人類滅亡に瀕した世界を舞台のアクション漫画。人類を救う目的で結成された、国際平和隊の幹部組織「虹組」は、天才科学者の手によって誕生した超人ばかりが集められた、世界の秩序を守るエリート集団だ。その中のNo.吾(ファイブ)が、規律を破って突然逃走したことから混乱が生じ始める。彼は、No.王(ワン)の城で、1人の女性・マトリョーシカを誘拐して逃走。虹組のメンバーたちとの死闘を繰り返していた。同時に、国際平和隊の解散を唱える軍と虹組の政治的争いも激しさを増していく。
主人公であるNo.吾は、ミステリアスな逃亡者だ。秩序を守るエリート集団「虹組」の一員として、武闘派の天才スナイパーとして活躍していたが、突如逃走したため、反逆者として追われる身となった。彼が所属していた虹組は、PAPAと呼ばれる天才科学者によって造られた人造人間の集まりだ。No.吾が連れて逃げた女性・マトリョーシカは、PAPAのお気に入りの最高傑作で、マドンナ的存在だった。虹組から次々に刺客が送られ、時には、引き込まれた精神世界での戦いでダメージを負うNo.吾。神話的な世界観のもと、超人同士の壮絶なバトルや政治的争いが繰り広げられ、人類の退廃的な未来を思わせる独創的な松本大洋ワールドが展開される。
『未来日記』の外伝作品で、雨流みねねを主人公としたSFミステリー漫画。国際テロリストとして全国から指名手配されているみねねは、新米警官の大嶋夏子になりすまし、警察内部に潜んでいた。本編とは違った角度から未来日記にまつわる物語を知ることができる。
未来のことが綴られている「未来日記」の保有者は全部で12人。その9番目の保有者が、本作の主人公であるみねねだ。彼女は、子どもの頃、紛争に巻き込まれて両親が死亡したことをきっかけに、神や宗教関係者に恨みを抱いている。そのため、テロ行為を重ね、指名手配されている逃亡中の身だ。新米警官の夏子を殺害し、彼女になりすまして警察内部へ潜入することに成功したが、自分が何者であるかを常に意識しておくため、「逃亡日記」を記録していた。これが「未来日記」となり、12人の保有者同士によるサバイバルゲームに身を投じることとなる。本編では触れられなかった、逃亡中の経緯や、西島との馴れ初めなどが描かれているため、彼女の魅力についてより深く知ることができるだろう。
人間世界(サグ)と精霊世界(ナユグ)が重なる世界で紡がれる、壮大なファンタジー。文化人類学者でもある上橋菜穂子の児童向け文学「守り人」シリーズを原作としたコミカライズだ。主人公は、短槍使いの女用心棒・バルサ。新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを助けたことをきっかけに用心棒となり、帝の差し向ける追っ手から彼を守るため、共に逃亡生活を送る。新ヨゴ皇国を取り巻く各々の国が抱える事情や登場人物たちの思惑が絡み合う複雑な人間模様の中、バルサに生き様を学んでいくチャムグの成長が描かれる。2007年にテレビアニメ化、2016年にテレビドラマ化。
主人公のバルサは、幼い頃から逃亡生活を送っている。生まれ育ったカンバル王国で父親が陰謀に巻き込まれ、父の親友であるジグロと共に母国を脱出。逃亡生活を余儀なくされた。その旅の途中で、ジグロから、生きるための術や短槍の武術を教え込まれ、「短槍使いのバルサ」と呼ばれるようになる。用心棒を生業に生きてきたバルサが、ひょんなことから出会ったのは第二皇子のチャグムだった。水の精霊の卵を体内に宿している皇子は、卵の孵化を阻もうとする帝や精霊界の怪物から命を狙われる身。バルサは、チャグムの母・ニノ妃から依頼され、用心棒として彼を守ることになる。常に生死と隣り合わせの厳しい逃亡生活を送るうち、2人の間には信頼関係が築かれていく。
テレビアニメ「機動戦士ガンダム」の外伝作品。宇宙世紀0079年に始まった、ジオン公国VS地球連邦軍による大戦「一年戦争」の後期を舞台に描かれるSFロボット漫画だ。地球連邦軍には、ジオン公国からの亡命兵士によって構成されたアグレッサー部隊が存在していた。主人公で少年パイロットのチェイス・スカルガードもその1人。ジオン軍からは裏切り者として、地球連邦からはスパイとして見られるなど孤立無援状態の中、戦うことの真の意味を問いながら戦闘に臨む。
主人公・チェイスが所属するアグレッサー部隊は、ジオン公国から逃走&亡命した脱走兵からなる部隊だ。そのため、ジオン公国からはもちろんのこと、味方となったはずの地球連邦軍からも白い眼を向けられていた。チェイスがジオン公国から亡命したのには、子どもの頃に命を助けてくれた、父親代わりの存在であるハインツ・ハイウェイ軍曹が深く関係している。美麗な作画によりMS(モビルスーツ)の躍動感が際立つことで、戦闘シーンも見応えたっぷりな本作。戦略と戦術がぶつかり合う中、複雑に絡み合っていく人間ドラマも見どころだ。
「地獄の最強部隊」と呼ばれる特殊部隊「パッパラ隊」の活躍を描いたハイテンションミリタリーギャグ。作者・松沢夏樹のデビュー作『突撃!パッパラ隊』の約200年後を舞台にした続編だ。主人公は、スットン強帝国第一皇子・後光院イズル。妹である後光院ランジェとの帝権戦に敗北した彼は、逃亡中にたどり着いた南の島でパッパラ隊と出会い、共に戦うことに。兄と妹の争いに関わるパッパラ隊により、ドタバタな日常が繰り広げられる。
スットン強帝国は、全世界の90%を支配する大帝国。その第一皇子であるイズルは、後光院家が持つ不死身遺伝子により、どれだけ攻撃を受けても死ぬことはない。しかし、帝歴206年に、ランジェとの帝権戦で敗れたことにより、妹に帝位を剥奪されてしまった。逃亡者となった彼が出会ったのが、帝国と対立している反乱軍南方独立戦団「パッパラ隊」だった。武器を使用してのおふざけが多いなど、ハイテンションギャグがスピーディに飛び交う展開が魅力的な作品だ。