。(File14「墓場島恋バナ事件」)
列車で二人旅をしていた金田一と七瀬だったが、列車の様子はどこかおかしい。必死にその状況から目を背けていた七瀬だったが、そんな七瀬をあざ笑うように金田一の宿命のライバルである高遠遙一が二人の時間を邪魔しに現れた。今まで自分の演出した犯罪を台無しにされた事を恨みに思った高遠は、金田一への死を宣告する。高遠のもたらした悪魔的な罠によって一気に窮地に陥った金田一は、何とか抜け出そうと奮闘する。(File15「魔術列車帽子から写真事件」)
金沢に訪れた金田一と七瀬は、「黒死蝶殺人事件」で知り合った深山日影と斑目揚羽のもとを訪れる。深山と斑目は事件後に結婚し、火災保険で下りた保険金で再建した「蝶屋敷」で暮らしていたのだった。だが、深山は傍若無人なDV夫になっていた。そんな変わり果ててしまった深山を元の優しい性格に戻すため、七瀬は説得を試みる。(File16「黒死蝶悪堕ち事件」)
新進気鋭の人気ブランド「ロワゾ」の代理モデルに選ばれた七瀬は、スタジオで写真撮影を行っていた。おしゃれな服を着こなし、いつもより魅力が増した七瀬の姿に魅了された金田一は、欲望のまま七瀬に襲い掛かってしまう。自衛のため金田一を殴り倒した七瀬、このままでは不祥事になると焦る金田一。最終的な目的を同一とした二人は、全力で事態をおさめようと努力する。(File17「仏蘭西銀貨は別に送られてこない事件」)
七瀬のもとに「魔神遺跡殺人事件」で金田一に迫った宗像さつきが訪れる。故郷の村を救うため婿探しを行っている宗像を助けるため、七瀬は彼女に知り合いの男性を紹介するも、紹介する男性は全員ロクでもない変人ばかり。絶望する宗像だったが、そこに一人の男が現れる。(File18「魔神遺跡婚活事件」)
趣味の山登りに行っていた速水玲香は金田一を誘おうと連絡したものの、ちょっとしたアクシデントで連絡が途絶えてしまう。連絡が途絶えた事に剣呑な雰囲気を感じ取った金田一は、速水が誘拐されたものだと誤解してしまう。かくして金田一は速水の救出に向かうものの彼のやる気は空回りし、さらに事態は混沌としたものになって行く。(File19「速水玲香誘拐?事件」)
「魔犬の森殺人事件」の被害者を弔うため、七瀬と金田一は「魔犬の森」に墓場参りに訪れた。そこで二人は二ノ宮朋子と再会するものの、彼女が愛犬の「ユータ」と称し連れているのはどう見ても熊だった。頑なに犬と言い張る二ノ宮を金田一と七瀬は説得し、ユータと引き離す事を試みる。(File20「魔熊の森事件」)
占い好きで知的な存在として人気を集める黒河美穂は、女優デビューも決まり、さらに注目されていた。だが、周囲には何でも知っているといわれている黒河は、実際は適当な思いつきの言葉を返すだけの知ったかぶりであった。そんな彼女を試すため、金田一は「メェメェツブロ」という謎の言葉について質問。口が裂けても「知らない」と言えない黒河は、「メェメェツブロ」について調べるため奔走する事となる。(File21「銀幕の噓告鬼(ウソツキ)」)
「天草財宝伝説殺人事件」で七瀬にお宝発掘を邪魔された金田一は、彼女に内緒で再び天草下島にある「三角池(さんしゃるいけ)」を訪れていた。ダウジングの達人である美浦エミリに助っ人を頼み込みいっしょに宝探しを始めたところ、彼女のダウジング技術は想像以上で、金田一は予期せぬ命の危機に陥ってしまう。(File22「天草財宝伝説ダウジング殺人未遂事件」)
第3巻
秋田県雪影村で推理作家を目指していた太刀川都だったが、小説を書こうとペンを握るたびに寝てしまう自分の体質に悩んでいた。そんなある日、屋外でうっかりペンを握って倒れてしまったところを七瀬美雪によって助けられる。だが、そこで太刀川は、七瀬の目的が金田一一の浮気相手だと誤解された自分の殺害だと知り、思わず七瀬から逃げ出してしまう。(File23「雪影村新人推理作家寝落ち事件」)
