関東地方の北部に位置する4つの県、栃木、茨城、群馬、埼玉出身の7人のマンガ家を紹介しよう。
マンガ作品にはその作者の出身地、土地柄が現れるものも数多い。出身地別にマンガ家をご紹介する。
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関東地方の北部に位置する4つの県、栃木、茨城、群馬、埼玉出身の7人のマンガ家を紹介しよう。
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江戸幕府初代将軍「徳川家康」を祀る「日光東照宮」があり、日光や那須などの観光地を要する栃木県。「高口里純」はその栃木県鹿沼市出身のマンガ家で1978年にデビュー。1985年に発表された不良少女を描いたマンガ『花のあすか組!』はドラマ化、実写映画化、OVA化など様々なメディアに展開され、その後続編も発表された。この「高口里純」の作品の1つ、『ロンタイBABY』は1974年の栃木県二ノ宮市。「ロンタイ」とは「ロングでタイトなスカート」の略でもちろん校則違反のスカート丈である。この時代の不良女子高生(スケバン)の典型的なファッションであり、物語の登場人物、主人公の「万年久子」は中学時代の通り名が「歩く火の玉」の武闘派、もう1人の主人公の「蜂屋間由子」も中学時代は名の知れたヤンキーであり、姉は暴走族の初代総長。これ以外にも個性的なヤンキーたちが数多く登場する。この栃木県二ノ宮市のモデルが県庁所在地の宇都宮市である。この時代を「懐かしい」と思うか、はたまた「こんな時代があったのか……。」と新鮮な気持ちで読むか、昭和生まれの方に聞いてみるかはあなた次第!! 昭和のヤンキーなめんなよ!!
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「茨城県」は「いばらき」であって「いばらぎ」にあらず。濁点をつけてはいけない、それが「茨城県」。そんな茨城県出身のマンガ家「樹るう」。主に4コママンガ誌を中心に活躍しており、可愛らしい絵柄で人気を博している。『ポヨポヨ観察日記』は約12年間連載され、アニメ化もされた作品なのでご存知の人も多いのでは!? OLだった主人公の「佐藤萌」がセクハラ、モラハラ、同僚彼氏の無理解などにたまりかね職場を退職、ヤケ酒を飲んで歓楽街で一夜を過ごし目を覚ますと、そこにいたのは真ん丸なネコ!! 「萌」はそのネコを家に連れ帰り「ポヨ」と名づけ超溺愛。時に愛が暴走し過ぎる事もあるほど。そんな「萌」と農家の父「茂」、高校生の弟「英」、そして「佐藤家」を取り巻く人々の姿をほんわか可愛く描いた作品である。この物語の舞台が「チバラギ県ちくば市」。明言はされていないが、「樹るう」が茨城県出身という事もあり、作品のモデルは「茨城県つくば市」ではないかと思われる。
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「からっ風」、「雷」、「カカア天下」が名物と言われる群馬県。群馬県をモデルとしたマンガといえば『お前はまだグンマを知らない』。タイトルからかなり衝撃的なこの作品は「チバ県」から「グンマ県」に引っ越す事になった主人公「神月紀」の物語。「紀」は先に「グンマ」に引っ越していた幼馴染から衝撃的な一言を聞く。それは「グンマ」から生きて帰ったものはいない」――。それを聞いた「紀」はネットで「グンマ県」のことを調べたところ、入ってくる情報はネガティブなものばかり……。一抹の不安を覚えながら、「真中高校」に編入した「紀」を待ち受けたのは、「グンマ」の様々な文化・風習に対するカルチャーショック!! 籠原駅から先は自動でドアが開かない高崎線。号令の「起立・注目・礼」に対応出来ないと生徒から暴行を受け、ひもかわうどんで身体を縛られる。更に「トチギ県」、「イバラキ県」との地域間抗争にまで巻き込まれながらも、「グンマ県」に少しずつ馴染んで行く。この作品の作者「井田ヒロト」は出身地は神奈川県だが、中学から群馬県高崎市に住んでいる。自分の体験を元にしたのか非常にリアル(?)な内容となっており、現在も連載中の本作は、これからもまだまだ「グンマあるある」が出て来るだろう。この本をきっかけに「グンマ」を学んでみよう。
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群馬出身のマンガ家からもう1人、「あらゐけいいち」を紹介する。群馬県前橋市出身の「あらゐけいいち」は2006年にデビュー、代表作は『日常』。「時定高校」を中心にしたマンガで登場人物がとても個性的、そして内容はとてもシュール。「バカ」と言われるとスイッチが入り毒舌を吐く者、絵を描くのが好きだが題材が仏像中心、「横から髪が伸びない体質」が遺伝したためモヒカン頭、アフロヘアーの霊媒体質……。まだまだいるが今まで挙げたキャラだけでもかなり濃い人物ばかりなのがわかる。この「時定高校」のモデルが作者の母校「群馬県立伊勢崎商業高等学校」である。また、登場人物の苗字は群馬県内の地名が多く使われており、群馬県名物の1つ「上毛カルタ」が作中に登場したりと、あちこちに作者の群馬愛が溢れている。ストーリーマンガと4コママンガの両方が存在しており、読者には2倍楽しめる作品となっている。ちょっと変わった高校生たちの“日常”をあなたも覗いてみてはいかがだろうか!?
