人が生きる上で欠かせない「食」を生みだす農業。しかし、その現場を知る機会はあまりない。そこで今回は、農業にスポットを当てた5作品をピックアップ。栽培・畜産・麹菌・獣医学と多様な分野にまたがる農業の世界に入門しよう。
漫画で知る農業の世界! 農業漫画特集
出典:小学館
人が生きる上で欠かせない「食」を生みだす農業。しかし、その現場を知る機会はあまりない。そこで今回は、農業にスポットを当てた5作品をピックアップ。栽培・畜産・麹菌・獣医学と多様な分野にまたがる農業の世界に入門しよう。
出典:マンガペディア
北海道の農業高校を舞台にした学園青春漫画。主人公・八軒勇吾は、中学の学力競争から落ちこぼれ、恩師にすすめられた大蝦夷農業高等学校(通称エゾノー)へ進学する。同級生は農家や酪農家の跡取りばかり。将来の夢が明確な彼らと比べて、八軒は自分の夢がないことに思い悩む。しかし、彼は家畜の世話を通じて、自分がなりたいものを見つけていく。
本作の舞台は、北海道にある実在の農業高校をモデルにした大蝦夷農業高校。北海道の酪農家の子として生まれた作者・荒川弘の実経験も反映されている。牛や鶏をはじめ、様々な家畜の世話をする描写は非常にリアルだ。また、主人公・八軒勇吾の成長も本作の大きな魅力。中学時代まで農業とは縁のない暮らしをしてきた彼は、高校に入学してから屠殺の厳しさに直面する。産卵率の低いニワトリは精肉となり、乳房の調子が悪い牛は処分される。それらの現実と向き合うなかで、彼は自分なりの命との向き合い方を学んでいく。普段は知る機会の少ない酪農の楽しさと難しさの両面を知ることのできる作品だ。
出典:マンガペディア
菌をテーマに描く、学園ドラマ。主人公の大学生・沢木惣右衛門直保(さわき そうえもん ただやす)は「菌」を肉眼で見ることのできる能力の持ち主だ。沢木は、父親のすすめで東京の某農業大学に入学。老教授・樹慶蔵をはじめとするユニークな面々と出会い、「菌」にまつわる騒動に巻き込まれていく。2007年にアニメ化、2010年に実写ドラマ化された。
本作の舞台は、東京の農業大学。農業といえば稲作や野菜の栽培、食肉用の家畜の世話といったイメージを持つ人も多いだろう。だが、農業大学では米から酒を作り、大豆から醤油や味噌を醸造する麹菌の研究もされている。そんな菌類にスポットを当てたのが本作だ。主人公・沢木惣右衛門直保は、種麹屋の跡取り息子。幼い頃より菌をデフォルメされたマスコットのような姿として見る能力を持っていた。発酵研究の権威である老教授・樹慶蔵は彼の異才に目をつけ、ゼミのメンバーとして迎え入れる。沢木の目を通して、親しみやすく描写される菌類の世界は魅力的。様々な菌の特徴や発酵の歴史を楽しく学べる作品だ。
出典:マンガペディア
獣医師を目指す主人公・西根公輝の大学生活を描く、ほのぼのコメディ。高校時代、西根はH大獣医学部教授の漆原信に「君は獣医になる」と予言され、シベリアンハスキーのチョビを押し付けられる。その予言どおり、西根は獣医学部に進学。チョビをはじめとした動物たちと交流する西根の日常が描かれる。2003年にテレビドラマ化。
本作の舞台は獣医学部だが、実は農業とも深く関係している。明治時代から農業の一部として発展してきた畜産業は、家畜の診療や衛生管理を請け負う専門家を必要とした。そこで登場したのが獣医師だ。作中では、獣医師を目指す主人公・西根光輝が家畜の飼育実習をはじめ、公衆衛生や伝染病について学ぶ姿が描かれる。獣医師がペットだけを相手にする職業ではないことがよくわかるだろう。一方で、西根のペットであるシベリアンハスキーのチョビの愛らしさも必見。小さい頃にはあまり丈夫でなかったチョビは、次第に立派な成犬へと成長する。チョビの成長日記とあわせて、事細かく描写される動物たちの愛らしい仕草に注目してほしい。
出典:SQUARE ENIX
白鳥士郎の同名ライトノベルを原作としたコミカライズ。架空の高校である岐阜県立田茂農林高校(通称のうりん)を舞台にした学園ラブコメディだ。主人公・畑耕作が神と崇めるアイドル・草壁ゆかは、ある日突然引退を発表した。気落ちする耕作の前に、草壁ゆかが木下林檎という名で転校してくる。
土と泥にまみれる農業とアイドルは相容れない。そんな先入観を逆手に取って、農業とアイドルをコメディチックに描く異色の作品だ。とある事情から笑うことができなくなった超人気アイドルの草壁ゆか(本名・木下林檎)は農林高校に転入する。生産科学科に通う高校二年生・畑耕作は、彼女に学校内を案内することを任された。林檎を心配する耕作は、彼女を連作障害を起こした土地に連れて行く。連作障害で死んだ土に、林檎は笑えなくなった自分を重ねる。しかし耕作は、そのとなりに作物を実らせることに成功した土地があることを見せる。農業は土を傷つけるが、癒やすこともできる。そのメッセージを受け取った木下は実ったトマトを口にして、少しだけ笑うことができたのだった。本作を読めば、きっと人を癒す農業の力を感じられるだろう。
出典:マンガペディア
秩父地方の農村を舞台に繰り広げられるラブコメディ。主人公・吉川和子は東京に住む調理師専門学校生。和子は秩父の山で出会った農家の後継ぎ息子・小野誠の農作業を手伝いながら、彼との甘酸っぱい愛を育んでいく。2004年にテレビドラマ化。
本作は、農作物だけを育てる農業漫画ではない。一緒に愛も育てるハイテンション農村ラブコメディだ。主人公・吉川和子は秩父の山でキャンプしていたところ、農家の後継ぎ息子・小野誠と出会い、一目惚れ。誠の家の農作業を手伝いたいと申し出て、誠と祖母が暮らす家に転がり込む。だが、和子は農業に関してはまったくのド素人。空回りして疎ましがられることもしばしば。一方の誠も、畑のことを寝ても覚めても考えている農業バカ。和子よりも畑を優先してしまう。そんな2人だが、和子は少しずつ農業の楽しさに目覚めていき、誠も和子の愛情を受け止める。こんな農業ライフを送ってみたいと感化されること間違いなしの一作だ。
295 Pt.
242 Pt.
126 Pt.
54 Pt.
53 Pt.
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