ギャグと野球と青春の『Mr.FULLSWING』182 Pt.

『Mr.FULLSWING』、通称ミスフル。少年漫画雑誌、週刊ジャンプで連載されていた青春野球マンガだ。真面目な青春野球をしているとかと思いきやその大半をギャグが占めている。しかし、必殺技の特訓シーンなどはギャグ要素をなくしているためスポ根要素も多分に含まれている。

ストーリー
主人公猿野天国は高校1年生。親友の沢松健吾とともに、野球の伝説を持つ埼玉県立十二支高校へ入学する。部活動見学と称し、女子更衣室を覗くなどという（そして返り討ちされるまでが一連のパターン）セクハラまがいの行動ばかりする問題児。彼は野球部マネージャーの鳥居凪に一目惚れするが、野球に関しては素人。人並み以上の怪力を持つが幼少の頃から好きになった女の子をスポーツ男子に奪われた経験からスポーツが嫌いであった。しかし、凪を彼女にしたい一心で猿野は野球部へ入部する。

伝統はあるが、近年弱体化が進んでいる野球部を改革するべく監督羊谷遊人が行った入部試験。様々な試験を行い、最終試験まで残った上位生徒による最終試験ヤキュウケンを行う。

羊谷監督が野球部を更に強くするために行った強化合宿。2人組になった選手が協力しあって山から宿まで下山するという最初の試練から、3つのボールを同時にキャッチするなど、形に当てはまらない無茶な合宿内容。また、その合宿の成績を考慮し、夏の甲子園のレギュラーを決める。このことによって、レギュラー内容に不服な1年生と2,3年生の勝負を行うこととなる。

埼玉県代表、甲子園常連校の私立華武高校との練習試合。十二支高校主将と牛尾と、華武高校主将の屑桐は中学生の時の友人でありチームメイト。また、十二支高校1年犬飼と華武高校1年で4番の御柳は幼少の頃は一緒に野球をしていた幼なじみだった。それぞれのプライド掛けて2校は戦う。

ついに始まった夏の甲子園地区予選。十二支は最終戦まで華武高校まで当たらないトーナメント結果となったが、彼らが決勝まで進むには曲者揃いの強敵高校を打破らなければならないのだ。

甲子園も閉幕し、3年生は引退する。しかし、それぞれ県の選りすぐり選手を集め、日本の中でどの都道府県が最も野球が強いかを決める総力戦が開催されることが甲子園の閉会式で宣言された。十二支代表の1人として猿野は選手に選ばれるが、これから共に選手として戦うのはかつて戦ってきたライバルたち。はたして埼玉県は都道府県で優勝できるのか＿＿。

かつて甲子園まで上り詰めた伝統校。十二支高校の時計は、かつての野球部が打ち上げたボールが突き刺さった記念として、時間が止まったままの姿で残されている。しかしそれ以降の野球部は、入部数は多いものの年功序列が重視され、甲子園埼玉県代表になれていなかった。レギュラー（ヒロインの鳥居も）にはそれぞれ十二支にちなんだ漢字が使われている。また、在学生の多くも動物にちなんだ漢字を使用している場合が多い。