なぜ人類は月に魅せられる？月が舞台の漫画オススメ５選114 Pt.

主人公の亜梨子たちは、かつて月に存在していた異星人で、死後に地球の人間に生まれ変わったというユニークな設定だ。前世で異星人だったときは、月の研究施設から地球を見守っていた。亜梨子をはじめとした男女7人は、その前世の出来事を夢という形で共有している。「ムーン・ドリーム」と名付けたこの夢を見ることで、徐々に前世の記憶を取り戻していく。ちなみに亜梨子の前世は、木蓮という女性。金髪で可憐な容貌の持ち主の木蓮は、研究員たちのマドンナ的な存在だった。中には前世とは異なる性別に生まれた者もおり、そのことが現代での関係にも大きな影響を与えていく。

重力が地球の1/6しかない月面の環境は、身体への負担が低く、病弱な者や高齢者などにとっては生活がしやすい。長期滞在で弊害もでるが、低重力での開発は、医療分野でもさまざまな恩恵が期待されている。「たんぽぽクレーター」は、まさに人類の夢が実現した月面医療都市で、難病を抱える患者にとっての希望の地だ。しかしある日、兵器実験の影響で地球からクレーターへの物資供給が途絶し、暴動が多発する混乱状態に陥ってしまう。やがて施設を支える電力も不足するが、その解決手段として、ある患者の冷凍睡眠装置の独立電源を使用する案が浮上する。果たして、大勢のためにひとりの患者を犠牲にするべきか。ジョイは難しい決断を迫られる。

主人公の九十八密を含め、月に送り込まれる18人の少年少女には共通点がある。それは、全員が2024年の9月9日9時9分に生まれた16歳だということ。グリーダ教会に伝わる預言書には、彼ら18人の中から新たな救世主が生まれると記されていた。密たちは、その預言に従って世界中から集められた。ちなみに彼らの中には、1人特別な少女がいる。それはアイシャ・マラーク・ザファルといい、3歳のとき教会に見出され、このときのために訓練を受けてきた「十字軍戦士」だ。さらには、教会と敵対する勢力に属する者も紛れている。誰が敵か味方かも解らない状況の中、月を舞台に「神の遺産」を巡り、過酷なサバイバル劇が幕を開けた。

本作の舞台は、人間のために働く有機的なアンドロイド「合成人間」が存在する未来世界。特捜司法官は、あらゆる面で人間を凌駕する能力を持つ合成人間だ。ずば抜けた身体能力と明晰な頭脳、豊かな感情までも備えた彼らは、まさに超人。リィンの恋人のジョーカーは、その中でも特別な存在で、DNAを取り込み、男女関係なく相手の姿に変身できる。今回のエピソードでは、特捜司法官の一人が絡んでいる連続殺人事件が発生。「全ての答えは月にある」というジョーカーの言葉に突き動かされ、リィンは月へと向う。月面には司法官を統轄する特捜司法局があり、リィンはそこでジョーカーの真の任務を知る。

本作の舞台は、次世代エネルギーの核融合炉が実用化された世界。その核融合に必要なヘリウム3が、月に大量に埋蔵されていることが発見され、月面は空前の開発ラッシュを迎える。その第一弾が、アメリカとロシアを中心とした国際的な月面基地建設プロジェクト「ネクサス計画」だ。猿渡吾郎はビルディングスペシャリストとして、このメンバーに選抜される。一方、月面の重要度が増したことで米国は宇宙軍を増強し、中国と熾烈な覇権争いを展開する。軍属から宇宙を目指したロストマンは、その最前線で戦っていく。吾郎とロストマンの道は大きく分れるが、意外な形で再開する。国際政治のシビアな側面から月面開発を描いたハードなSF作品だ。