金田一と七瀬は、取り壊されるのが決定した「露西亜館」を最後に一目見ようと訪れたが、二人はそこで「露西亜館殺人事件」で行動を共にした犬飼高志と出会う。久しぶりの再会に友情を再確認する金田一と犬飼だったが、七瀬に思いを寄せる犬飼の態度に友情は呆気なく崩壊。七瀬を巡って、金田一と犬飼は譲れない男の戦いを始めるが、事態は思わぬ方向に向かって行く。(File24「露西亜館恋泥棒事件」)
「ゴブリンサーカス団」団長のアネット根来からサーカスの招待状を受け取った金田一と七瀬は、サーカスの行われる「茜島」に赴いた。そこで二人が目撃したのは、復活した炎の巨人「MONSTER(モンスター)」だった。実は「MONSTER」に扮していたのはシークレットシューズを履いた剣持勇で、アネットの人柄に惹かれた剣持が手伝いを申し出たのだった。かくしてアネットと剣持の協力による公演が開幕する。(File25「怪奇サーカスの変人」)
金田一と七瀬は、「金田一少年の決死行」で行動を共にした周龍道を見舞うため香港を訪れた。しかしそこで二人が目撃したのは、筋骨隆々として元の面影がなくなるほどに成長した龍道の姿だった。金田一は親友である龍道の豹変ぶりに混乱しながらも、七瀬と共に龍道の案内で香港を観光する事になった。しかし精神と肉体がアンバランスに成長した龍道の奇行に、金田一と七瀬は振り回される事となる。(File26「龍道(ロンタオ)少年の決死行」)
「吸血鬼伝説殺人事件」で生死の境をさまよった緋色景介は、重度の「赤いもの恐怖症」を発症し、療養のため秋田県「無蘭(ぶらん)村」のペンションで静かに暮らしていた。そんなある日、緋色のもとに血まみれの金田一が訪れる。真っ赤な血で染まった金田一は、吸血鬼になった七瀬に襲われたと事情を話すが、これにより持病の発作を起こした緋色を助ける羽目になってしまう。助けを求めに来たはずが逆に助けを求められる金田一は、赤いもの恐怖症の緋色と共に、七瀬の目を逃れて隠れ潜む事となった。(File27「緋色伝説殺人未遂事件」)
響静歌の娘である響美土里は、母親にぞんざいに扱われた事を根に持ち、母親に反省と謝罪を求めるようになった。しかしやる事なす事すべて空回りしてしまい、逆に自分があやまる事になってしまう。そこに金田一が訪れ、過去を思い出した静歌は思い出の料理を作るものの、静歌の作ったゲテモノ料理を前に、美土里は逃げ出してしまう。感性が違い過ぎる母親を反省させるのは無理だと美土里はあきらめの境地に至るが、そこで金田一は思わぬ行動を取る。(File28「オペラ座館大反省会事件」)
一泊二日の旅行に行きすぎて金田一は赤点を取り追試を受ける羽目になってしまった。追試の教師は「伝説の塾講師」の異名をとる明智健悟で、カンニング魔の金田一対策に鉄壁の布陣をしいて追試を行う。しかしカンニングに情熱を燃やす金田一は、あの手この手で挑み、「名探偵の孫」と「エリート刑事」は追試を通じて熱い攻防戦を繰り広げる。(File29「拷問塾カンニング事件」)
七瀬とデートを楽しむため雪山を訪れた金田一だったが、再び遭難し山小屋に閉じ込められてしまう。剣持勇が二人を心配して駆けつけたものの遭難者が増えただけで、ますます機嫌が悪くなる七瀬。金田一はそんな七瀬をあの手この手で機嫌取りしようとするものの、さらに悪化してしまう。どんどん悪くなる状況を「雪霊タカハシ」の仕業にしようと金田一は目論むものの、七瀬の目は厳しくなるばかりだった。(File30「雪霊伝説のせいにしてしまえ事件」)
