尾田栄一郎による大長編漫画。海賊王を目指す少年、モンキー・D・ルフィが、かつての海賊王が隠した財宝を探すため、仲間たちと共に冒険を繰り広げる。作中には膨大な数のキャラクターが登場し、また有名人を元にしたものも多い。モデルになった人物は、海外のミュージシャン、映画俳優等、多岐にわたるが、その中でも一際目を引くのは海軍大将の4人であろう。松田優作を元にした「青雉」、田中邦衛を元にした「黄猿」、菅原文太を元にした「赤犬」、勝新太郎を元にした「藤虎」と、邦画の世界で強烈な個性を光らせていた4人のビジュアルは、作中のキャラクター設定と相まって、読者に大きな印象を与える。
プロの「ハンター」を目指す少年・ゴン=フリークスの成長と冒険を描いたファンタジーアクション漫画。連載15年を越す、富樫義博を代表する作品の一つ。作中には有名人をモデルとしたキャラクターが登場するが、似顔絵レベルでそっくりというわけではなく、作者の絵柄に落とし込まれている。一番わかりやすいのは念能力者・ゴレイヌで、お笑いコンビのガレッジゼールのゴリがモデルとなっている。また作者の富樫義博が日本のロックバンド「L'Arc~en~Ciel」のファンということから、ボーカル・hydeをモデルにしたクロロ=ルシルフルというキャラクターも登場する。ちなみにhydeは、作者の前作『レベルE』の主人公バカ王子のモデルにもなっている。
原作:武論尊、作画:原哲夫による、核戦争後の荒廃した近未来を舞台にしたバトルアクション漫画。作品の世界観自体がジョージ・ミラー監督作の映画『マッドマックス2』から強い影響を受けている。主人公・ケンシロウのファッションは『マッドマックス2』の主人公マックス。悪漢たちは、敵対する組織のメンバーやその幹部のウェズが原型となっている。また、連載当時の有名人たちをモデルにしたキャラクターも多数登場。ロックグループ・カルチャークラブのボーイ・ジョージをモデルにしたユダ、ドルフ・ラングレンをモデルにしたファルコ、リチャード・ギアをモデルにしたアイン等、いずれも80年代に一世を風靡していた人物ばかりである。
森田まさのりによる学園漫画。帝拳高校を舞台に、主人公・前田太尊や友人たちが巻き起こす騒動や青春を、時にシリアスに、時にギャグタッチで描く。本作には日本のロックバンド・ブルーハーツをモデルにしたキャラクター「大場浩人」「海老原昌利」「松村純之助」「石松徹也」が登場するのだが、下の名前が同じなうえ、本人達公認という非常に珍しい例である。またこの作品は、物語中でボクシングも扱っているため、登場人物の名前がボクサーや格闘家にちなんだものが多い。
高校生・藤井冬威が、インディーズバンドからソロメジャーデビューへと音楽の世界を駆け抜けていく様を描いた作品。モチーフが音楽ということでモデルも同ジャンルの人間ばかり。シーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠をモデルにした鮎見初雪。デッド・オア・アライブのスティーブ・コイをモデルにしたキョウ。バウハウスのピーター・マーフィーをモデルにした引田真亜樹等々、人物のチョイスに作者のセンスが光る。作品中で一番目を引くのは主人公のライバル的存在・哀川陽司だろう。このキャラクターは日本の歌手・吉川晃司をモデルにしており、実際の人物と同じく、ヘアスタイルやファッションを次々と変化させ、作品に独特のリアリティを与えていた。またこの作品が縁となり、作者の上條と吉川の対談の実現や、吉川のアルバムのジャケットアートを手掛ける等、上條の仕事が現実の方へと発展していっているのも面白い。