ヤマザキコレの代表作。2013年に同人誌として頒布した作品がベースとなっている。舞台は現代のイギリス。魔力の生成と吸収に長けた「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」と呼ばれる特殊体質を持つ少女、チセが、人外の魔法使いであるエリアスのもとに、弟子兼花嫁として迎えられるところから物語が始まる。人間の世界で迫害され続けてきたチセは、エリアスのもとで魔法を学び、妖精や精霊との交流を通じて成長していく。一方でエリアスは、チセとのかかわりを通じて人間的な感情を理解していく。本作は異類婚姻譚としての要素を持つファンタジーで、ブリテン諸島の民間伝承を基盤とした綿密な世界観が特徴。作中では「魔法」は妖精や精霊の力を借りた奇跡として、「魔術」は魔法から派生した科学的技術として明確に区別されており、魔法使いたちは「カレッジ」と呼ばれる組織に所属し、魔法や魔術の研究と教育を行っている。人間以外の存在は鉄に弱いという特徴を持つが、概して人間には好意的で、彼らから「お隣さん」や「良い友達」と呼ばれることを好むなど、緻密な設定が構築されている。マッグガーデン「月刊コミックブレイド」2014年1月号から連載。同誌がオンライン誌「コミックブレイド」としてリニューアルされた際に、本作の連載も引き継がれた。また、同社の新創刊雑誌「月刊コミックガーデン」2014年10月号から同時連載となり、2023年5月号まで連載。その後。ブシロードワークス「コミックグロウル」に移籍し、2023年12月21日から連載。2014年に「コミックナタリー大賞」第2位、「このマンガがすごい!2015」オトコ編第2位、2015年に「全国書店員が選んだおすすめコミック2015」第1位、「マンガ大賞2015」第12位を獲得。2016年3月以降、特装版コミックスの特典としてしてドラマCD化、OVA化多数。2017年10月から第1期、2023年4月から分割2クールで第2期テレビアニメ化。2019年10月には舞台化もされている。