高校バスケ部の男女が繰り広げるラブコメディ。香住愛子は、男勝りで負けず嫌いな女子バスケ部のエース。男子バスケ部のスターで人気が高い天野玲欧からしょっ中からかわれ、ライバル心を燃やしていた。ある日、愛子は兄が経営するメイドカフェを手伝うことになる。猫目メイクを施し、メイド服を着て、小悪魔風メイドへと大変身。すると、たまたま客として訪れた玲欧が一目惚れをする。
愛子は、一人二役という秘密を抱えている女子高校生だ。学校では、女子バスケ部でエースを務める男勝りな「アイ」、メイドカフェでは大学生の戸田舞という設定で、小悪魔風メイド「マイ」として人気を集めている。愛子は当初、玲欧をぎゃふんと言わせるために舞としてデートを重ねていた。しかし、今まで気付かなかった彼の優しさや魅力を知り惹かれていく。その後、玲欧が舞の正体に気づき、めでたく恋人同士となった。しかし、表向きは玲欧の恋人は舞。2人が交際していることは周囲には秘密だ。もともとモテる2人の前にそれぞれのライバルが続出するなど恋の行方は前途多難だが、恋人としての距離が少しずつ縮まっていく。
男子高校生が、仲間たちに刺激を受けながら漫画制作に邁進する学園青春コメディ。踝炉暖(くるぶしろだん)は、漫画家になることを夢見ているが、「暗い」「キモい」などのイメージが強い漫画オタク扱いされることには嫌悪感を抱いていた。しかし、漫画倶楽部(通称「クラブマングース」)の部長・蕪木青春(かぶらぎせいしゅん)に見込まれたことから同部に入部。偏見通りのオタク部員が多いことにショックを受けるが、次第に、部の一員として誇りを持って漫画を描くようになる。
本作の舞台は、主人公・炉暖が通う都立ノルマンディー高校の旧校舎地下2階にある薄暗く秘密めいた場所。「開かずの13号地下扉」の向こうが漫画倶楽部の部室で、部員たちがせっせと漫画を描いている。蕪木に気に入られた炉暖は、当初、オタクばかりが集まる漫画倶楽部の仲間になることを渋っていた。しかし、好きなものを好きだとはっきり言える正直者の部員たちと一緒にいることで自身の漫画愛を再認識。「日本中の人間を感動させる漫画を描こう」と改めて決意する。ムサ苦しい男子ばかりの漫画倶楽部の中で清涼剤的存在なのが、ヒロイン・花咲乙女(はなさきおとめ)。少し天然が入っている夢見がちな少女だ。また、部長・蕪木は、友情や熱血ものを得意ジャンルとする熱血漢で、たしかな漫画の才能を持っている。地下で漫画を描き続ける漫画倶楽部員たちの青春が熱い。
人ならざる「蜘蛛の子」たちが、人間の感情が具現化した「蟲」を巡って争うバトルロイヤル漫画。主人公の逸鉢(いつばち)カズサは、野々山女學院に通う女子高校生。ある日、歩道橋から落下し流血したまま立ち去った不思議な少女の綾取やつめと知り合う。実は、やつめの正体は、人間のさまざまな感情が暴走した際に具現化する「蟲」を喰らう「蜘蛛の子」だった。平凡な少女だったカズサも、人ならざる者である彼女の血を浴びたことで、蟲が見える特殊体質へ変化してします。さらに、やつめが野々女に転校してきたことで、蟲を巡る戦いに巻き込まれていく。
本作は、野々山女學院に転校してきたやつめと、ひょんなことから彼女の能力の一部を得てしまった主人公のカズサを主軸に物語が展開されていく。「蜘蛛の子」であるやつめは、蟲を喰らうことで成長するが周囲には秘密にしている。やつめ以外にもさまざまな蜘蛛の子が現れるが、中には、蟲ではなく蜘蛛の子自体を狙ってくる危険な者も。次第に、蟲が見えるカズサも巻き込んだバトルロイヤルが激しさを増していく。蜘蛛の子はどのように誕生し、何を目的として存在いるのか。散りばめられた秘密が少しずつ明かされていく展開からは目を離せなくなるに違いない。
私立聖九洲学園の保健室を舞台に、金髪の保健医がドタバタを繰り広げる4コマギャグ漫画。香椎あやめは、金髪で派手なファッションに身を包む、ちょっと風変わりな保健医だ。大和撫子で生真面目な保健委員長の「佐々木ちゃん」こと佐々木絵真を可愛がる一方で、自分の仕事を押し付けるなど、自由奔放に振舞っている。そんなあやめを叱る役目は佐々木だ。日々、個性豊かな教師や生徒たちが集まる保健室で、にぎやかな学園生活が繰り広げられる。
保健室の主であるあやめは、世間一般的な保健医のイメージからは大きくかけ離れたユニークな人物。保健室が学園祭に参加することになった際には、「ヒミツの保健室」を立案。いかにも男子生徒の心をくすぐりそうな刺激的なネーミングで注目を集め、当日はアルコールの先天性強弱テストを行い好評を博す。保健室とは、病人や怪我人を癒すオアシス的な役割を担っているもの。しかし、あやめのいる保健室は、佐々木のストーカー化的存在である教師の中谷恭一や、超天然系で珍回答を連発する女子生徒の石川亮子など、個性的な教師や生徒が集まり、いつもにぎやかだ。数多くの登場人物をそれぞれ掘り下げて描くことで、世界観に広がりのある作品となっている。
赤塚不二夫生誕80周年の特別企画として、『ひみつのアッコちゃん』を現代風にリメイクした美少女変身ファンタジー漫画。主人公の「アッコちゃん」こと加賀美あつこの年代を、小学生から中学生へと引き上げ、魔法のコンパクトにアプリを取り入れるなど時代を反映させた設定になっている。あつこは、大切にしていた鏡が割れて涙していたが、鏡の国の女王が現れ、自分がなりたいものに変身できる魔法のコンパクトを彼女に授ける。
あつこは、魔法のコンパクトを用いて自由自在に変身できる秘密を持つ。鏡の国の女王から授けられた魔法のコンパクトに向かい、「テクマクマヤコン」と呪文を唱えれば、お姫さまにも、アイドル歌手にも変身できる。また、鏡の国の女王から人間社会に滞在する王子の護衛をお願いされ、「王子の地位に傷をつけてはならない」「コンパクトの秘密を人に知られてはならない」という2つの条件の下、コンパクトの力を使って大奮闘する。王子を守りながら、自分の将来についての考えも深めていく。もともと夢見がちで、白馬の王子さまに憧れを抱いていたあつこにとって、鏡の国の王子はまさに理想の存在。そんな彼女の恋心も絡めたラブコメ要素の強い作品となっている。