VS.アゲイン

VS.アゲイン

一度は夢を諦め、サラリーマンに徹することを決めた実業団バレーボールチームの選手が、ふたたびバレーボールに情熱を燃やし、V・プレミアリーグ入りを目指すスポーツ漫画。予算が少ないことや、練習が仕事をしながらになるなど、企業チームが抱えるサラリーマン選手の現実を描いた作品。「週刊モーニング」2017年40号から連載開始。

正式名称
VS.アゲイン
ふりがな
ぶいえす あげいん
作者
ジャンル
バレーボール
関連商品
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あらすじ

挟土繋は練り物などの水産加工品を取り扱うネリモ食品営業部のエース。デパートでのイベントで「ハッカちくわ」が全然売れず、「さばきのエース」の挟土にお呼びがかかった。「ハッカちくわ」が売れない原因はパッケージとネーミングだと考えた挟土は、まず、商品名を隠すことにした。少し甘いちくわは子供にとってはおやつ、大人にはわさび醤油でつまみとして勧めることを思いつく。挟土は着ぐるみを着て子供連れの客を集め、広報の女の子、越野未来にチアガールの格好をさせ、試食品を配ってもらい、男性客を取り込むことにも成功。商品は完売し、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。営業部の同僚や上司は喜ぶものの、冷めた表情の挟土。挟土は仕事のためなら何でもするが、仕事が成功しても熱くなったりはしないのだった。

狭土は以前、ネリモオーシャンズの控えのセッターだった。V・プレミアリーグ昇格を懸けた試合に出場するがアタッカーとのコンビネーションが合わず、敗退。その後部員は次々と辞めていき、エースだった越野聖二朗も事故で死亡。バレー部はバラバラになり、狭土も心に傷を負ってコートを離れた。イベントを手伝ってくれた未来はバレー部のマネージャーで、活気のあったネリモオーシャンズを復活させたいと願っていた。そのため、狭土に戻ってきて欲しいと必死で頼む。一度バレーの夢を諦めた狭土はなかなか首を縦に振ろうとしないが、未来は代わりの選手がいないからと半ば強引に狭土を練習試合に出場させた。狭土は3年ぶりのコートで、体力もなく、ミスを連発するが、動けない分周りに的確な指示を出していく。結果、試合には負けてしまうが、しだいに熱い想いが蘇ってくる狭土。試合後、マネージャーの未来は、自分は越野聖二朗の姪だと語る。そして叔父が残したノートを見せた。そこには「周りからは狭土のミスに見えたかもしれないが、あの試合で負けたのは、狭土の攻めたトスについていけなかった自分の責任」「Vリーグへ行ってもう一度活気のある街を取り戻す」と書いてあった。

こうして、バレー部に戻ることを決めた狭土は、営業部でサラリーマンをしながら、ネリモオーシャンズのV・プレミアリーグ昇格への夢を再び追い始める。

登場人物・キャラクター

挟土 繋 (はさど つなぐ)

ネリモ食品営業部の社員。33歳。営業成績が良く、営業部では「さばきのエース」とも呼ばれる。仕事はできるものの、普段は口が悪く、愛想のない男性。四角い黒縁のメガネをかけている。ネリモオーシャンズの控えセッターだったが、V・プレミアリーグ昇格を懸けた大事な試合に出場し、コンビネーションが合わず敗退。その後、チームは空中分解し、敗退の責任を感じていた挟土繋もバレー部に籍を置いたまま、コートを離れた。 越野未来の勧誘により、3年ぶりに再びコートに戻ることになる。体力やジャンプ力はないが、頭脳派で洞察力に優れている。

越野 未来 (こしの みく)

ネリモ食品広報課の社員。ネリモオーシャンズのマネージャー。黒髪ボブスタイルのかわいらしい女性。故・越野聖二朗の姪。ネリモオーシャンズが地域に根付いて活気のあった時期を知っており、現在、2部で最下位を争っているバレー部を再び活気のあるチームにしたいと願っている。挟土繋にチームに戻ってくるよう促した人物。

蒼井 宗太 (あおい そうた)

ネリモ食品品質管理部の新人社員。声が大きくて、素直で単純な好青年。ネリモオーシャンズのレフトでエースアタッカー。コートに入ると熱くなり、先輩も呼び捨てにしてキツい意見を言う。チームの頼りになるエース。

越野 聖二朗 (こしの せいじろう)

ネリモオーシャンズのエースだった男性。V・プレミアリーグへの切符を逃した後、飲酒運転によるバイクの単独事故で死んでしまう。周囲はV・プレミアリーグを逃したため、自暴自棄になっていたと思っていたが、実は誰よりバレー部を復活させたいを考えていた。自分が挟土繋のトスについていくべきだったと悔やんでもいた。

佐々木 (ささき)

ネリモ食品海外事業部の社員。越野聖二朗とV・プレミアリーグを目指していたころからネリモオーシャンズの選手として活躍していた男性。現在はバレー部部長。キレやすく、3年ぶりにコートに戻ってきた挟土繋を怒鳴りつけるが、チームに受け入れる。バレー部を大切に思っており、部を私的に利用されては困ると下田常務を注意する。

下田常務 (しもだじょうむ)

ネリモ食品の取締役。ライバル会社にバレー部はまだあるのかとバカにされたことに腹を立て、勝手に練習試合を組んだあげく、試合に負けると今度はバレー部を潰そうとする自分勝手な人物。髪の長さはアゴまであり、前髪を真ん中で分けている男性。

岸村 (きしむら)

ネリモ食品営業2課の社員。169センチ、62キロ。ネリモオーシャンズではリベロ。いちいちよけいな一言が多い、お調子者。半年前、製造部から異動してきたが、契約はとれず、失敗続きで営業部のお荷物となっていた男性。部長に頼まれた挟土繋がしばらく岸村の教育係をしていた。バレー部マネージャーの越野未来が気になっている。

集団・組織

ネリモオーシャンズ

ネリモ食品の実業団バレーボールチーム。以前は強く地域に愛されている企業チームだった。V・プレミアリーグ入りを懸けた試合で控えセッター・挟土繋とアタッカーとのコンビネーションが合わず、チームは敗退した。その後、選手は次々と辞めてしまい、エースだった越野聖二朗もバイクの単独事故で死んでしまう。現在は2部リーグの降格争いをしていて、地域の後援会員も800名から200名に減ってしまった。

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