【手塚治虫】レジェンドマンガ家の知られざる名作を紹介!51 Pt.

人気アニメ化作品だけではない。手塚治虫作品の魅力をもっと掘り下げてみよう。

作成日時:2018-08-20 15:00 執筆者:マンガペディア公式

【手塚治虫】レジェンドマンガ家の知られざる名作を紹介!

出典:Amazon.co.jp

『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『ブラックジャック』『リボンの騎士』『火の鳥』、漫画の神様と称えられるだけあって、手塚治虫の著作には数多くの名作が存在する。今回は、そんな手塚作品の中でも、テレビアニメなどで誰でも知っているような作品以外からピックアップ。巨匠のさまざまな魅力に触れてみよう。


高い知能を持ちながら、良心のかけらもなく、悪魔のような犯罪を繰り返す主人公と、彼がそんな人間になるきっかけとなってしまったことに苦悩する神父。二人の複雑な関係を軸に、暴力、裏切り、性暴力、裏取引、そして政治悪、あらゆる社会悪を描いたピカレスクドラマ。本作を元にした実写映画が2009年7月に公開。

物語はショッキングな誘拐事件から幕を開ける。犯人は誘拐した少年と、身代金を持参した父親を殺害。配備されていた多数の警察官を嘲笑うかのように、身代金一億円を奪って忽然と姿を消す。犯人の名は結城美知夫。関都銀行新宿支店で主任を勤め、出世街道を突き進む若きエリート銀行員。だが、彼の心は幼少期に経験したある事件によって、大きく蝕まれていた。その事件の元となったのは、某国が開発した「MW」と呼ばれる化学兵器。冒頭の少年誘拐事件を皮切りに、結城は様々な犯罪に手を染めながら、「MW」の真相を明らかにしていく。「従来の手塚カラーを打ち破り、あっけにとられるようなピカレスクドラマを書いてみたかった」と、作者自身が語ったように、数ある手塚作品の中でも異彩を放つ内容の一本だ。


旧家の大地主・天外家の家族を狂言回しとして、戦後日本の社会の移り変わりを描いた物語。家族による土蔵での監禁生活、近親相姦などのタブー要素を絡めつつ、ストーリーはダイナミックに展開する。その中で際立つのは、美しく成長していく奇子の無垢なエロスだ。

舞台は終戦直後の日本。主人公の天外仁朗が、マニラの収容所から復員してきたところから物語は始まっていく。彼の生家である天外家は、代々続く東北地方の大地主。しかし、農地改正法、特別措置法などの影響で衰退気味。そんな天外家にはひとつの大きな秘密があった。それは、彼が出征している間に生まれた末娘・奇子の存在。実は彼女は、長男の市郎の嫁であるすえと、家長の作右衛門の間に出来た子供だったのだ。彼女の出生以外にも複雑な事情を抱える天外家と、奇子の辿る数奇な運命を軸に、戦後日本の動乱の模様を描いた問題作。物語は全3巻で完結しているが、手塚本人はもっと長編の予定だったと語っている。当人は続きを描く意欲満々だっただけに、その後にどんな物語を紡ぐつもりだったのかも気になる作品だ。


世界でも珍しい謎の風土病「モンモウ病」。四国に古くから伝わる犬神伝説の元とも言われ、発病者は先祖返りでも起こしたように、犬に似た動物のような姿になってしまう。この架空の奇病を巡る騒動を中心に、外見や人種による差別と偏見、医学会の権威主義などの問題を鋭くえぐった衝撃作。

M大学医学部附属病院の第一内科に所属する青年医師・小山内桐人は、人間が獣のような姿に変貌してしまう奇病「モンモウ病」の患者を担当し、その治療にあたっていた。上司である竜ヶ浦教授が伝染性病原体説を主張するのに対し、小山内は風土病であると確信して論文を提出する。そんな彼に、竜ヶ浦は患者の故郷である徳島県犬神沢村へ調査に出向くように提案。小山内はその提案を受け入れ、犬神沢で1ヶ月間、調査を行うことになる。だが、その決断は、彼の運命を大きく歪めることとなる。医療を題材にした手塚作品と言えば『ブラックジャック』が真っ先に挙がるが、本作はそれ以前に描かれた医療漫画だ。


『アトムキャット』

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言わずと知れた名作『鉄腕アトム』をベースにしたリメイク作品。『鉄腕アトム』が大好きな少年・つぎ夫に拾われた仔猫の「アトム」が、ロボットとして生まれ変わって活躍する。児童向けのギャグ作品。

仔猫の「アトム」は、車に轢かれて死んでしまう。その車を運転していたのは、極秘で地球を訪れていた宇宙人。責任を感じた宇宙人は、彼らの技術でアトムをロボットとして甦らせた。ところが、飼い主であるつぎ夫の記憶を参考に再生したせいで、仔猫のアトムと、つぎ夫が大好きな漫画の『鉄腕アトム』を勘違い。かくして、『鉄腕アトム』と同等の能力を持つ、10万馬力のスーパーキャットが誕生。分不相応すぎる力を手にした仔猫のアトムは、様々な騒動を巻き起こすこととなる。『鉄腕アトム』は誰もが知る漫画だ。しかし、手塚治虫自身がそのセルフパロディ的な作品を描いていたことは、あまり知られていない。物語の中では、『鉄腕アトム』の名シーンが再現されるなど、ファン心をくすぐる演出が随所に散りばめられている。


死後の世界をテーマにした異色のSFオカルト漫画。1970年代に巻き起こったオカルトブームを背景に、死とUFOなどの超常現象をドッキングさせて描いた実験的な作品だ。

物語の主人公・北村市郎は、パン屋でバイトをしながら夜間学校に通う苦学生。彼はある夜、幽霊が大行列している場面に遭遇。逃げ出したところに鉢合わせた雑誌記者・本田に、自分が体験した一部始終を語る。その日を境に彼の人生は一変する。自らを幽霊だと語る謎の美少女との出会い、本田記者の交通事故死と、死後の世界から届いた本田記者による異次元通信。やがて彼は、死後の世界での過酷な争いに巻きこまれていくこととなる。手塚自身が、「もう支離滅裂」と評したように、話の出来そのものは賛否の分れる内容だ。しかし、霊魂や死後の世界にSF的な解釈を交えながら、エンターテイメントに昇華させようと挑戦した。その手塚治虫の貪欲な姿勢が興味をそそる作品だ。


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