虫が苦手なあまり黒魔術を使って虫を駆除しようと考えた七瀬は、「黒魔術(ブードゥ)の館」と地元で恐れられる「葡萄の館」に黒魔術を教わるために訪れる。館の主である火祀夏目はそんな七瀬の態度に疑問を覚えつつも、黒魔術を教える。怪しい儀式を行う二人だったが、その儀式のとばっちりが思いがけず金田一のもとに向かう。呪いの効果によって暴走を始める金田一は意識のないまま通りかかった市民に襲い掛かる。(File31「乙女の黒魔術事件」)
剣持勇はボランティアで剣道を子供達に教えているものの、おびえられ一向に懐いてもらえない。子供達とのコミュニケーションに悩んだ剣持は七瀬に相談する。しかし相談すればするほど出て来る剣持の子供に嫌われる要因に、七瀬は頭を抱える事となる。さまざまな改善案を試すも逆効果だと判断した七瀬は、小手先の策に頼らない真心を込めた指導をするように勧める。しかし剣持は、指導に力が入り過ぎて思わぬ結果につながる事となる。(File32「剣持警部の剣道指導事件」)
スマホゲームにはまった七瀬は誘惑にあらがえず、課金により思わぬ出費を強いられる事となった。そこに「錬金術師」の格好をした速水玲香が現れ、金に困る七瀬に自分なりの金稼ぎの方法を教える。しかしその方法はどれも悪徳商法一歩手前の無茶苦茶なもので、七瀬の金欠の解決につながる事はなかった。そんな中、速水に思わぬ知らせが舞い込み、一同は金を地道に稼ぐ事の大切さを実感する事となる。(File33「錬金術盛者必衰事件」)
カゼをひいた七瀬を心配し、金田一は彼女の自宅を見舞いに訪れる。七瀬を気づかって自宅で遊べるゲームを用意していた金田一は、二人でゲームをして遊ぶ。二人は出来の微妙なゲームに文句を言いつつ楽しい時間を過ごし、七瀬もすっかりゲーマーとして染まってしまう。だがその後、金田一は意味深なつぶやきを残して去って行ってしまう。(Last File「自宅がゲームの館事件」)
登場人物・キャラクター
金田一 一 (きんだいち はじめ)
名探偵「金田一耕助」の孫。学校の成績は悪いものの高いIQを誇る男子高校生で、数々の難事件を解決してきた。しかし、逆に悪知恵を活かして七瀬美雪や速水玲香にセクハラを試みたり、カンニングをしようとしたりと、自らの頭脳を悪用する事も多い。七瀬に対しては幼なじみ以上の感情を抱いており、隙あらば一線を越えたいと思っているものの、セクハラ紛いの言動が多いため、鉄拳制裁を受けなかなか仲を進展させられずにいる。 また美人に弱く、アイドルの速水を始めきれいな女性を見ると浮気しそうになるため、それが輪をかけて二人の関係進展を阻んでいる。
七瀬 美雪 (ななせ みゆき)
金田一一の幼なじみの女子高校生で、年齢は17歳。金田一の事を異性として意識しており、一泊二日の旅行には内心期待しているものの、ムードがなく助平で浮気性の金田一に呆れ、いつも制裁を加えている。金田一と行動を共にして事件に巻き込まれ過ぎたせいでメンタル面が鍛えられ、最近ではホラーの話題を聞いたり、スプラッター的な状態の死体を見たりしても動じなくなっているのが悩みの種となっている。 遭遇した事件には興味がないのか過去の事件の記憶はかなり曖昧となっており、事件で顔を合わせた人物の顔や名前はうろ覚え状態となっている。また欲望にはかなり忠実で、ソシャゲにはまり込んで重課金をしたり、買収されたりしている。
剣持 勇 (けんもち いさむ)
警視庁捜査一課の中年の男性警部。年長者として金田一一の頼れる存在だったが、本編ではなぜか七瀬美雪や速水玲香から蛇蝎のごとく嫌われていたり、脱走した六星竜一に一撃で吹っ飛ばされたりとろくな目にあっていない。また本人も妻に内緒でキャバクラに通い詰めたり、女湯を覗いたりと、金田一に負けじと問題行動を起こしている。 子供好きでボランティアで剣道を教えているものの、その教え方がスパルタ過ぎて、周囲の子供達からは一向に懐かれる気配がない。
明智 健悟 (あけち けんご)