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「彩の国」のキャッチコピーを持つ埼玉県。関東地方の中央西側に位置し、日本で8つの海に面していない県の1つ。埼玉県からは「古谷実」を紹介。埼玉県浦和市(現:さいたま市)出身で1993年にデビュー。2001年に発表した『ヒミズ』は舞台化、小説家、実写映画化と幅広く作品化されている。そしてその「古谷実」のデビュー作『行け!稲中卓球部』で、マンガが大ヒット! アニメ化もされた。舞台は稲豊市の「稲豊市立稲豊中学校」略して「稲中」の男子卓球部。部員は6人と少なめだが、この部員たちがもう一癖も二癖もある輩がほとんど。主人公「前野」は下品で自己中で周りから「変態」と呼ばれ、「前野」の親友「井沢」は卓球部だというのに『あしたのジョー』に憧れ髪型を真似ている。普段は無口だが、口を開くと周りがドン引きするほどの毒を吐くことがある「田中」、一見まともに見えるが殺傷能力を持つほどのワキガで「毒ガス王子」の異名を持つ「田辺」。この4人の暴挙に振り回される部長「竹田」、副部長「木ノ下」、顧問の「柴崎」など「超」がつくほど個性的キャラクターが巻き起こすギャグマンガである。この「稲中」のモデルと言われているのが「さいたま市立大谷口中学校」。作者の出身校であり、作者も中学時代は実際に卓球部に所属していた。もちろんこんな強烈な部員はいるはずはない。むしろいたら困る。思わず笑ってしまうこの破壊力、ぜひ実際に読んで実感してほしい。
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同じく埼玉県より紹介するのは「ひぐちアサ」。1998年に「月刊アフタヌーン」でデビューし家族をテーマにしたマンガを執筆していた。2003年から連載を始めた『大きく振りかぶって』は、これまでとは全く違う野球マンガである。しかし、スポーツマンガであるがスポ根要素は少なく、「全く新しいタイプの野球マンガ」と高い評価を得る。埼玉にある公立高校「西浦高校」へ進学した主人公の「三橋廉」は中学時代は群馬県におり、野球部のエースであったが、周囲のやっかみや妬みから弱気で卑屈な性格になってしまった。わざわざ隣の埼玉県の高校に進学したのは、その暗い思い出を忘れるためだった。その「西浦高校」の野球部は創部1年目、部員も新入生ばかりの10人のみ。監督は若くて美人、そして巨乳の女性監督。いちいち注目を浴びる状況の中で「廉」は再びエースに抜擢されてしまう。人見知りが激しく、自己主張が苦手な「廉」が過ごす野球部の生活は……!? この「西浦高校」のモデルとなっているのが作者の母校「埼玉県立浦和西高等学校」である。作者も中学、高校とソフトボール部に所属し、大学ではスポーツ心理学を専攻。この経験が作品に色濃く反映されていた。ちなみに「ひぐちアサ」は、実は女性である。リアリティが高いこの作品を一度読んでみてはいかがだろうか!?
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またまた埼玉県からもう1人、「美水かがみ」をご紹介。埼玉県幸手市出身の「美水かがみ」の代表作が2004年から連載されている大人気マンガ『らき☆すた』である。テレビアニメ化、ゲーム化、更にはミュージカルまで展開されており、その人気の高さがうかがえる。埼玉県の「陵桜学園高等学校」に通うオタクな女子校生「泉こなた」、おっとり女子「柊つかさ」、「つかさ」の双子の姉でツッコミ役の「柊かがみ」、美人で頭も良いけど天然な「高良みゆき」の4人を中心に巻き起こるまったり女子校生の日常。4コママンガで描かれるこちらの作品はかなりゆる〜く思わずくすりと笑ってしまう。周囲の人物も個性的で、中心の4人以外からも目が離せない。そんな「こなた」たちが通う「陵桜学園高等学校」のモデルは、作者の出身高校「春日部共栄高等学校」である。作品全体的に埼玉色が強く、作者の郷土愛も伝わって来る作品である。因みに「美水かがみ」は男性である。スタート当初、高校生だった4人は今では大学生。しかし相も変わらずゆる〜い毎日を送っている。そんなゆる〜い時間を共有してみてはいかがだろうか!?
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