押見修造の代表作。地方都市を舞台に、男子生徒、春日高男の思春期特有の精神的彷徨(ほうこう)と自我の行方を描いた物語で、中学校編と高校編の2部構成となっている。ボードレールの詩集『惡の華』を心の拠りどころにしている中学2年生の春日は、あこがれのクラスメイト、佐伯奈々子の体操着を衝動的に盗んでしまう。その様子をクラスの問題児、仲村佐和に目撃された春日は、事実を口外しない代わりに仲村から「契約」を持ちかけられ、以後、仲村の無茶な要求に翻弄されるようになる。仲村に支配されるようになった春日は、変態的な要求に応じるうちに絶望を知り、自らのアイデンティティを崩壊させていく。本作は、思春期の鬱屈した感情と危うい精神状態をテーマにした青春漫画。登場人物の内面的な葛藤や心理描写に重点が置かれており、ボードレール的な美学を基調としている。単なる青春ストーリーにとどまらず、人間の内面の暗部と真摯に向き合う作風となっている。講談社「別冊少年マガジン」2009年10月号から2014年6月号まで連載。2010年に「このマンガがすごい!2011」オトコ編第10位、2013年に第17回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門審査委員会推薦作品を獲得。テレビアニメが2013年4月から放送。舞台が2017年7月に上演。実写映画(劇場)が2019年9月に公開。テレビドラマが2026年4月から放送。