警視庁捜査一課のエリート警視。インテリな雰囲気を持つ美青年で、鋭い観察眼と高い推理力を持ちいくつもの難事件の解決に貢献した。かつて塾講師のアルバイトをしていた際にその優秀さから「伝説の塾講師」の異名で呼ばれており、その評判を聞きつけた金田一一の担任から金田一の追試の担当試験管を頼まれた。カンニングをしようとする金田一との戦いではつねに先手を打ち有利な状況を作り出すも、服の下にまでカンニングの準備をしていた金田一から証拠を奪おうとした際に、もつれ合うように金田一の服を脱がそうとしたため、七瀬美雪に男色であると誤解された。
速水 玲香 (はやみ れいか)
人気美少女アイドルで、年齢は17歳。金田一一も速水玲香の大ファンであり、事件で知り合って以降は何とか彼女とお近づきになろうとしている。速水も金田一との関係はまんざらでもないと思っているが、「速水玲香誘拐殺人事件」のトラウマから男性と二人っきりになると思わずおびえてしまうため、二人の距離はなかなか縮まらずにいる。 またアイドル業が息の長い仕事ではないと考えているため、投資活動を行い老後に備えて土地や資産を運用していた。だが、悪徳商法にまで手を出して集団訴訟され、財産の大半を失った。
佐木 竜二 (さき りゅうじ)
金田一一の後輩のメガネをかけた少年。ビデオ撮影が趣味だが、芸風が二番煎じ感が強く、最近は影が薄いのが悩みとなっている。それを打開しようと盗撮などにも手を出していたが、オタク的な性癖なため理解者を得る事はできなかった。自分の存在を周囲に印象づけるため、金田一、七瀬美雪と共に学校の八不思議の解決に乗り出すも、カメラの夜景モードの切り替えを忘れていたり、バッテリー残量の管理に失敗したり、カメラを扱う際に不手際が目立った。
怪盗紳士 (かいとうしんし)
予告状を出して美術品などを盗む怪盗で、紳士の名を持つがその正体は女性。吉良勘治郎の描いた絵を盗むため、吉良のアトリエに予告状を出した。変装の達人で金田一一に変装して忍び込み、金田一と七瀬美雪がケンカした隙を突いて絵を盗み出した。しかし吉良の描いた絵は贋作であったため、価値がつかなかった。
高遠 遙一 (たかとお よういち)
「地獄の傀儡師」の異名をとる犯罪者の青年。犯罪に芸術性を求める異常者であるが、金田一一には何度も邪魔をされたため、その報復として金田一の浮気写真を七瀬美雪に見せ、金田一を抹殺しようとした。七瀬には存在を完全に忘れ去られており、「地獄の振り込み詐欺師」と間違って覚えられていた。
六星 竜一 (ろくせい りゅういち)
「異人館村殺人事件」の犯人の青年。事件の際に銃で撃たれ死んだと思われていたが、驚異的な生命力で生き延びていた。本編では警察に捕まったあと、移送中に脱走した。金田一一に恨みを抱き、復讐に燃えていたが、メンタル面が弱いという弱点をつかれ再び捕まった。知能とメンタル面は弱いがその戦闘能力は高く、取り押さえようとした剣持勇を一撃で倒すほどである。
クリス・アインシュタイン (くりすあいんしゅたいん)
ソロモン王の末裔を自称する少年。周囲から子供扱いされる事に反発しており、その言動は背伸びをしたものが多い。保護者がいないと駄目という理由からソロモン王の財宝を探すため金田一一と七瀬美雪に「悲報島」への招待状を出したが、一人では何もできないため金田一には終始子供扱いされていた。
香山 聖子 (かやま せいこ)
「悲恋湖殺人事件」で夫を亡くした未亡人の女性。事件後は夫の会社を継ぎ不動産会社の女社長となったが、社員を虐げるブラック企業だったため元社員達に命を狙われる事となった。香山聖子は社員から搾取したお金で贅沢三昧をしており、黄金で鎧を作り着こんでいたり、元社員から逃げるために周囲の人間を買収したりしている。最終的に元社員から逃げるために交番に駆け込んだものの、脱税など諸々の犯罪が明るみになり逮捕された。
