ペンギンの種類だけキャラクターもある！オススメ漫画５選45 Pt.

ギンペーは動物園にいるペンギンである。オウサマペンギンという種類で、目つきが悪く関西弁なせいか、可愛いよりも迫力があるという印象が強い。ギンペー自身はペンギンの可愛らしい動きや行動を熟知しており、客を喜ばせようというサービス精神が旺盛だ。そう、ギンペーたち上野原動物園にいる動物たちは、人間と同じように社会を形成し、暮らしているという特殊な存在なのである。定時に出勤し、閉園とともに仕事を終える。もちろん酒を飲みに行ったり遊びに行ったりもするので、なんら人間の社会人と変わりがない。ギンペーはスカウトされて入社した、所謂中途採用の社員だ。客を喜ばせるために様々な提案をするものの、乗り気じゃない同僚ペンギンたちに冷たくあしらわれる姿に、胸が痛む。ペンギンでも人間でも、周囲に合わせて空気を読むスキルが必要なのかと気が滅入るが、ギンペーはへこたれない。そのタフさは尊敬すべきペンギンである。

動物園にいるペンギンを見て、あまりの可愛さに飼ってみたい、と考えたことがある読者も多いのではないだろうか。香帆宅の冷蔵庫に突然詰まっていたエンペラーは、その名の通りコウテイペンギンである。世界最大のペンギンと言われ、体長115～13cmほどと小学校低学年くらいのサイズ。それが冷蔵庫にみっちり詰まっていたのだから、さぞ驚いたことだろう。水族館は嫌がるので、香帆宅で生活することになったエンペラーだが、当然ペンギンなので言葉は話さない。ペンギンにも一応鳴き声はあるが、エンペラーは無言の時のほうが多い。しかも目の周辺は黒いこともあり、一見すると目がどこにあるのかわからない。読者はエンペラーの目を判別することができないのだが、何を言いたいのか、何を望んでいるのか、なんとなくわかってしまうのが面白い。表情でも目でもなく、態度で雄弁に語るエンペラー。どっしりとした貫禄ある姿に、やっぱり一緒に暮らしてみたいなと憧れが募る読者もいるのではないだろうか。

ブラック企業に勤務しているペンギンは、タイトルからコウテイペンギンだと勘違いしがちだが、実はアデリーペンギンだ。身体は小さくお腹は真っ白。目の周りが白いアイリングになっているのが特徴である。なぜアデリーペンギンなのに『テイコウペンギン』なのかと言えば、主人公が驚くほどの毒舌だからだ。お客様相談室に、お客様は神様なのだからちゃんと対応しろとクレーム電話をかけてきた客に対し、神のくせに相談室に頼りやがって、と一言。思わずそれが言いたかった、と拍手喝さいをしてしまいたくなるような小気味良さである。人間社会に軋轢はつきもので、人との意見の食い違いや理不尽な仕打ちには誰でも腹が立つもの。しかし、会社という組織ではどんなに理不尽でも、無理難題を押し付けられても、我慢をせざるを得ない場合が多く、日々心の中で毒を吐くしかない。言いたくとも言えないことを代弁してくれるペンギンは、社会人のヒーロー的存在なのだ。

銀次は不慮の事故で浮遊霊状態となり、人間としてやり直す前に動物を経験することになった。転生したのは水族館で飼育されているアデリーペンギンである。何故ペンギンなのかと言えば、一目ぼれした美奈子がペンギン好きだったからという単純な理由だ。好きな相手の好きなものになるというのも、なかなか健気である。元々気性が荒く、喧嘩っ早いところもあった銀次は、ペンギンになったからといって大人しくはしていない。生まれたところから始まったが、6か月後には水族館を制圧し群れのボスに君臨。水族館のペンギン仲間の協力で、水族館から脱走した銀次は、美奈子と暮らすことになる。転生ペンギンライフは濃密だ。銀次がどのような生を全うするのか、見届けたい。

木下ベッカムは10歳。身体は青でお腹は白、くちばしと足は黄色く、頭頂部の髪が少し盛り上がっているところが特徴だ。世にも珍しい小学生ペンギンで、もちろん言葉を話すし、人間のように洋服も着用している。種類が何かと言われればよくわからない。ベッカムの他にもジョニーやロナウドという小学生ペンギンがいるのだが、彼らは唯一無二のペンギンと言ってよいだろう。どことなくサッカー選手のような名前だが、特にスポーツはしない。ベッカムはペンギンだけあって姿かたちは愛らしいのだが、その言動は可愛いとは対極にある。何せトラブルメーカーで、様々な問題行動を起こしては、なおとをはじめとした周囲を巻き込んでいた。なおととの友情を考えればほどほどに、と言いたくなるが抑えが利かないあたりが小学生らしい。母親が早々に登場しているのだが、ワニだったので遺伝的にも謎が多すぎる。やはりベッカムは他にはない、特別なペンギンなのかもしれない。