両親が営むケーキ店を継いで、父親のような美味しいケーキを作れるパティシエになることを夢見るヒロインが、ケーキ屋閉店のピンチに持ち前の笑顔と明るさを武器に奮闘する青春スイーツ系ラブストーリー少女漫画。木実りんご(きのみりんご)の夢はパティシエになって両親が営むケーキ店「ナッツベリー」を継ぐこと。そのため、普通の女の子が興味を持つアイドルには見向きもせず、日々色々なケーキを食べてはメモし、新しいケーキ作りの研究に余念がない。
「ナッツベリー」にはよくケーキを買いに来てくれる若い男性の常連さんがいる。その日も彼は、ケーキで買うとレジ担当のりんごがお礼を言いきらぬ内に、そそくさと帰ってしまうのだった。その直後、「今日はこちらの店を頂きに参りました」と、一人の男の姿が。りんごは両親から、「ナッツベリー」は経営費として1千万の借金をしており、2割を今月中に返さないと店を手放す約束になっていたことを初めて聞く。ショックを受け、店の前で泣き崩れるりんごの前に常連客の男性が現れ「この店好きだったのに」と呟く。その言葉に「食べたいと思っている人がいるのにあきらめるなんて」と一念発起したりんごは「私が何とかしてみせます」と言い放つ。作者のデビュー後初連載となるフレッシュな作品。
閉店が夜中の2時という風変わりな洋菓子店を舞台に、オーナーと訳ありパティシエを主軸とした奇妙で個性的な面々の人間模様を描いたスイーツ×男子系ヒューマンドラマ漫画。深夜営業の洋菓子店「アンティーク」。そこはエリート商社マンだった橘圭一郎が脱サラ後に骨董屋だった店を買い取って開業した店だが、女性受けがすこぶる良いオーナー圭一郎の采配と腕の立つパティシエが作るスイーツが評判を呼び、密かな人気店となっていた。2001年テレビドラマ化、2008年テレビアニメ化。
母方に大財閥の会長である祖父を持ち、裕福な家庭に育った圭一郎が突然に商社を辞めて洋菓子店を開業すると言い出した時に、父親が連れて来たのがパティシエ小野裕介である。裕介は感性豊かで非常に実力のあるパティシエなのだが、方々の勤務先でスタッフを口説きまくり、様々なトラブルを引き起こしていた。そのため、どこの店も長く続かなかったのである。どんな男性も落とせる魔性の魅力を持つ裕介だったが、圭一郎にだけは全く通じない。それもそのはず、圭一郎と裕介は元同級生であり、裕介は高校生の時に圭一郎に告白して惨敗した過去があったのだ。洋菓子店のオーナーでありながら、過去のトラウマでスイーツが苦手な圭一郎と女性恐怖症になった裕介。そんな二人が供するスイーツは今宵も女性たちを魅了する。
名前そのままに乙女チックな恋愛を夢見たまま25歳になった主人公が高校生の頃に憧れていた人に誘われて働き始めた洋菓子店で、大好きなケーキ作りに没頭していく職業ヒューマン系ラブストーリー漫画。勤務先のスーパーが閉店したことで失業してしまった山崎音女(やまざきおとめ)は、結婚を夢見るも未だに彼氏はいない。20代で結婚したいと思ってはいるが、いつか運命の人に出会えるのだと信じており、結婚相談所やお見合いパーティに行くことを躊躇っていた。
パソコンが苦手で再就職は条件が厳しそうだと嘆く音女に友人たちは「お菓子作りのブログを掲載しているのだから、パティシエを目指したら」と提案するが、音女は「お菓子作りは趣味だから、パティシエになるつもりはない」と答える。そんなある日、彼女のブログを見た男性からメールが届く。その人は音女が高校生の時に家庭教師をしてくれていた土屋幸平だった。音女がお菓子作りに目覚めたのは甘党の幸平に喜んでもらいたかったから。憧れの幸平と会うことになった音女は、当時大学生だった彼が大学を辞めてパティシエの道に進んだことを知る。幸平から「自分が勤務している洋菓子店で働かないか」と誘われた音女は有頂天になるが、女性を雇いたくないオーナーの大門勇(だいもんいさみ)から大反対されてしまう。恋愛にも仕事にも消極的だったヒロインがお菓子作りを通じて成長していくストーリー。
スイーツ店の聖地である自由が丘で振られてしまった女子高生が、帰り道で偶然見つけたケーキ店でバイトしていた店員が、全学年女子人気ナンバーワンの男子だったという出会いから始まる、ドS男子系スイーツラブコメディ漫画。ケーキが大好きな女子高生の有村未羽(みう)は、彼氏との2度目のデートで、ケーキについて熱く語りすぎる癖がつい出てしまい、相手から引かれて振られてしまう。失恋の悲しみをケーキで癒そうと考えた未羽だったが、道を間違えてお目当てのケーキ屋を通り過ぎてしまった。
そのまま諦めて帰ろうと思った未羽は、ふと見つけた別の店からの甘い香りに誘われ思わずその店の扉を開ける。「ここは絶対に美味しい」と確信し、ケーキを買って帰ろうと思った未羽の前に「もうケーキはありません」と告げる、校内全女生徒の憧れの的である最上颯人(もがみはやと)の姿が。未羽が同じ高校だと知った颯人は「俺がここで働いていることを絶対に言うな」と荒々しく壁ドンする。女子に冷たい颯人は「冷酷王子」と呼ばれていた。失恋を癒すケーキが売り切れていた上に、颯人からのキツイ仕打ちに未羽は思わず泣き出してしまう。颯人の横柄な態度にオーナーの青山は未羽に謝罪するよう促し、颯人は彼女のためにケーキを作ることになる。彼が作ったケーキを口にした未羽は余りの美味しさに驚く。スイーツ女子を翻弄する魅惑的でミステリーチックなパティスリーの世界を描いた癒し系作品。
腕のいいパティシエがいるにもかかわらず、いつも開店休業状態の雰囲気の洋菓子店を営む三兄弟には、誰にも言えない秘密があるというドタバタファンタジー系パティスリーコメディ漫画。丘の上にひっそりと佇む「菜花(なのは)洋菓子店」。このケーキ店を営むのは長男でシェフの菜花大夢(タイム)と次男で会計担当の正路(セージ)、そして店の看板ボーイで三男のぱせりの三兄弟である。タイムの作るケーキは天使のようだと評判なのだが、なぜかいつもやる気がない。
木屋町苺(きやまちいちご)は「春つみいちご」の名で美味しいスイーツを探してレポートするブログを掲載している。ところが、町のケーキ屋は水曜日が休みでどこもやっていない。「こうなったら、となりの町まで行ってやる」スイーツ熱に燃える苺はダイエットも兼ねて歩き出すが、途中で「菜花洋菓子店」の看板を見つける。「本日レディースデー全品300円引!!」の文字に釣られて小高い丘の上にある店までやってきた苺だったが、ショーケースにあったのはクレームブリュレのみ。おまけに7万円というとんでもない値段が付いていた。その上、出てきたシェフはくわえ煙草で「寝坊してそれしか作れなかった」と悪びれる様子もない。実はこの洋菓子店には、人気が出てはマズイ理由があったのである。それはタイムがこの世に存在していないことだった。