辺見 魔子 (へんみ まこ)
幸薄そうな雰囲気を持つ20歳の女性。「異人館ホテル殺人事件」で姉と慕っていた文月花蓮を失った事で失意のどんぞこに陥っていたが、たまたま通りかかった年下の七瀬美雪を姉の代わりにしようと目論む。その行動はストーカーのように陰湿なものだったため、困った七瀬を見かねた金田一一の策によって、別の人を姉代わりに追いかける事となった。
巽 もえぎ (たつみ もえぎ)
旧家である巽家の長女。由緒ある家の後継者を決めなければならないが、弟である巽隼人も巽龍之介も問題児であるため頭を悩ませている。家族どころか近所でも有名なほどの女児向け魔法アニメの大ファンであり、金田一一と七瀬美雪に魔法少女のコスプレを見られて以降は、開き直って外でも魔法少女の姿で行動している。後継者問題の解決方法を金田一に相談し、戦いによって決着を着ける事になったが、勝者である隼人をツッコミで倒してしまったため、巽もえぎが当主となってしまった。
エドワード・コロンボ (えどわーどころんぼ)
「蝋人形城殺人事件」で金田一一が知り合った刑事の男性。刑事コロンボの甥で、刑事として活動していたが、自分の限界を悟り蝋人形職人に転職した。その後は個展が開かれるほどの人気を集め、蝋人形職人として大成功をおさめる。ただし有名になったために増長し、横柄な態度が目立つ人間になってしまった。アフロ頭で服装も派手なものとなり、周囲からは才能と引き換えに知性を失ってしまったと認識されている。
吉良 勘治郎 (きら かんじろう)
「怪盗紳士の殺人」で殺された蒲生剛三に絵を盗作されていた中年の男性画家。事件後は画家として再出発していたものの、盗作して自分の手柄にする蒲生の手際に逆に感心し、自らもほかの画家の盗作をする画家として活動していた。「ラベンダー」の盗作作品である「ラベンダー?」を描いたが、怪盗紳士に盗みの予告状を出され盗まれた。
檜山 達之 (ひやま たつゆき)
「墓場島殺人事件」では殺人を行った犯人。殺人トリックを行うため事件中は嫌味な青年のような演技をしていたが、本来は恋愛の話が好きなお節介な青年だった。「墓場島」を訪れた金田一一と七瀬美雪の関係をもどかしく思い、金田一にお節介を申し出て二人っきりになるお膳立てをした。「墓場島殺人事件」の終盤に自殺しており、作中では生きていたように見せかけていたが実は幽霊で、金田一と七瀬は檜山達之と別れたあと、檜山のガイコツ死体を発見している。
深山 日影 (みやま ひかげ)
「黒死蝶殺人事件」で金田一一と知り合った青年。事件後、斑目揚羽と結婚し、幸せな新婚生活を過ごしていたが、金田一が再び出会った際には絵に描いたようなDV夫になっていた。実は記憶喪失で過去を思い出せない不安から斑目に辛く当たっていたが、七瀬美雪の説得によって過去を思い出し、斑目と幸せな関係を取り戻した。
斑目 揚羽 (まだらめ あげは)
「黒死蝶殺人事件」で金田一一と知り合った美女。事件後、深山日影と結婚し、幸せな新婚生活を過ごしていたが、金田一が再び出会った際には深山のDVにおびえる日々を送っていた。薄幸な雰囲気の中に色気のある女性で、七瀬美雪によってすんでのところで阻止されたものの、金田一は斑目を慰めているうちに思わず襲い掛かろうとしたほどである。 七瀬の説得によってかつての優しい心を取り戻した深山と、再び幸せな結婚生活を始めた。
黒河 美穂 (くろかわ みほ)
自主映画を作る際に七瀬美雪と共演した女子高校生。天文学に精通しホロスコープを究めた事で森羅万象知らない事がないといわれていたが、実際は聞かれた事にそれっぽく答えていただけの知ったかぶりだった。金田一一が質問した「メェメェツブロ」に対しても知ったかぶりをしたが、全然意味がわからず、スーパーなどに突撃しながら調べ、泣きながらも茨城弁で「カタツムリ」を意味する言葉である事を突き止めた。 また近々女優デビューが決まっていると言っていたが、実際は「映画泥棒」の役だった。
