演ずることが生きがいです!演劇漫画オススメ5選30 Pt.

観客の視線を受け、舞台上でポットライトを浴び、自分ではない何者かを演じるとは、どのような気分だろうか。そんな演じることの魅力にはまった人々を描いた作品を紹介しよう。天才女優の鮮やかな活躍から青春の汗が光る高校演劇まで、熱い演劇漫画が勢ぞろいだ。

作成日時:2019-08-22 10:00 執筆者:マンガペディア公式

演ずることが生きがいです!演劇漫画オススメ5選

出典:小学館


『君の大声を聞いたことがない』

『君の大声を聞いたことがない』

出典:小学館

地味で目立たないアラサー女子が役者を目指す遅咲きの青春ドラマ。高橋かすみは、地味でダサくて冴えないOL。もうすぐ30歳の誕生日を迎えるが、恋人も友人もなく、家族以外に祝ってもらう予定もない。そうして迎えた誕生日にかすみは、早く帰宅するのがいやで小さな劇場に立ち寄り、役者たちの輝きに衝撃を受ける。そして、役者になることを決意する。周囲の反対をはねのけ、遅まきながら夢を追い奮闘する。

俳優というと、華やかで美しい人や個性豊かな人という印象がある。しかし、主人公のかすみは、美人でも個性的でもない、存在感ゼロの脇役タイプ。同僚から「生きてて楽しいこととかあるのかな」と言われてしまうほどだ。彼女が働いている会社で、清掃員のアルバイトをしている作井は、中年ながらも役者をめざし続け「ドリーマー」とあだ名されている。かすみは、彼から小劇団のチケットを売りつけられ、舞台を見に行く。そして、舞台で輝いている役者たちに魅了される。30歳にして役者という夢を追う彼女が、「向いていない」「今さら」と眉をひそめる周囲を振り切り、演技の道を歩む様を見届けてほしい。


『アクタージュ act-age』

『アクタージュ act-age』

出典:集英社

天才的な演技の才能を持つ女子高校生が女優として成長していく演劇ドラマ。夜凪景(よなぎけい)は、大手芸能事務所「スターズ」の俳優発掘オーディションに、賞金目当てに参加をする。審査員を務めていた映画監督の黒山墨字(くろやますみじ)は、凡庸な演技をする参加者ばかりの中、静かに佇むだけで感情を表現した景に衝撃を受ける。その才能に魅せられた黒山は、自らの映画作品のため彼女を役者の世界へと誘う。

景が参加したのは、3万人を超える参加者を誇る俳優発掘オーディションだ。映画監督の黒山と出会ったのは第5次演技審査で、12名にまで絞られていた。そんな厳しい審査で、本格的な演技経験もなく、芸能事務所にも所属していない景が残ったのには大きな理由があった。彼女は役柄になりきるため、自らの過去の体験や感情を呼び起こす「メソッド演技」という技法を独学で身につけていた。そのため、彼女の演技はリアルで真に迫っている。一方で、演出家や台本の指示から逸脱して暴走するという致命的な弱点も。しかし、オーディションでの経験で人前で演じることの喜びを知った景は、役者を目指して厳しい道を歩み始める。


『累』

『累』

出典:講談社

他人の顔を奪える口紅を手にした醜い少女が、舞台女優として成功していく中で、美醜の問題をえぐり出した人間ドラマ。淵累(ふちかさね)は、美人女優として名高かった淵透世(すけよ)の娘だが、母とは似ず醜く生まれ、周囲からいじめられていた。しかし累は、亡くなった母が遺した「他人と顔と声を入れ替えられる口紅」を手にしたことをきっかけに、舞台に立ち、女優としてスポットライトを浴びる側として生きていくことを決意する。

女優といえば、美しさの代名詞ともいわれる職業だ。主人公の母も、演技力はもちろん、美人女優として有名だった。それだけに、醜い容姿で生まれた累が味わった苦しみは大きい。しかし、母が遺した他者と顔と声を入れ替える謎の口紅が、彼女が秘めていた演技の才能を開花させる。美しさを受け継ぐことはできなかったが、演技の才能はたしかに引き継がれていた。累は、演じる喜びを知り、口紅を使って舞台女優として成功していくが、その先には大きな代償が待っていた。演劇ドラマと美醜によって左右される人間ドラマが絡み合う秀作だ。


『まくむすび』

『まくむすび』

出典:集英社

高校演劇と出会った少女が、創作の情熱を燃やす青春群像劇。土暮咲良(つちくれさくら)は、仙台星見高校に入学したばかりの高校1年生。幼い頃から物語を描くのが好きで、漫画を描き続けてきた。しかし、ある理由からその道を諦め、新しい自分を見つけて「変わりたい」と思っている。同時期、仙台星見高校演劇部は廃部の危機を回避しようと、部員勧誘に必死になっていた。咲良は、偶然から高校演劇の世界へと足を踏み入れる。

高校デビューを機に、「新しい自分になりたい」と考えるのはよくあることだ。しかし、咲良の場合はやや後ろ向きだった。大好きだった漫画をやめようと考え、書きためてきた作品を処分しようとするが、誤って1作品を学校へもっていき失くしてしまう。そんな中、新入生歓迎会で演劇部の発表が行われ、失くしたはずの自分の漫画が舞台化されていた。咲良は、勝手に舞台化されたことへの怒りや恥ずかしさを覚えるが、自分の物語にみんなが引き込まれてる姿に興奮を抑えきれなかった。彼女は、仲間と一緒に“何か”を創作する喜びを味わえる高校演劇の世界へ足を踏み入れる。


『すみれの花咲くガールズ』

『すみれの花咲くガールズ』

出典:小学館

コンプレックスだらけの女子高校生が宝塚オタクの男子に後押しされタカラジェンヌを目指す学園コメディ。宇佐美真由は、背の高さと男顔がコンプレックスの高校1年生。目立つことを嫌い、活動実態がない演劇部に所属し、女友達と平和な日常を送っていた。しかし、宝塚を溺愛する転校生の梶本辰之進が入部してくる。辰之進は、学園祭での上演演目を勝手に「宝塚ショー」に決め、真由は彼の指導の下、タカラジェンヌを目指すことになる。

演劇にはさまざまなジャンルがある。その中でも、女性だけの演劇である宝塚は唯一無二で、独特の世界観があるだけに熱狂的なファンも多い。宇佐美をタカラジェンヌへの道へと引っ張りこんこんだ辰之進も、宝塚を凄まじい情熱で溺愛する男だ。普段からレオタードを着用し、ダンスの基本であるバレエもばっちり。宝塚が好きすぎて、男性なのに宝塚音楽学校を受験したこともある。そんな辰之進は、宇佐美のタカラジェンヌとしての素質をいち早く見出す。コンプレックスから男顔を隠すように髪を伸ばし、背を丸めていた宇佐美を少しずつ変えていく。宝塚愛とコメディが絶妙のバランスで盛り込まれ、宝塚が見たくなってしまう作品だ。


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