SHADOW LADY

SHADOW LADY

東欧の雰囲気を持つ街であるグレイシティを舞台に、魔界の力を借りる怪盗シャドウレディと警察の追跡劇、そして人類の欲望を糧とする魔人との対決を描く。「週刊少年ジャンプ」1995年31号から1996年2号にかけて連載された作品。

正式名称
SHADOW LADY
ふりがな
しゃどう れでぃ
作者
ジャンル
アクション
 
ラブコメ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

古い建物を多く残す高級街グレイシティでは、シャドウレディと名乗る怪盗の話題で持ちきりだった。しかしある時、シャドウレディに扮する小森アイミは、偶然出会った本田ブライトに恋心を抱いてしまう。正体がアイミと知らずにシャドウレディの捕獲に執念を燃やすブライトに、アイミの心は揺れ動く。さらにその裏では、魔石に封じられた魔人によって、人類の危機がもたらされつつあった。

登場人物・キャラクター

小森 アイミ (こもり あいみ)

グレイシティに住む17歳の少女。3歳の頃に両親を事故で亡くしており、天涯孤独の身の上だったが、現在はデモ太と2人で暮らしている。ケーキ屋のアルバイトをしており、見た目も中身も清楚で内気な少女と見られているが、実際はシャドウレディの正体である。本田ブライトと出会い、彼に恋心を抱くが、彼がシャドウレディに執着する警察官と知り、葛藤に悩むこととなる。

シャドウレディ

謎の女怪盗。不思議な力を使い、盗めないものはないと言われているが、実際は小森アイミが魔界のアイシャドウ「マジックアイシャドウ」を用いて変身した姿である。コウモリを彷彿とさせる姿をしているが、色の異なるマジックアイシャドウを用いることで、猫や鳥、兎などの6種類の姿に変身することができる。また、この形態になると性格も開放的になるようで、普段のアイミとはかけ離れた言動を取るようになる。

デモ太 (でもた)

小森アイミと共に暮らす謎の少年。コウモリに変化する能力を持っており、語尾に「ヤンス」をつけるのが特徴。アイミをシャドウレディに変身させた張本人だが、アイミ本人は内気な自分を変えてくれたとしてむしろ感謝しており、非常に仲が良い。悪戯好きだが、常にアイミのことを思いやり、アイミもまた弟のようにかわいがっている。

本田 ブライト (ほんだ ぶらいと)

グレイシティに新たに着任してきた25歳の青年警察官。発明が趣味で、犯人逮捕時にしばしば自らの発明品を活用しようとする。警察官としての能力は高いが、ドジを踏むことも多い。小森アイミが危機に陥っていたところを偶然通りがかり救出し、その際にアイミから好意を抱かれている。シャドウレディに何らかの執着を抱いており、グレイシティにやって来たのは彼女を捕まえるためである。

ドリー警部 (どりーけいぶ)

シャドウレディの捜査を専門としている、グレイシティの警察官。低身長の中年男性。シャドウレディが窃盗の予告状を出すたびに現れては捕まえるべく奔走しているが、人知を超えた力を持つ彼女にいつも一杯食わされている。シャドウレディに執着している本田ブライトを快く思っていない。

細川 ライム (ほそかわ らいむ)

グレイシティに新たに引っ越してきた少女。本田ブライトの発明仲間で、彼に友情とも愛情ともつかない感情を抱いている。ふとしたことから小森アイミと友達になり、ブライトに恋心を抱く彼女を応援する様子を見せるが、彼女がシャドウレディだということは知らない。ブライトが拘るシャドウレディに対しては複雑な感情を抱いており、発明品を使って怪盗「スパークガール」を名乗り、シャドウレディにライバル宣言をする。

ビン

魔界警察を名乗る謎の男。相棒のデロン、ルークとトリオを組み、魔の国からやってきた。その目的は、魔の国では禁忌とされている人間への過干渉をしてしまったデモ太の抹殺であり、それを止めようとする小森アイミに、交換条件としてグレイシティに売り出されたとされる魔石の回収を命じる。飄々とした物腰とは裏腹に冷徹な性格であり、スタンドプレーに走ろうとしたデロンをその場で抹殺している。