宗像 さつき (むなかた さつき)
過疎で存亡の危機に陥っている魔神村に住む女性。村の危機を救うため婿に来てくれる男性を探しているが、「高学歴・高収入・高身長」と高望みしているうえに結納品が不気味な「呪いの魔神具」であるため、良縁に恵まれずにいる。七瀬美雪に魅力的な男性の紹介を頼んだものの上手く行かず、最終的には元彼の鳥辺野章とよりを戻した。
二ノ宮 朋子 (にのみや ともこ)
犬好きの女子大学生。「魔犬の森殺人事件」で金田一一達と知り合い、墓参りに訪れた金田一達と再会を果たす。愛犬の「ユータ」をかわいがっており、「ユータ」がいなくなった際には東奔西走してその行方を追った。結果見つけた「熊」を「ユータ」として認識し、犬のようにかわいがっていた。その後、七瀬美雪に熊である事を指摘され、本物の「ユータ」も見つかった事で、熊の「ユータ」が森に帰るのを見送った。
美浦 エミリ (みうら えみり)
「天草財宝伝説殺人事件」で金田一一と行動を共にした少女。特技はダウジングで、金属探知機よりも正確であるといわれている。再び天草に財宝を求めて訪れた金田一が助っ人として呼んだが、ダウジングロッドで人を傷つけてしまうという悪癖があり、金田一は彼女のダウジングによって多くの傷を負った。また美浦エミリのダウジング技術は常人の域を超えており、障害物の破壊などもダウジングロッドで行っている。 その攻撃力の高さからダウジングロッドが武器と誤解され、何度か「銃刀法違反」で捕まりかけている。七瀬美雪の存在は知っているが、金田一に好意を抱き、思いをつづった手紙を渡そうとするも、再びダウジングで金田一を攻撃してしまう。
太刀川 都 (たちがわ みやこ)
秋田県雪影村在住の推理作家を目指す女性。夢を目指す情熱は確かなもののペンを握ると眠ってしまうという癖を持ち、推理小説を書こうとするたびに寝てしまう。屋外でメモを取ろうとしたところ癖で寝てしまい、倒れていたところを七瀬美雪に発見される。その際に自分の体質を説明した時は「パン」を握っても寝ており、体質はさらに悪化していた。
犬飼 高志 (いぬかい たかし)
「露西亜館殺人事件」で金田一一と共に事件の解決に貢献した青年。自意識過剰な言動が目立つが、事件に巻き込まれた理由や境遇に理不尽なものが多いため、金田一や七瀬美雪からは「超不幸な人」と同情の目で見られている。小説を書くのが趣味で、気になっている七瀬に自分の小説を読ませたが、ポルノ小説だったため平手打ちをくらい、拒絶された。 ただし金田一いわく素人小説ながら犬飼高志の書いた小説の出来自体はいいらしい。
アネット根来 (あねっとねごろ)
「ゴブリンサーカス団」の団長を務める美女。公演中は「炎の魔女アネット」を名乗り、露出度の高い衣装で演目を行う。実は年齢は38歳で、年甲斐もなく露出度の高い衣装を着ているのを七瀬美雪に心配された。また年齢とのギャップの激しい人物で、手紙は女子高校生なみにキャピキャピしていたり、ファンシーな下着を好んだりと精神面はかなり若々しい。
周 龍道 (しゅう ろんたお)
「金田一少年の決死行」の犯人。事件では金田一一と行動を共にした事から友情を育んでおり、金田一も捕まったあとの周龍道の安否を気にしていた。事件後は洞窟に12年間監禁されていた反動から一気に体が成長し、金田一が再会した時は元の少年の面影がない筋骨隆々たる大男となっていた。医者曰く精神年齢は「中学生」といわれており、見た目と中身がバラバラなアンバランスな存在となっている。
緋色 景介 (ひいろ けいすけ)