花山 クライン (はなやま くらいん)

グレイシティ有数の青年実業家。ボランティア活動に熱心で、街の人からは英雄と呼ばれているが、その裏では魔石の力を使い女性を次々と誘拐し自らの屋敷に閉じ込めている。自己顕示欲が強く、世の中の女性はすべて自分のものだとうそぶいている。その欲望が魔石に力を与え、中にいる魔人のメデューから石化能力を授かっているが、彼自身はメデューの存在を感知していない。

メデュー

花山クラインの所持する魔石に封じられていた魔人。クラインの欲望を吸い取り復活を果たす。シャドウレディを上回る戦闘能力を持つ。元々クラインに力を与えていたため、彼の持っていた石化能力を自在に操ることもできるが、人体を石化させるには視線を合さなければならない。また、手向かう者には容赦がないが、無為な殺戮や破壊を嫌う。 また、シャドウレディとデモ太の絆に注目し、人間界の滅亡を思いとどまるなど、良識も持ち合わせている。

ゼラ

メデューと出自を同じくする魔人で、ある教会の悪徳神父に魔石を介して力を与え、その欲望を吸収していた。メデューと異なり、欲のままに破壊を繰り返す邪悪な性格。その破壊衝動はやがて人類の危機となり、シャドウレディとの全面対決を呼ぶこととなる。目的は融合させた魔石に人間の欲望を集め、最終破壊魔人となることだが、それはすなわち人間界と魔の国、双方の消滅を意味している。

場所

グレイシティ

古い建物を多く残す、美しい街。金持ちが好んで住むため高級なイメージがある。反面、貧富の差が激しく犯罪も多い、昼と夜の顔がまるで違う街である。とりわけ現在はシャドウレディが噂の種となり、住人を騒がせている。なお住人たちは、苗字が日本名、名前が海外名という珍しいネーミングがなされている。

魔の国 (まのくに)

デモ太やビン、魔人たちの故郷である、人間界とは異なる次元に存在する世界。実際は人間界とは表裏一体の世界で、人間界が消滅すれば連鎖的に魔の国も消滅してしまう。人間界と干渉してはならないという掟があり、それを破ったものは魔界警察より罰を受けることとなる。

その他キーワード

リフレッシュアップ

シャドウレディの持つ能力。衣服が破損などをした場合にカスタムリペアする。修繕の際には、マジックアイシャドウより生成された衣服をまとい直すために一度全裸になるのだが、同時に激しく発光するため体を見られる心配はない。

マジックアイシャドウ

魔の国に存在する化粧品。これを眉に塗ることでシャドウレディに変身できる。感情にちなむ複数の色があり、さまざまな形態として使い分けることができる。シャドウが落ちてしまうと人間の姿に戻ってしまうが、重ね塗りすることができるため、変身を解除させるために拭って別形態に変身するというテクニックもある。

魔石 (ませき)

魔の国に伝わる宝石。何者かによって人間界に持ち込まれ、売りさばかれている。合計5つ存在し、その内部には魔人が封じられている。さらにその魔人によって絶えず魔力が放出され続けているため、放置しておくと人間界そのものに危機が迫るとされている。ただし、収納用の専用ボックスが存在しており、その中に収納すれば、魔力の拡散、並びに魔人の復活を防ぐことができる。

魔人 (まじん)

魔石の中に封じられているという存在。魔の国においても恐ろしきものであると認識されている。悪しき欲望を持った存在に力を与え、代償として欲を吸収することで力を蓄え、現世に顕現できる。5体すべての魔人がよみがえった時、世界は破滅すると言われているが、魔人には考えに違いがあり、ゼラのように世界を破滅させるためによみがえろうとする者や、メデューのように自らがよみがえってしまうのなら破滅しても仕方がないと考える者もいる。

SHARE
EC
Amazon
logo