「吸血鬼伝説殺人事件」で金田一一と知り合った青年。事件での体験から、もともとの「血液恐怖症」が悪化し、赤いものすべてに恐怖を覚える「赤いもの恐怖症」になってしまった。街中で暮らす事もできなくなったため、現在は「無蘭(ぶらん)村」のペンションで静かに暮らしていた。赤がかかわる言葉にも反応し、「真っ赤」や「あかり」といった単語を聞くだけでも冷静さを失ってしまう。
響 静歌 (ひびき しずか)
「オペラ座館」の新オーナー。妙齢の女性で、響美土里は実の娘だが辛く当たっている。焼け落ちた「オペラ座館」をリゾートホテルとして再建したり、湖月レオナを実の娘よりもかわいがった事で、美土里の反発が強くなり、つねに反目し合っている。また響静歌自身ズレた部分があり、「ファントム仕様の冷凍生鶏肉」や「タランチュラと女郎蜘蛛の生サラダ」といったゲテモノ料理を娘の晩御飯に作ったりしており、それが娘の反発をさらに強めている。
響 美土里 (ひびき みどり)
「オペラ座館」の新オーナー響静歌の実の娘。静歌が湖月レオナを実の娘宣言した事に強く反発し、静歌を反省させ、謝らせる事を誓った。しかし何を言っても反論され、やり込められる事から目標は達成不可能だと挫折しかかっている。金田一一の介入によって静歌からの一応の反省と謝罪を得られたものの、響美土里にとってかなり不本意な結果となってしまった。
火祀 夏目 (ひまつり なつめ)
「黒魔術殺人事件」で七瀬美雪と知り合った17歳の女性。「黒魔術(ブードゥ)の館」と地元で恐れられる「葡萄の館」に住んでおり、訪ねて来た七瀬に黒魔術について教えた。終始七瀬のペースに振り回されていたものの火祀夏目の使う魔術は実際に効果があり、彼女の使った「呪いの人形」の魔術によって金田一は服がはじけ飛んだり、行動があやつられたり、思いがけないトラブルに巻き込まれた。
クレジット
ベース
金田一少年の事件簿 (きんだいちしょうねんのじけんぼ)
後に長期シリーズ化される『金田一少年の事件簿』シリーズ1作目。さとうふみやが作画、case2巻までは金成陽三郎が原作、それ以降は天樹征丸(樹林伸)が原作・原案を務める。高校生の金田一一が遭遇する難事件... 関連ページ:金田一少年の事件簿
関連
金田一少年の事件簿R (きんだいちしょうねんのじけんぼりたーんず)
『金田一少年の事件簿』の続編。名探偵金田一耕助を祖父に持つ高校2年生の少年、金田一一が、大がかりな復讐殺人のトリックを次々と暴いていくミステリー漫画。複数の事件で宿敵、高遠遙一の存在が背後に浮かび上が... 関連ページ:金田一少年の事件簿R
金田一37歳の事件簿 (きんだいちさんじゅうななさいのじけんぼ)
さとうふみやの『金田一少年の事件簿』の続編。前作から20年が経過して社会人となった37歳の金田一一が、再びさまざまな怪事件に巻き込まれ、その謎に挑む姿を描くミステリー。前作の登場人物も、時間の経過によ... 関連ページ:金田一37歳の事件簿
金田一少年の事件簿30th (きんだいちしょうねんのじけんぼ さーてぃーす)
ミステリー漫画や推理漫画の金字塔として知られる、さとうふみやの代表作である「金田一少年の事件簿」シリーズの連載30周年を記念した作品。過去の「金田一少年の事件簿」シリーズと同様に、多数のミステリー作品... 関連ページ:金田一少年の事件簿30th
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿 (きんだいちしょうねんのじけんぼがいでん はんにんたちのじけんぼ)
さとうふみやの『金田一少年の事件簿』で起こったさまざまな事件を、それぞれの犯人の視点から描いたスピンオフ作品。異なる動機とトリックを持ちながら、それらすべてを金田一一に見抜かれてしまった犯人達の物語が... 関連ページ:金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